洒落にならない怖い話まとめぽぽぽ・・・

怖い話にはいい話もあるんだよ?

【邪視】「兄ちゃん、起きないと 死  ん  じ  ゃ  う  ぞ  !  !」 【山の化物】

これは俺が14歳の時の話だ。冬休みに、N県にある叔父(と言ってもまだ当時30代)の別荘に遊びに行く事になった。
本当は彼女と行きたかったらしいが、最近別れたので俺を誘ったらしい。
小さい頃から仲良くしてもらっていたので、俺は喜んで遊びに行く事になった。
叔父も俺と同じ街に住んでおり、早朝に叔父が家まで車で迎えに来てくれて、そのまま車で出発した。
叔父は中々お洒落な人で、昔から色んな遊びやアウトドア、音楽、等等教えてもらっており、尊敬していた。
車で片道8時間はかかる長旅だったが、車内で話をしたり音楽を聞いたり、途中で休憩がてら寄り道したり、本当に楽しかった。

やがて目的地近辺に到着し、スーパーで夕食の食材を買った。そして、かなりの山道を登り、別荘へ。
それほど大きくはないが、木造ロッジのお洒落な隠れ家的な印象だった。
少し下がった土地の所に、23他の別荘が見える。人は来ていない様子だった。
夕食は庭でバーベキューだった。普通に安い肉だったが、やっぱり炭火で焼くと美味く感じる。
ホルモンとか魚介類・野菜も焼き、ホントにたらふく食べた。白飯も飯盒で炊き、最高の夕食だった。

食後は、暖炉のある部屋に行き、TVを見たりプレステ・スーファミ・ファミコンで遊んだり。
裏ビデオなんかも見せてもらって、当時童貞だったので衝撃を受けたもんだった。
深夜になると、怖い話でも盛り上がった。叔父はこういう方面も得意で、本当に怖かった。機会があればその話も書きたいが
ふと、叔父が思い出した様に「裏山には絶対に入るなよ」と呟いた。
何でも、地元の人でも滅多に入らないらしい。マツタケとか取れるらしいが。
関係ないかもしれないが、近くの別荘の社長も、昔、裏山で首吊ってる、と言った。
いや、そんな気味悪い事聞いたら絶対入らないし、とその時は思った。
そんなこんなで、早朝の5時ごろまで遊び倒して、やっとそれぞれ寝ることになった。

部屋に差し込む日光で目が覚めた。時刻はもう12時を回っている。喉の渇きを覚え、1階に水を飲みに行く。
途中で叔父の部屋を覗くと、イビキをかいてまだ寝ている。寒いが、本当に気持ちの良い朝だ。
やはり山の空気は都会と全然違う。自分の部屋に戻り、ベランダに出て、椅子に座る。
景色は、丁度裏山に面していた。別になんて事はない普通の山に見えた。
ふと、部屋の中に望遠鏡がある事を思い出した。自然の景色が見たくなり、望遠鏡をベランダに持ってくる。
高性能で高い物だけあって、ホントに遠くの景色でも綺麗に見える。
町ははるか遠くに見えるが、周囲の山は木に留ってる鳥まで見えて感動した。
30
分くらい夢中で覗いていただろうか?丁度裏山の木々を見ている時、視界に動くものが入った。

人?の様に見えた。背中が見える。頭はツルツルだ。しきりに全身を揺らしている。地元の人?踊り?
手には鎌を持っている。だが異様なのは、この真冬なのに真っ裸と言う事。そういう祭り?だが、1人しかいない。
思考が混乱して、様々な事が頭に浮かんだ。背中をこちらに向けているので、顔は見えない。
その動きを見て、何故か山海塾を思い出した。

「これ以上見てはいけない」

と本能的にそう感じた。人間だろうけど、ちょっとオカシな人だろう。気持ち悪い。
だが、好奇心が勝ってしまった。望遠鏡のズームを最大にする。ツルツルの後頭部。色が白い。
ゾクッ、としたその時、ソイツが踊りながらゆっくりと振り向いた。
恐らくは、人間と思える顔の造形はしていた。鼻も口もある。ただ、眉毛がなく、目が眉間の所に1つだけついている。縦に。
体が震えた。1つ目。奇形のアブナイ人。ソイツと、望遠鏡のレンズ越しに目が合った。口を歪ませている。笑っている。

「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」

目が合った瞬間、叫んでいた。涙が止まらない。とにかく、死にたい。異常なまでの鬱の様な感情が襲ってきた。
死にたい死にたい半狂乱で部屋を駆け回っていると、叔父が飛び込んで来た。

「どうした!?」
「バケモン!!」
「は?」
「望遠鏡!!裏山!!」

叔父が望遠鏡を覗きこむ。

「~~~~~~ッ」

声にならない唸りを上げ、頭を抱え込む。鼻水を垂らしながら泣いている。
さっきよりは、少し気持ちの落ち着いた俺が聞いた。

「アレ何だよ!!」
00子~ 00子~」

別れた彼女の名前を叫びながら、泣きじゃくる叔父。
流石にヤバイと思い、生まれて初めて平手で思いっきり、人の顔をはたいた。
体を小刻みに揺らす叔父。10秒、20叔父が俺を見つめてきた。

「邪視」
「じゃし?」
「いいか、俺の部屋の机の引き出しに、サングラスがあるから持ってこい。お前の分も」
「なんで(ry」
「いいから持ってこい!!

俺は言われるままに、サングラスを叔父に渡した。震える手で叔父はサングラスをかけ、望遠鏡を覗く。しばらく、望遠鏡を動かしている。
「ウッ」と呻き、俺に手招きをする。「グラサンかけて見てみろ」。恐る恐る、サングラスをかけ、覗き込む。
グラサン越しにぼやけてはいるが、木々の中のソイツと目が合った。言い様の無い不安がまた襲ってきたが、さっきほどでは無い。
だが心臓の鼓動が異常に早い。と言うか、さっきの場所では無いソイツはふにゃふにゃと奇妙な踊り?をしながら動いている。
目線だけはしっかりこちらに向けたまま山を降りている!?まさかこっちに来ている!?

