洒落にならない怖い話まとめぽぽぽ・・・

怖い話にはいい話もあるんだよ?

【閲覧注意】ネコカフェをしている老夫人が明らかにおかしい

猫カフェの話。

  

 

 

明美さんの大学時代からの友人仁美さんからある日連絡があったらしいのね。近くに猫カフェができたから今度の休みに一緒に行かない?って。二人とも実家では猫を飼っていたけど上京してからは猫が飼えず猫好きならではの猫飢えを感じてたのでうん!行こう!って話がまとまったのね。

  

 

 

である日の日曜日。仁美さんの家に待ち合わせして2人で歩いて住宅街にある猫カフェに行ったのね。普通の一軒家を改造したような作りのこじんまりした猫カフェだったみたい。手作りな感じだけど安っぽさはない。いいね!って明美さんと仁美さんは盛り上がって中へ入って行ったのね。

  

 

 

出迎えてくれたのは上品で小綺麗な感じの老婦人でこちらが恐縮するぐらいの丁寧な対応で。で受付を済まして猫と遊べるスペースで明美さんと仁美さんは五匹ほどの猫と遊んでいたのね。猫飢えが満たされるのを2人で感じながら。

  

 

 

そしたら老婦人がこれどうぞ私の手作りなんですの。ってクッキーや紅茶を持ってきてくれて。あっどうもありがとうございます。って2人ともお礼を言って。そしたら仁美さんが老婦人と話をし始めたのね。

 

 

仁美さんは社交的で明美さんはちょっと人見知りだから話は仁美さんにまかせて明美さんは相槌をうつって感じで。で話を聞いてたんだけど何かがおかしい。

  

 

 

ほんと私猫が昔から好きで猫カフェをやるのが夢って言うかこんな年でなんなんですけど。って老婦人が言う。

  

 

それに重なって「猫って前足をハサミで切るとおかしな動きで歩くからとても愉快ですのよ」って同じ老婦人の声で聞こえる。

 

 

明美さんがえっ!って思って老婦人を見たがニコニコしながら仁美さんと話を続けている。

  

 

この猫カフェには殺処分になりかけたのを貰い受けた猫ちゃんも何匹かいるんですのよ。老婦人が言う。

  

 

 

重なって「この前熱湯をかけてみたんだけどあれも良いわね。でもギャーギャーうるさいから頭踏んづけてやりましたの」って老婦人の声で聞こえる。

  

その後も老婦人の猫に対する愛と猫に対する虐待の様子を喋る声が重なって延々と続く。なんなんだこれはって明美さんは思ったが仁美さんは老婦人と和気あいあいと話を続けている。

  

 

 

明らかにこの老婦人はおかしい。気分が悪くなった明美さんは仁美さんに体調が悪くなったからもう帰ろうと言った。仁美さんもそう?じゃあ行こうか。と言って猫カフェを後にした。老婦人はまたいらしてくださいね。と言っておみやげのクッキーを渡してくれた。

  

 

猫カフェを出てしばらく歩いた所で明美さんは迷ったが仁美さんに猫カフェで聞こえた声の事を話した。すると仁美さんは道に嘔吐した。大丈夫

 

と明美さんが言うと、なんでもっと早く出ようって言わないのよ!と仁美さんは声を荒げた。

  

 

仁美さんは声は聞こえなかったが仁美さんにも猫カフェである事が起こっていた。

  

 

 

老婦人と仁美さんが喋っている時に奥の部屋からヒョコヒョコと子猫が現れた。前足がない。あーこういう猫も飼ってるんだなあ。とぐらいに仁美さんは思っていた。

  

 

 

そうこうしているうちに目が潰れた猫、皮が剥がれた猫、もはや原型をとどめていない肉塊などがモゾモゾと現れ出した。その数は10、20ではきかない数で老婦人の周りをとり囲んで恨めしい顔で老婦人を眺めている。

  

 

 

仁美さんが放心状態でそれを眺めてふと老婦人の顔に目をやると。

  

 

 

老婦人は人差し指をゆっくり口に持っていき「黙れ」のポーズをとった。

  

 

 

だから怖くなって無理やり話をあわせてたのよ!と仁美さんは明美さんに泣きながら言った。

 

 

結局その日は2人とも疲労困憊でお互いの家にそのまま帰った。明美さんは電車に乗って自分の家の最寄の駅についた時に老婦人に貰ったクッキーの事を思い出して駅に隣接する公園のごみ箱に捨てた。

  

 

 

次の日の朝、会社に行くのにその駅に行くと公園でカラスが大量に死んでいてその死体の撤去をどうするかでちょっとした騒ぎになっていた。

 

 

それから明美さんと仁美さんはなんとなく疎遠になっていたが半年ぐらいして仁美さんからお茶に行こうよと言われた明美さんは待ち合わせて久々に2人でお茶をした。近況を話していると仁美さんがあの猫カフェ覚えてる?と明美さんに言ってきた。

 

 

うん。明美さんは答えた。仁美さんはあそこもう無くなっちゃってと言った。実は今から一ヶ月ぐらい前にあの老婦人がゴミの収集車に「中から声が聞こえる!」って叫びながら入ろうとしてちょっとした事件になって親戚に病院に入れられてあの猫カフェも売物件になっている。との事だった。

 

でも私その事件の前にあの老婦人を見てるんだよね。仁美さんは言った。

  

 

 

仁美さんが残業で真夜中に家に帰ろうと歩いていると角から影が現れた。あの老婦人が全裸で四つん這いで。仁美さんを見ると人差し指を口に持っていきニヤリと笑った。

  

 

あとね。その時見たんだけど。言いにくいんだけどほら性器の部分あるじゃない。あの部分に何もなかったのよ。ただノッペリとして。あの老婦人。なんなんだろね。あれ。仁美さんは言った。

  

 

 

そう話す仁美さんの声に仁美さんの声であの時の老婦人のように猫を虐待する様子を話す声が重なって、さっきから2人で座っている喫茶店のテーブルの下にモゾモゾとした猫の気配を感じていた明美さんは「私用があるから帰るから!」と言って伝票を持ってレジへ向かった。

 

 

レジで会計を済ましながら明美さんは仁美さんをチラリと見た。

 

 

仁美さんはゆっくり人差し指を口に持っていきニヤリと笑った。