洒落にならない怖い話まとめぽぽぽ・・・

怖い話にはいい話もあるんだよ?

おじいさん

ある日、私は地元メンバーでオールをしていた。 
明け方になって、家の方向が同じ友達と、二人で帰っていた。 
横断歩道を渡ろうとした時、私は、確かに見た。 
横断歩道の向こう側に、お爺さんがニッコリ笑って立っている。

田舎の薄暗い明け方。 
人の姿も珍しいくらいの時間。 
私は横にいる友達のほうを見た。が、友達は何も気付いていない様子。 
私は、またお爺さんのほうを見た。 
すると、お爺さんは明らかに、私ではなく、横にいる友達のほうを見て笑っていた。 
私は、友達に、「知り合い?」 
と聞いてみた。 
すると友達は、「何が?」と答えた。 
私が指差しながら、お爺さんの方を見ると、お爺さんはいなかった。

私は寒気がした。 
そして、友達に話した。 
「さっき、あそこにお爺さんが、〇〇(友達)の方見て笑ってたんやって!」 
それを聞いた友達は、目をまるくして、一言。 
「うちのお爺さん、私が産まれる前に、ここの横断歩道で車にひかれて死んでん」 
私は固まった。 
そんな私に対し、友達は笑顔で言った。 
「うちが産まれるん、楽しみにしてたらしい。見守ってくれてるんかな」 

何だかせつなく、涙があふれた