「00、お前しょんべん出るか?」
「は?こんな時に何を
「出るなら、食堂に空きのペットボトルあるから、それにしょんべん入れて来い」

そう言うと、叔父は1階に降りていった。こんな時に出るわけないので、呆然としていたら
数分後、叔父がペットボトルに黄色のしょんべんを入れて戻ってきた。

「したくなったら、これに入れろ」

と言い、叔父がもう1つの空のペットボトルを俺に差し出した。

「いや、だからアイツ何?」
「山の物山子分からん。ただ、俺がガキの頃、よく親父と山にキャンプとか行ってたが、
 あぁ、あそこの裏山じゃないぞ?山は色んな奇妙な事が起こるからな
 夜でも、テントの外で人の話し声がするが、誰もいない。そんな時に、しょんべんとか
 撒いたら、不思議にピタッと止んだもんさ

そう言うと叔父は、もう一度望遠鏡を覗き込んだ。「グウッ」と苦しそうに呻きながらも、アイツを観察している様子だ。

「アイツな。時速何Kmか知らんが、本当にゆっくりゆっくり移動している。途中で見えなくなったが
 間違いなく、このロッジに向かってるんじゃないのか」
「じゃあ、早く車で戻ろうよ」
「多分、無駄だアイツの興味を俺たちから逸らさない限りは多分どこまでも追ってくる。
 これは一種の呪いだ。邪悪な視線、と書いて邪視と読むんだが
「さっき言ってたヤツかでも何でそんなに詳しいの?」
「俺が仕事で北欧のある街に一時滞在してた時イヤ、俺らが助かったら話そう」
「助かったらってアイツが来るまでここにいるの?」
「いいや、迎え撃つんだよ」

俺は絶対にここに篭っていた方が良いと思ったが、叔父の意見は
ロッジに来られる前に、どうにかした方が良い、と言う物だった。
あんな恐ろしいヤツの所にいくなら、よっぽど逃げた方がマシだと思ったが、
叔父さんは昔からいつだって頼りになる人だった。俺は叔父を尊敬しているし、従う事に決めた。
それぞれ、グラサン・ペットボトル・軽目の食料が入ったリュック・手持ちの双眼鏡・木製のバット・懐中電灯等を
持って、裏山に入っていった。暗くなる前にどうにかしたい、と言う叔父の考えだった。
果たしてアイツの視線に耐えられるのか?望遠鏡越しではなく、グラサンがあるとはいえ、
間近でアイツに耐えられるのか?様々な不安が頭の中を駆け巡った。
裏山と言っても、結構広大だ。双眼鏡を駆使しながら、アイツを探しまわった。
叔父いわく、アイツは俺らを目標に移動しているはずだから、いつか鉢合わせになると言う考えだ。
あまり深入りして日が暮れるのは危険なので、ロッジから500mほど進んだ、やや開けた場所で待ち伏せする事になった。

「興味さえ逸らせば良いんだよ。興味さえ
「どうやって?」
「俺の考えでは、まずどうしてもアイツに近づかなければならない。だが直視は絶対にするな。
 斜めに見ろ。言ってる事分かるな?目線を外し、視線の外で場所を捉えろ。
 そして、溜めたしょんべんをぶっかける。それでもダメなら
 良いか?真面目な話だぞ?俺らのチンコを見せる」
「はぁ?」
「邪視ってのはな、不浄な物を嫌うんだよ。糞尿だったり、性器だったり
 だから、殺せはしないが、それでアイツを逃げされる事が出来たのなら、俺らは助かると思う」
それでもダメなら?」
逃げるしかない。とっとと車で」

俺と叔父さんは、言い様のない恐怖と不安の中、ジッと岩に座って待っていた。
交代で双眼鏡を見ながら。時刻は4時を回っていた。

「兄ちゃん、起きろ」

俺が10歳の時に事故で亡くなった、1歳下の弟の声が聞こえる。

「兄ちゃん、起きろ。学校遅刻するぞ」

うるさい。あと3分寝かせろ。

「兄ちゃん、起きないと 死  ん  じ  ゃ  う  ぞ  !  !」

ハッ、とした。寝てた??あり得ない、あの恐怖と緊張感の中で。眠らされた??
横の叔父を見る。寝ている。急いで起こす。叔父、飛び起きる。
腕時計を見る、5時半。辺りはほとんど闇になりかけている。冷汗が流れる。

「00、聴こえるか?」
「え?」
「声歌?」

神経を集中させて耳をすますと、右前方数m?の茂みから、声が聞こえる。
だんだんこっちに近づいて来る。民謡の様な歌い回し、何言ってるかは分からないが不気味で高い声。
恐怖感で頭がどうにかなりそうだった。声を聞いただけで世の中の、何もかもが嫌になってくる。

「いいか!足元だけを照らせ!!」

叔父が叫び、俺はヤツが出てこようとする、茂みの下方を懐中電灯で照らした。
足が見えた。毛一つ無く、異様に白い。体全体をくねらせながら、近づいてくる。
その歌のなんと不気味な事!!一瞬、思考が途切れた。

「あぁぁっ!!」
「ひっ!!」

ヤツが腰を落とし、四つんばいになり、足を照らす懐中電灯の明かりの位置に、顔を持ってきた。直視してしまった。
昼間と同じ感情が襲ってきた。死にたい死にたい死にたい!こんな顔を見るくらいなら、死んだ方がマシ!!
叔父もペットボトルをひっくり返し、号泣している。落ちたライトがヤツの体を照らす。意味の分からないおぞましい歌を歌いながら、
四つんばいで、生まれたての子馬の様な動きで近づいてくる。右手には錆びた鎌。よっぽど舌でも噛んで死のうか、と思ったその時、

「プルルルルッ」

叔父の携帯が鳴った。号泣していた叔父は、何故か放心状態の様になり、ダウンのポケットから携帯を取り出し、見る。
こんな時に何してんだもうすぐ死ぬのにと思い、薄闇の中、呆然と叔父を見つめていた。
まだ携帯は鳴っている。プルルッ。叔父は携帯を見つめたまま。ヤツが俺の方に来た。恐怖で失禁していた。死ぬ。
その時、叔父が凄まじい咆哮をあげて、地面に落ちた懐中電灯を取り上げ、
素早く俺の元にかけより、俺のペットボトルを手に取った。

「こっちを見るなよ!!ヤツの顔を照らすから目を瞑れ!!」

俺は夢中で地面を転がり、グラサンもずり落ち、頭をかかえて目をつぶった。
ここからは後で叔父に聞いた話。まずヤツの顔を照らし、視線の外で位置を見る。
少々汚い話だが、俺のペットボトルに口をつけ、しょんべんを口に含み、
ライトでヤツの顔を照らしたまま、しゃがんでヤツの顔にしょんべんを吹きかける瞬間、目を瞑る。霧の様に吹く。
ヤツの馬の嘶きの様な悲鳴が聞こえた。さらに口に含み、吹く。吹く。ヤツの目に。目に。

さっきのとはまた一段と高い、ヤツの悲鳴が聞こえる。だが、まだそこにいる!!
焦った叔父は、ズボンも下着も脱ぎ、自分の股間をライトで照らしたらしい。
恐らく、ヤツはそれを見たのだろう。言葉は分からないが、凄まじい呪詛の様な恨みの言葉を吐き、くるっと背中を向けたのだ。
俺は、そこから顔を上げていた。叔父のライトがヤツの背中を照らす。
何が恐ろしかったかと言うと、ヤツは退散する時までも、不気味な歌を歌い、体をくねらせ、ゆっくりゆっくりと移動していた!!
それこそ杖をついた、高齢の老人の歩行速度の如く!!
俺たちは、ヤツが見えなくなるまでじっとライトで背中を照らし、見つめていた。いつ振り返るか分からない恐怖に耐えながら
永遠とも思える苦痛と恐怖の時間が過ぎ、やがてヤツの姿は闇に消えた。

