洒落にならない怖い話まとめぽぽぽ・・・

怖い話にはいい話もあるんだよ?

合わせ鏡

802: 本当にあった怖い名無し 2005/10/30(日) 21:17:48 id:SkMIt2vxO


夏休みに家族旅行へと出かけた時の話だ 


旅行先ではコテージみたいなとこに泊まったんだが、部屋を見渡して俺は帰りたくなった 

トイレを出てすぐの洗面台のところが合わせ鏡になってたんだよ 

何か嫌じゃん 

まぁそんな個人の意見が通用するはずもなく、其所に泊まった 


事件はその夜に起きた 


そんなときに限って夜中にトイレに行きたくなるもんだ 

嫌な予感はしていたが、案の定俺はトイレへとたった 

半分寝ていたからか、恐怖は全く感じられなかった 


俺は用を済ましトイレから出ようとした所で、異変に気付いた 

ドアから「こん、こん」とノックをするような音が聞こえたのだ 

外には虫が多かったし、部屋の中にもたくさん入り込んできていたので 

それらがドアにぶつかってるんだろうと思い、ドアノブに手をかけた 

その時 


「ドンドン」 


音は、誰かがドアを殴りつけているように変わった 


803: 本当にあった怖い名無し 2005/10/30(日) 21:18:57 id:SkMIt2vxO

家族だったら何か言ってくるはずである 

「ヤバい、逃げなくては」 

そう思ったものの、出口はそのドア一つのみ 

そんな所から出られるはずもなく、恐らく10分ほど閉じこもっていたのであろう 

それほど時間がたてば「何か」もいなくなっているだろう 


そんな考えが甘かった 


トイレから出ると洗面台、急いで手を洗って寝ようと蛇口を捻った 

手を洗い終え、水を止めた所で、何を思ったか顔を上げてしまった 

前にも述べた通り、其所には合わせ鏡がある 

俺はその鏡像の中の鏡の一つに違和感を見つけてしまった 


怖くもあったが、その時は好奇心が勝ってしまった 

何が映っているのか確かめようとしてしまったのである 

何がいるのか見極めようと目を凝らしてみた 

どうやら赤い服をきた女性のようだ 

顔は髪で隠れてしまって見えなかった 

10秒ほど睨んでいると、鏡の中の女性に変化が起きた 

同時に俺は逃げ出そうとしたが、体が硬直してしまっていて出来なかった 

それは瞬きをした瞬間、鏡の中を一つ、コッチへと移動してきたのである 


804: 本当にあった怖い名無し 2005/10/30(日) 21:20:17 id:SkMIt2vxO

気のせいかもしれない。いや、きっとそうだ。そうに違いない。 

そう思い直し、もう一度見直した。また一つ近づいて来ていた。 

やはり、瞬きをした瞬間にだ。 

「ヤバい、このままだと」恐怖が蘇ってきた。 

逃げようとしても体は動かない。声はあげられない。 

暫くそうしていると、急に体が動くようになった。勿論、そのままベッドへ直行。その後眠れぬ夜を過ごした。 


朝になって家族が起き出してきたときに、夜中にトイレに来たかを一応聞いたが、答えはNO 


あのまま体が動かなかったら、俺は一体どうなってたんだろうか?