俺たちはロッジに戻るまで何も会話を交わさず、黙々と歩いた。
中に入ると、叔父は全てのドアの戸締りを確認し、コーヒーを入れた。飲みながら、やっと口を開く。

「あれで叔父さんの言う、興味はそれた、って事?
「うぅん恐らくな。さすがに、チンコは惨めなほど縮み上がってたけどな」

苦笑する叔父。やがて、ぽつりぽつりと、邪視の事について語り始めてくれた

叔父は、仕事柄、船で海外に行く事が多い。詳しい事は言えないが、いわゆる技術士だ。
叔父が北欧のとある街に滞在していた、ある日の事。現地で仲良くなった、通訳も出来る技術仲間の男が、
面白い物を見せてくれると言う。叔父は人気の無い路地に連れて行かれた。ストリップとかの類かな、と思っていると、
路地裏の薄汚い、小さな家に通された。叔父は中に入って驚いた。
外見はみすぼらしいが、家の中はまるで違った。一目で高級品と分かる絨毯。壺。貴金属の類香の良い香りも漂っている。
わけが分からないまま、叔父が目を奪われていると、奥の小部屋に通された。
そこには、蝋燭が灯る中、見た目は60代くらいの男が座っていた。ただ異様なのは、夜で家の中なのにサングラスをかけていた。
現地の男によれば「邪視」の持ち主だと言う。

邪視(じゃし)とは、世界の広範囲に分布する民間伝承、迷信の一つで、
悪意を持って相手を睨みつける事によって、対象となった被害者に呪いを掛ける事が出来るという。
イビルアイ(evil eye)、邪眼(じゃがん)、魔眼(まがん)とも言われる。
邪視の力によっては、人が病気になり衰弱していき、ついには死に至る事さえあるという。

叔父は、からかい半分で説明を聞いていた。この男も、そういう奇術・手品師の類であろうと。
座っていた男が、現地の男に耳打ちした。男曰く、信じていない様子だから、少しだけ力を体験させてあげよう、と。
叔父は、これも一興、と思い、承諾した。また男が現地の男に耳打ちする。男曰く、

「今から貴方を縛りあげる。誤解しないでもらいたいのは、それだけ私の力が強いからである。
 貴方は暴れ回るだろう。私は、ほんの一瞬だけ、私の目で貴方の目を見つめる。やる事は、ただそれだけだ」

叔父は、恐らく何か目に恐ろしげな細工でもしているのだろう、と思ったという。
本当に目が醜く潰れているのかもしれないし、カラーコンタクトかもしれない。
もしくは、香に何か幻惑剤の様な効果がと。縛られるのは抵抗があったが、
友人の現地の男も、本当に信頼出来る人物だったので、応じた。
椅子に縛られた叔父に、男が近づく。友人は後ろを向いている。
静かに、サングラスを外す。叔父を見下ろす。

「ホントにな、今日のアイツを見た時の様になったんだ」

コーヒーをテーブルに置いて、叔父は呟いた。

「見た瞬間、死にたくなるんだよ。瞳はなんてことない普通の瞳なのにな。
 とにかく、世の中の全てが嫌になる。見つめられたのはほんの、12秒だったけどな。
 何かの暗示とか、催眠とか、そういうレベルの話じゃないと思う」

友人が言うには、その邪視の男は、金さえ積まれれば殺しもやるという。
現地のマフィア達の抗争にも利用されている、とも聞いた。
叔父が帰国する事になった1週間ほど前、邪視の男が死んだ、という。
所属する組織のメンツを潰して仕事をしたとかで、抹殺されたのだという。
男は娼婦小屋で椅子に縛りつけれれて死んでいた。床には糞尿がバラ巻かれていたと言う。
男は、凄まじい力で縄を引きちぎり、自分の両眼球をくり抜いて死んでいたという。

「さっきも言った様に、邪視は不浄な物を嫌う。汚物にまみれながら、ストリップか性行為でも見せられたのかね」

俺は、一言も発する気力もなく、話を聞いていた。さっきの化け物も、邪視の持ち主だっという事だろうか。
俺の考えを読み取ったかのように、叔父は続けた。

「アイツが本当に化け物だったのか、ああいう風に育てられた人間なのかは分からない。
 ただ、アイツは逃げるだけじゃダメな気がしてなだから死ぬ気で立ち向かった。
 カッパも、人間の唾が嫌いとか言うじゃないか。案外、お経やお守りなんかよりも、
 人間の体の方がああいうモノに有効なのかもしれないな」

俺は、話を聞きながら弟の夢の事を思い出して、話した。弟が助けてくれたんじゃないだろうかと。
俺は泣いていた。叔父は神妙に聞き、1分くらい無言のまま、やがて口を開いた。

「そういう事もあるかもしれないな00はお前よりしっかりしてたしな。
 俺の鳴った携帯の事、覚えてるか?あれな、別れた彼女からなんだよ。
 でもな、この山の周辺で、携帯通じるわけねぇんだよ。見ろよ。今、アンテナ一本も立ってないだろ?
 だから、そういう事もあるのかも知れないな今すぐ、山下りて帰ろう。
 このロッジも売るわ。早く彼女にも電話したいしな」

叔父は照れくさそうに笑うと、コーヒーを飲み干し立ち上がった。

あれ?おかしいなぁ?その日も普通に学校に行きました。もうみんな死んだんですけど

860 名前:あなたのうしろに名無しさんが・・・ 投稿日:2001/02/28(水) 20:59

僕はいつも学校に行くためにバスに乗ってるんですけど、

そのバスは右に曲がった

そのいつも乗ってるバスで、ある日おかしな事があったんです。

だって、いつものような、おばあさんもがいるから、

最後まで行ったんです。痛いから。

それで、そこまでは別に良かったんですけど、めちゃくちゃ

大きい紙袋の紙じゃない版みたいなのがあって、

ボールみたいなのもあって、シルクハットをかぶってる人も

いっぱいいたんです。

おかしいですよね?普通の道を通ってるのに。

それでもバスはずうっと普通に進んでたんですけど、

ある道を左に曲がった所で、いきなり急ブレーキをしたんですよ。

それで、本当に急にキー---って止まったんで、

中に乗ってた人が、バランスを崩してこけそうになったんです。

僕は席に座ってたんで大丈夫だったんですけど。

 

でも、本当におかしい事は、学校に行く直前に起こったんです。
そのバスはいつも、大きな公園の横を通って行くんですけど、
その頃、ちょうどそのいつもの道は工事してたんで、
ちょっと遠回りして、トンネルがある方の道から行ってたんです。
それで、そのトンネルのちょうど真中ぐらいまで通ったところで、
そのバスが”ガチャ”とか言いながら止まったんです。
僕はもちろんおかしいな、と思いました。
で、気づくと、バスは既に学校前のバス停に着いてました。
僕は、あれ?おかしいなぁ?とか思いながらバスを降りて、
その日も普通に学校に行きました。
そのバスに乗ってた人はもうみんな死んだんですけど。

 

861 名前:あなたのうしろに名無しさんが・・・ 投稿日:2001/02/28(水) 21:30

>860

あなたの文章、とても恐いです。

意味が全然わかりません。

このスレで一番こわい・・・・・・・。

 

 

 

 

 

 

 

503 名前:1/3 zxEvCWYvb6 投稿日:03/12/15 16:24

友人から聞いた話です。

彼は神奈川のある高校にバスで通っていたんですけど、

そのバスによく乗ってくる奇妙なおばあさんがいたそうです。

別に見た目が奇妙とか、気が狂っているとか、そういう奇妙さじゃなくて

なんというか、不気味な気配が漂っているけど何が変なのかはわからない、

そんな感じのおばあさんだったそうです。見た目は良家の未亡人風というか

(「ジョジョの奇妙な冒険」という漫画の第二部に出てくるジョジョのばあちゃん

みたいな感じだといっていました)

毅然とした感じの寡黙なタイプで、でもこの世の人ではないような、そんな

おばあさんだったそうです。

彼は霊感があるわけでもなく、それまでに怪談めいた体験をしたわけでもない

のですが、このおばあさんがバスに乗ってくると、いつも

「これから何かあるんじゃないか」という言い知れぬ恐怖感に襲われたと

以前からよく言っていました。

504 名前:2/3 zxEvCWYvb6 投稿日:03/12/15 16:26

冬のある日、いつものようにバスで高校に行く途中、おばあさんが乗ってくると

既にバスに乗っていた乗客の一人がおばあさんに話しかけました。

話しかけたのは帽子をかぶってシルバーシートに座った、老紳士といった感じの人で、

その人の連れらしい、同じような恰好の40代くらいの男性が二人

大きな鞄を持ってそばに立っていました。

老紳士とおばあさんが何を話したのかは

友人には聞こえませんでしたが、ふたことみこと会話を交わしていたようです。

そして突然老紳士のほうが「それだけはさせません!!」と

バスの中で大きな声をあげました。見ていた友人だけでなく、周りの人たちも

何があったのかとそっちを一斉に振り向きましたが

そのときには老紳士の連れの人が鞄から何か丸いボールのようなものを

取り出していました。それがなんなのかはわからなかったそうですが

とっさに友人は、自爆テロでバスが爆破されるというようなニュースを思い出し

まさかそういうような恐ろしいことが起きるのかと思いましたが

しばらくは何も起きず、老紳士とおばあさんはにらみ合いをしたまま

黙っていたそうです。

そのまま何分か何秒かはわかりませんが、バスの中で気まずい沈黙が流れていたところ

突然バスが急ブレーキをかけました。

運転手さんがアナウンスで「急ブレーキで大変ご迷惑様です。この先緊急工事ですので

迂回いたします」みたいなことを言って、いつもと違う道に入りました。

しばらく行くと急に外が暗くなって、「あれ、トンネルかな?」と思ったところで

ふと記憶が途切れ、気がつくと病院のベッドだったそうです。

505 名前:3/3 zxEvCWYvb6 投稿日:03/12/15 16:27

実は友人は、道で倒れているのを通行人に通報され、友人は意識のないまま

病院に運ばれたようなのですが、友人が入院したのは小さな病院で

バスに乗っていたほかの客が入院したらしい様子もなく、結局バスは

どうなったのか、僕にも友人にもよくわからないままでした。

翌日の新聞でそれらしい事故が載っていないか探したのですが

とくに見当たらず、それっきりになってしまい、無理に探すのはあきらめました。

というのも、実は意識のもどった友人は脳に障害が残ったのか

ちょっと何を言ってるかわからないような感じになっていて

この事故のエピソードも二日に分けて根気よく聞きだして判ったものを

僕がまとめたもので、本人の口から聞いただけでは何がなんだかわからずじまいでした。

直後にいったんは退院して、あちこちにこの話をして彼なりに詳細を確かめようと

したみたいですが、「インターネットでも相手にされなかった」というようなことを言っていました。

(このとき彼と話をした人、この板にはいないかなぁ。交通関係の掲示板とかかな)

その後また日に日に具合は悪くなり、去年の夏くらいに亡くなりました。僕が大学で、オカルト好きの別の友人にこの話をしたら

おばあさんが悪霊とかで老紳士のほうは

拝み屋の類だったんじゃないかと言ってましたが

それもまた考えすぎな気もします。

516 名前: zxEvCWYvb6 投稿日:03/12/15 23:25

さっき帰ってきた。

まぁ>>507の言うとおりで、看護婦にきくってのは思いつかなかったが

家族には当時にも状況を聞こうとしたよ。本人があの状態(何言ってるか不明)じゃ。

でもな、兄弟同然に育った幼馴染とか言うならともかく

高校になってから知り合った連れで、親の顔見たのはその病院で初めてだぜ?

それでしかも、今にも消え入りそうなちっこい弱そうなオバチャン(そいつの母親)が

泣きはらした真っ赤な目でオロオロしてるんだぜ?

さすがに根掘り葉掘りは聞けませんでしたよ、悪い気がして。

で、「警察にも連絡してるから、事件や事故だったらあとで何か学校に連絡が行くでしょう」って

話を聞くのが精一杯でしたよ。学校に刑事が来たりした様子がないところを見ると、警察の出した結論は

「そいつが登校中に昏倒意識錯乱、というだけで事件性はなし、

言ってることは全部でたらめで混乱してるだけ」ってあたりなんでしょう。

ま、俺が刑事でも普通はそう考えるな。

532 名前:あなたのうしろに名無しさんが・・・ 投稿日:03/12/16 01:30

思い出せない・・・学校にいくバスに乗ってて、おばあさんが出てきて、

落ちがないような怪談・・・絶対見た気がするんだけどデジャブかな・・・

533 名前:あなたのうしろに名無しさんが・・・ 投稿日:03/12/16 02:53

>>532

これか?

「全く意味が分かりません」

>>503の友人が書き込んだのかもな。

 

534 名前:あなたのうしろに名無しさんが・・・ 投稿日:03/12/16 02:57

>>533

なんか、すげーに似てるな。

話と。一体何が見えたんだろうね?

少なくとも、そのURLの話はまったく理解不能だが。

535 名前:あなたのうしろに名無しさんが・・・ 投稿日:03/12/16 02:59

>>533

それかも。

うわー、そう考えると>>530の友人自身が書いたってのもありそうだが

それはさすがにできすぎだろ。偶然の一致であってほしい。

536 名前:535 投稿日:03/12/16 03:02

それ2001年だから時間的にはありうるよな、と思って

2001 バス 事故 で検索かけたらhttp://www.asahi-net.or.jp/~wh4k-bnb/dosa/2001/20010203.htmlこれ湘南高校って書いてるけど>>503も神奈川って書いてあるよな・・・。

鹿島さん

この話はインターネットのような多くの方がご覧になるような場所では話さない方がと思いましたが、

夏の涼しさを味わっていただくためあえて話します。

 時は第二次世界大戦の日本敗戦直後。

日本はアメリカ軍の支配下に置かれ各都市では多くの米兵が行き交う時代でした。

兵庫県の中規模都市である加古川市においても多くの米兵が我が物顔で街をのさばり

治外法権を盾に多くの事件を起こし多くの日本人を殺害していました。


 ある夜、地元でも有名な美女(23歳の方)が一人、加古川駅付近を歩いていた時

 不幸にも数人の米兵にレイプされその後殺すにも苦しみながら死んでいくのを楽しむため

体の両腕・両足の付け根の部分に銃弾を叩き込み道路上に放置したまま立ち去りました。
 瀕死の状態をさまよっていた時、運良くその場を通りがかった地元でも有名な医者に発見され腐敗していた

両腕・両足を切り落とすことを代償に一命を取りとめました。

 しかし、自分の美しさにプライドを持っていた女は生きることに希望が持てず

国鉄(当時)加古川線の鉄橋上へ車椅子で散歩につれられているスキをみて車椅子を倒し、

両腕・両足のない体で体をよじらせ鉄橋の上から走ってきた列車へ身投げし自殺しました。


 警察、国鉄から多くの方が線路中で肉片の収集をしましたが

不思議なことに首から上の部分の肉片は全くみつからなっかたとのことです。

しかし時代が時代だったもので数日経過すると、その事件を覚えている者はほとんど居なくなりました。


 事件が起こったのは、数ヶ月後のある日です。

朝は元気だった者がなぜか変死を遂げるようになってきました。

それも一軒の家庭で起こるとその近所で事件が起こるといった具合です。

警察も本格的に動き出し、事件が起こった家庭への聞き込みではなぜか共通点がありました。

それは死亡者は必ず、死亡日の朝に「昨日、夜におかしな光を見た」というのです。

実際に当時の新聞にも記載された事件であり加古川市では皆がパニックになりました。

加古川所では事件対策本部がおかれ事件解決に本腰が入りました。
 そこである警察官が事件が起こった家庭を地図上で結んでみると、あることに気がつきました。

なんとその曲線は手足のない、しかも首もない胴体の形になりつつあったのです。

こうなると当然 次はどのあたりの者が事件に遭うか予測がつきます。

そこで前例にあった「光」を見た者は警察に届け出るように住民に知らせました。

やはり、曲線上の家庭では「光」を見たといい死んでいきました。しかし、実は「光」ではなかったのです。
 死者の死亡日の朝の告白はこうでした「夜、なぜか突然目が覚めました。

するとかすかな光が見え、見ているとそれはますます大きな光となります。

目を凝らしてみると何かが光の中で動いているのが見えます。

物体はだんだん大きくなりこちらへ近づいてきます。

その物体とはなんと、首もない両腕・両足のない血塗れの胴体が肩を左右に動かしながら這ってくる肉片だった。

ますます近づいてくるので怖くて目を閉じました」というのです。
 次からも、その同じ肉片を見た者は必ず死にました。

そこで次は自分だと予想した者が恐ろしさのあまり加古川市

高砂市(隣の市)の間にある鹿島神社(地元では受験前など多くの人が参拝する)でお払いをしてもらいました。

すると「暗闇のむこうに恐ろしい恨みがあなたを狙っているのが見えます。

お払いで拭いきれない恨みです。

どうしようもありません。

唯一貴方を守る手段があるとするならば

夜、肉片が這ってきても絶対目を閉じずに口で

鹿島さん、鹿島さん、鹿島さんと3回叫んでこの神社の神を呼びなさい」といわれました。
 その夜、やはり肉片は這ってきましたが恐怖に耐え必死に目を開いて「鹿島さん」を3回唱えました。

すると肉片はその男の周りをぐるぐる這った後、消えてしまいました。

通常、話はこれで終わりますが、やはり恨みは非常に強く、その男が旅へ出てもその先にて現れました。

その後、その方がどうなったかは知りません。

ただ非常にやっかいなことに


この話は、もし知ってしまうと肉片がいつかはその話を知ってしまった人のところにも現れるということです。


 私(兵庫県出身)が知ったのは、高校時代ですが私の高校ではこの話は人を恐怖に与えるためか

迷信を恐れるためか口に出すことが校則で禁止されました。

皆さんはインターネットで知ったので鹿島さん(地元では幽霊の肉片を鹿島さんと呼ぶ)を見ないことに期待します。

もし現れたら必ず目を閉じず「鹿島さん」を3回唱えてください。

1人だけ違う動画を見ていた(不気味) 

17: 2010/06/09 04:24:13 id:iXE8SkTZ

21: 2010/06/09 04:25:22 ID:59Ek+ij6
>>17 
なにこれこわい

  

 
22: 2010/06/09 04:25:39 id:DYEL6iJx
>>17 
やべえなんか怖ぇ

24: 2010/06/09 04:26:39 id:rhH9l2+g
>>17が怖くて見れない

25: 2010/06/09 04:27:13 ID:1coVby5J
>>17 
怖すぎワロタ。寝られねえじゃねーか

35: 2010/06/09 04:30:13 id:sZ36Pbdx
>>17 
中盤からテンポ変わる瞬間に怖くて鳥肌立ったわ 
このブザー音はアナログの音だな 
シンセみたいになんかフランジャーみたいな効果付けてんのかな

37: 2010/06/09 04:30:22 ID:2iNxzKAv
>>17 
右のリンクのこっちの方が怖い、取り込まれる 


http://www.youtube.com/watch?v=McFRonD-sjg&feature=related


43: 2010/06/09 04:32:02 id:ZLq3Qec0
>>37 
予想以上に怖かった。鳥肌たった。すぐ閉じた。

50: 2010/06/09 04:34:23 id:sZ36Pbdx
>>37 
何だこれ 
背筋に寒気走るわ 
これ怖さで俺が今までに見た動画の3本指に入るぞ

136: 2010/06/09 04:53:38 ID:6OVGSgCu
>>37 
サムネで気になったけど、だからといって開く気にはならなかった 
嫌な予感しかしない

177: 2010/06/09 05:01:35 id:sZ36Pbdx
>>37の奴は怖くて見る事ができん 
再生して2秒で耐えられなくなる

186: 2010/06/09 05:02:52 ID:1m42cDxx
>>37詳しく

195: 2010/06/09 05:04:17 ID:38GrrdWJ
>>186 
サムネイルにある顔が変な動きをする

454: 2010/06/09 06:37:48 id:Gy6nGKNI
>>17>>37もどこが怖いのかよく分からないな 
俺の頭が悪いからか

462: 2010/06/09 06:41:41 id:PNLR+93Y
>>17は怖くないけど 
>>37が怖くない奴は異常だろ 死体が動いてても平然としてるタイプだな

468: 2010/06/09 06:44:49 id:Gy6nGKNI
>>462 
そりゃ死体が動いてたらビビるだろうけど、 
裸の女がウネウネしてるだけの動画なんて、チンコは勃っても鳥肌は立たねえだろ

473: 2010/06/09 06:46:14 id:oTsLXuTY
>>468 
え、裸?

475: 2010/06/09 06:47:25 id:Gy6nGKNI
>>473 
あれ、>>37の話だよな?

484: 2010/06/09 06:51:40 id:M23jtbl/
>>475 
オマエの方がこえーよ・・・。

485: 2010/06/09 06:52:17 id:oTsLXuTY
>>475 
ふーん、おまえには裸の女に見えたんだ・・・ 
おまえにだけは・・・

499: 2010/06/09 06:57:31 id:Gy6nGKNI
ちょっと待った 
>>37は裸の女が行ったり来たりしながらウネウネしてるだけの動画だよな? 
お前らが変なこと言うから怖くなってきたぞ

503: 2010/06/09 06:59:46 id:hoRfSh8g
>>499 
ほんとにやめて

506: 2010/06/09 07:00:07 id:oTsLXuTY
>>499 
え、マジか

514: 2010/06/09 07:03:30 id:Ey3pi8ZW
>>493 
しかし人工的な信号であれば、77年8月15日に一度だけ受信できたというのは 
おかしいのでないか。人工的なものならば、反復して受信できるはずだ。 

>>499 
はて?行ったり来たり?

520: 2010/06/09 07:06:00 id:Gy6nGKNI
>>514 
20秒くらいの間隔で行ったり来たりしてるだろ 
近付いて来る時しか裸は見えないけど

524: 2010/06/09 07:07:12 id:oTsLXuTY
>>520 
おいおい

531: 2010/06/09 07:11:01 id:Ux0+EGyo
>>527 
やめてくれよ・・・

533: 2010/06/09 07:11:20 id:hoRfSh8g
>>520 
裸の女はいつ近づいてくるんだよ

537: 2010/06/09 07:13:54 id:Gy6nGKNI
>>533 
だから往復20秒くらいの間隔で、奥に行ったり手前に来たりしてるじゃねーか 

えっ、というか本当に俺の頭がおかしいのか? 
釣り? マジ?

543: 2010/06/09 07:15:10 id:fQLmOtsk
>>537 
奥に行った時のスクショ取って見せてくれ

545: 2010/06/09 07:16:00 id:Gy6nGKNI
>>543 
分かった、ちょっと待ってろ

547: 2010/06/09 07:16:41 id:M23jtbl/
>>545 
今、専ブラの画像表示機能全部切った。

553: 2010/06/09 07:17:49 id:CLRnZ2tB
>>545 
本気か!?釣りじゃないのか!?

538: 2010/06/09 07:14:01 id:CLRnZ2tB
>>520 
マジでいったりきたりしてないよ?ましてや裸なんぞ 
何かやばくないか

542: 2010/06/09 07:14:49 id:Ey3pi8ZW
>>513 
ゆっくりとした単調なブザー音の繰り返しが、突如としてピッチを上げる。 

子守歌のように聞こえていた音が、同じ音のはずなのに間隔が変わっただけで 
何かの接近を警告するかのように、聞く者の焦燥感をかきたてる。 

それはちょうど、おだやかな顔をした人形の表情が、突然鬼のように変わった 
ような、動かぬはずの人形が突然両腕を振り上げて襲いかかってきたかのような、 
そんな恐怖に似ている。 

>>520 
俺をからかっているんだね?やめてくれよ

519: 2010/06/09 07:05:50 id:M23jtbl/
>>517 
俺らに見えてないものが見えてるってことだろ。危ない兆候だ。

557: 2010/06/09 07:19:00 id:fuxpGIue
お前らが大袈裟に言っているだけだと軽い気持ちで>>37見た 
1秒待たずに閉じた 
なんだあれは

560: 2010/06/09 07:20:26 id:CLRnZ2tB
>>557 
気持ち悪いよな

567: 2010/06/09 07:23:43 id:Gy6nGKNI

572: 2010/06/09 07:24:27 id:fQLmOtsk
>>567 
いやこっちが意味わからん

575: 2010/06/09 07:25:08 id:fuxpGIue
>>567 
ちょっと待てどこを見て「裸の」女だとおもったんだ?

580: 2010/06/09 07:26:39 id:IJV/HdAY
>>575 
よせよ・・・ 
怖くなってきたわ

576: 2010/06/09 07:25:13 id:hoRfSh8g
>>567 
奥に行ってないじゃん

582: 2010/06/09 07:27:14 id:CLRnZ2tB
>>567 
おいマジでヤバイぞ? 
病院かお寺に行かないと

592: 2010/06/09 07:29:13 id:hoRfSh8g
>>584 
なんとなくあーちゃんに似てる

586: 2010/06/09 07:28:17 ID:9vlfHnJs
>>567 
これで奥なのか 手前も見たくなってきたぞ

579: 2010/06/09 07:25:47 id:TUAOFHA0
no title

591: 2010/06/09 07:28:58 id:gxyXEvSf
>>579 
笑うセールスマンのオチみたい

595: 2010/06/09 07:29:53 id:Gy6nGKNI
おい、悪ノリやめろマジで 
本気で怖くなってきた

615: 2010/06/09 07:34:38 id:Gy6nGKNI
>>599 
だからそうだって言ってんだろ 
霊感なんてカケラもないし、社会人になってから霊の存在を信じるようなクチにはなりたくねーよ

619: 2010/06/09 07:35:40 id:fuxpGIue
>>615 
すまないが、スクショに線を入れてどこがどの部分か書き込んではくれまいか?

623: 2010/06/09 07:37:12 id:Ey3pi8ZW
>>615 
そうか、わしらをからかっているんだね? 
朝だからいいようなもんの、夜だったら不気味だからやめろ

628: 2010/06/09 07:37:48 id:Lj2AaQZH
>>615 
俺たちが見ているのは黒背景でひずんだ女の首から上の画像なのだが 
そう言われて全くそう見えないのならお前だけ全く違うように見えてるようだな

634: 2010/06/09 07:39:37 id:LzLeuxJA
>>628 
>>615 
> 俺たちが見ているのは黒背景でひずんだ女の首から上の画像なのだが 
> そう言われて全くそう見えないのならお前だけ全く違うように見えてるようだな 
え?そんなの見えてないぞ。

642: 2010/06/09 07:40:38 id:hoRfSh8g
>>634 
えっ

629: 2010/06/09 07:38:11 id:ol2bXGNc
下ろしてる髪の間から襟見えるから裸じゃないな 
襟元広い黒い服で裸に見えなくもないよ 
ただ、前後移動は絶対にしてない

635: 2010/06/09 07:39:40 id:Gy6nGKNI
もう仕事行くわ 
最後にマジで教えて欲しいんだけど、お前らは本気で言ってるのか? 
それともVIP的な悪ノリで流れに乗っかってるだけ? 
本気なら帰りに病院行ってくるから

648: 2010/06/09 07:41:23 id:eQKIH88d
>>635 
いくなら脳外科か精神科に行くように

652: 2010/06/09 07:41:57 ID:+9Kn6XbW
>>635 
俺には首から上の女が一定の動きをしているだけにしか見えない 
ちなみに神に誓って本気

662: 2010/06/09 07:43:38 id:Gy6nGKNI
>>652 
>>653 
ありがとう、病院行くわ

667: 2010/06/09 07:45:11 id:CLRnZ2tB
>>662 
お大事に

テンジンキ

757 名前: ◆jRr8h5HXvQ 投稿日:03/02/24 01:10
テンジンキの話
そもそも天神逆霊橋っていうのは神奈川の話ではない。
詳しい地名は失念してしまったが、東北の方のある村の話だった。
その村では悪さをする子どもに「天神様の橋を渡らせるよ」と言って嗜めるのだ。
天神様の橋というのは、その村からそう遠く離れていない山中にある吊り橋で、
その橋を渡ることは禁忌とされていた。
ただ、一年に一回だけその橋を渡る日があった。「逆霊祭り」の日である。
逆霊祭りとは、我々が良く知るお盆の様なもので、
死者の霊が帰ってくる日を祝うといった趣旨のものである。
そして、逆霊祭りには死者の霊を労うという名目で、「イケニエ」の儀式も行われていたのだ。
8~12歳位の子どもがイケニエとして選ばれる。
選ばれた子どもは、村の年長者に連れられ、橋を渡っていく。
そして、神社に置いていかれるのだ。
翌日には棺桶のようなものに入れられた「イケニエ」が村に連れられて帰ってくる。
「イケニエ」は村に帰ってくると、棺を開けられることもなく、そのまま埋められる。

759 名前: ◆jRr8h5HXvQ 投稿日:03/02/24 01:11
ある年の祭りの夜、一人の男が天神橋を密かに渡った。
男はその前の年の祭りで自分の息子を亡くしているのだ。
もちろん、彼の息子は「イケニエ」に選ばれたのである。
男は自分の息子に何があったのか知りたかった。だから、村では禁忌とされている
橋を渡ったのだ。
橋をわたりきり、獣道のような、道なき道を小一時間ほど進んでいくと、伝えられているとおり、
神社があった。
境内には灯篭があり、それには火が灯っていた。そのため、薄暗いが、境内の様子は見る事ができた。
境内には誰もいなかった。男は社のほうに向かおうとした。「イケニエ」はそこにいると思ったのだ。
しかし、聞こえてきた足音に、男は近くの木の陰に身を隠さずを得なかった。
足音は社の裏手から聞こえてきた。社の裏は深い森である。村の者はもちろん、この社の向こうには
誰も住んでいるはずがない。しかし、足音の主は姿を現した。
社の裏から正面に回ってきたのは、ボロボロの服を着た、数名の人間だった。10人はいただろうか。
男もいれば、女もいる。若者も、年寄りもいる。ただ、子どもの姿はなかった。
彼らは社の前で一度集まった。全員いるか確認しているようだった。
やがて、一列になって彼らは社の中に入っていった。
ほどなく、子どもの泣き叫ぶ声、争う物音、そして、聞いたこともないような声・・・。
男は社に向かい、中を覗いた。
中では「イケニエ」少年を先ほどの連中のうちの数人がが取り押さえ、
他の連中が少年の上に馬乗りになって何かをしている様子が見て取れた。
先ほどまで泣き叫んでいた少年は、すでに声も出さず、抵抗もしなくなっていた。
遠くで村からの祭囃子が聞こえた。それ以外は実に静かなものだった。
社の中からは「ガブリ」「クチュクチュ」というような音だけが響いていた。
男は何が行われているのか、理解した。この連中は少年を生きたまま喰っているのだ。

762 名前: ◆jRr8h5HXvQ 投稿日:03/02/24 01:11
なぜ、この村で、この連中に少年を「イケニエ」として差し出していたのか、それは男には分からない。
彼らはこの山に住む民なのだろうか。それとも人の姿をした魔性のものなのか。
その晩、男は震えながら木の影にいた。
明け方、彼らが帰っていくのを見届け、充分に時間がたってから、男は社へ向かった。
中には変わり果て、ほとんど骨だけになった少年の姿と、大量の血痕だけが残されていた。

この話は、俺の親父が会社の同僚から聞いた話だ。その同僚というのがこの話の主人公。
男はその後、この村を離れ、神奈川に移り住んだのだ。

764 名前: ◆jRr8h5HXvQ 投稿日:03/02/24 01:12
そして、この話の後日談(?)も存在する。
男が神奈川に来たのは30年くらい前のことだった。
そして、その年、神奈川県で子どもの行方不明が頻繁にあったという。
これは当時の新聞などでも分かるが、事実である。
児童失踪事件の多くは迷宮入りした。実は中には死体で見つかったものもあったそうだが、
その死体の惨たらしさから、報道はされなかった。
見つかった死体は「イケニエ」同様、生きているまま喰われたようだったのだ。
歯形が体中についていたという。
警察は親父の同僚にも話を聞きに来たらしい。
彼は「俺はやつらに見つかったんだ。やつらは俺を追って神奈川まで来たんだ」
そう語ったと言っていた。

これが俺の知っているテンジンの話。

731 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/06/02 19:08
【 天神忌(逆霊橋) 】

文字通り天神様を弔う死者のお祭り。
実際、社自体は箱根の芦ノ湖にあるもので、神奈川とは特になんの関係もない。
生贄があったかどうかは知らん。

736 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/06/02 19:26
天神忌逆霊橋=東北地方のある村に架かる橋の名前。それに
まつわる人食いの話し。

天神鬼逆霊教=子供たちが虐め目的で始めた遊び、うわさ話し。
しかし死人がでている。

天人地厄霊経=テンジンチヤクレイキョウと読む。裏高野に伝わる
死人の魂を束ね操る密教による闇経、しかしその
経文には、恐ろしい呪いが掛けられている。

748 :真相:03/06/02 19:52
テンジンキギャクリョウキョウてのは、真言密教古神道が習合して
江戸時代末期に始まった某新興宗派(特定するのはカンベンして)内で使われた
呪詛のための忌み言葉。漢字でどう書くのかは伝わってないし、
そもそも漢字で書くものなのかどうかもアヤシイ。発祥元は下層の庶民だからね。
このどっから出て来たかもよう分からん呪文がとにかくよく効いた。
ただし、自分で唱えるわけじゃあない。
呪いたい相手にこの言葉を八十八遍唱えさせるんだ。
(どうやるかは創意工夫のしどころだね)
それだけでこの宗派の神の怒りに触れ、呪いが発動する。
八十八ってのは連続じゃなくてもいい。一生のうちの累積。
効果はテキメン。かなり非道いことになったようだ。
後に洗練されて行くにつれ、同時に印を結ぶなど複雑化していったけど、
それは勿体つけて形を取り繕っただけのこと。本来あまり意味はない。
ところで、問題がある。この呪法、自分にとってもかなり危険なものなんだ。
自分が唱えてしまえば、もちろん自分に災いが降りかかる。でも、それだけじゃない。
声に出さず、頭ん中で黙読しただけでも数の内に入ってしまうからヤバイ。
人間の心理として、知ってたら却って脅迫観念的にその事を考えてしまう。
こりゃもう本格的にヤバイ。

でも、安心。
実はテンジンキギャクリョウキョウは忌み言葉そのものではない。

749 :真相:03/06/02 19:53
ここから先を読むかどうかは各自よく考えてね。

テンジンキギャクリョウキョウには、
本当の忌み言葉を避けるための仕掛けが施されている。
つっても、学の無い江戸下層の民が考えることですから、他愛無い仕掛けなんだけど。
ポイントは「逆」の字。
この言葉、「逆」を除くと音節が五つあるわけだが、
「逆」以下の二つの音節を……すれば本物の呪言が出来あがる。

○×△逆◎▼⇒○×△▼◎

○×△▼◎ こそが真の・・・ってわけ。
くれぐれも悪用しないように。
本来、公に出回っていいような言葉じゃないんだから。

752 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/06/02 19:55
マジレスしてやろうか?
この手の話を読んで、霊に対して恐怖を抱き弱腰になることで、
霊的な受け入れ態勢になっちまう訳だ。
そんな時運悪く「良くない存在」に遭っちまったら、そりゃ憑かれますわ。
たいていの、「読んだら呪われる」系はこれが原因。
ただの物語に普遍的な呪術効果など埋めこめませんよ。
まぁ、間違いなく言えるのは、ヘタレは読むなって事だ。

750 名前:734[sage] 投稿日:03/04/11 06:25
後悔している。735のこと。
ほろ酔いの勢いでまずいことを書き込んでしまった。
742や743のような者が出て来る事は予想出来たはずなのに。
釣りならそれでいい。その方がいい。
祟り神に関わることを安易に考えるべきではない。
信じない者にとっては荒唐無稽な話だろう。
でも、神仏を信じないからって仏像や十字架を踏みにじったりはしないだろう?
せめてそれと同じ意味合いで良いから謙虚になってくれ。

テンジンキの呪法は、一般的な呪詛とはかなり仕組みが違っている。
大抵の呪詛は超自然の存在に祈念して、相手に不幸を招いてくれるよう願う。
それが基本的な形だろう。
対してこちらは呪いたい相手を誘導し、わざと禁忌を犯させることで
神罰が下るよう仕向けるというものだ。
どこか屈折している。
自分は物陰に身を潜め、祟り神の怒りを利用するなんて陰湿すぎる。
735の忌詞はテンジンキ~の神を侮辱する言葉だ。
仏像や十字架を踏みにじるのと同じだということが分かるだろう?

過去レスを読むと、語るのをやめろという警告が随分とあった。
大半は煽りだろうが、幾つかは真剣に止めていたようだ。
すまん。反省している。

>>747
相当回数言った言葉がテンジンキギャクリョウキョウなら
それほどの心配はありませんよ。
それは真の禁詞ではありませんから。大丈夫です。
まさに呪者がそういう状態に陥ることを防ぐために、
わざわざこういう言い方をするわけですしね。

755 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/06/02 19:59
禁詞八十八誦によって何が起こるか書いておこう。
これも極めて特殊な説が二つ伝わっている。

その1
テンジンキ~の神の罰は、神仏祖霊の目から禁忌犯者の姿を隠すというものだ。
その為、かの者は神仏祖霊の認識外となり、一切の御加護を受けられなくなる。
今風に解釈すれば、守護霊との関係を断たれるといったところだろうか。
これが何を意味するか。
肉体に例えれば、免疫系が破壊された状態に近い。
何でもないウイルスや毒素の摂取が致命的打撃になりかねない状態。
それに似て、無力な雑霊にちょっかいを出されただけで凄まじい霊障が起こる。
また、そういった悪意のある霊を招き寄せやすくなる…。
通常なら寄せ付けない悪念を、無抵抗に受け入れてしまう…。
(つまり、他人の恨み・妬み・憎しみを買うと実際に悪影響が現れる。)
ささいな事故や病気で終わったはずのことが、大きな事態に発展しかねない…。
このように、本来なら何でもなくやり過せた日常のリスクが
いちいち命を奪いかねない危険な障害へと変わってしまう。
昔の人の言い方だと、「魔に獲られ易くなる」のだ。

禁忌を犯してしまった者には、今後慎重な生活を送るよう勧める。
霊や不幸と関わりがある場所に赴くなどもってのほか。
人には好かれるように。体には最大限の注意を払う。
危なげな行動は慎む。
うまくすれば一生何事も無く生き抜けられるかもしれない。

784 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/06/02 20:49
呪い話の典型的な例は、無意識の作用と偶発性なんだよね。
それを読んだことによって腹が痛くなったり、夢に出てきたりしてしまうのは、無意識内の作用。
それで、怪我をしたりよくないことが起こるのは偶然性。
例えば、10人読んで5人が怪我とかバイト首になったとかになったとしても、それは日常範囲内の出来事だし。
残りの5人にも平等に降りかかるはずの被害がないってのもおかしい話。
それを読んだ不特定多数の人間でそれを性格に見た人数なんてカウントできないっしょ。
100人読んでても、実際読んだって言うのは10人程度かもしれないし、悪いことが起きた奴は読んだ事優先的に書き込みしやすいわけだよ。
あとの90人はそのことを忘れて、それでちょっと時間がたったあとに悪いことが起きたらここに書き込むかもしれないけど。
そうやって、考えていけば呪いなんてのは結局偶然と無意識が交互に現れた結果。
呪いなんてないんだよ。

パンデミック

127 : 本当にあった怖い名無し[sage] 投稿日:2009/04/28(火) 21:01:36 ID:y/qzGtBo0 [1/8回(PC)]
中学生の頃祖父から聞いた話(話自体は祖父の父=曽祖父から祖父が聞いた話)

俺の地元の山に神主もいない古びた神社があるんだが、そこに祀られている神様は所謂「祟り神」というやつで、昔から色々な言い伝えがあった。

大半は粗末に扱うと災害が起きるとかそんな話なのだが、そのうちの一つにこんな話があった。それは戦国時代、当時の領主の放蕩息子が祟りなど迷信だといって神社のご神体を持ち出し、あろうことか酔った勢いで御神体に向かって小便をかけたらしい。

それから暫くは何事も無かったのだが、数年後から異変が起きた。
(古い話で詳しくは伝わっていないが、口伝として語り継がれているのは以下のようなもの)

・詳細は不明だがあちこちで説明の付かない怪異が多発
・村人が何人も理由不明で失踪
・領主の顔が倍近くに腫れあがる原因不明の病気にかかり、回復はしたが失明
・問題の放蕩息子以外の3人の息子達は戦で重症を負ったり病気にかかったり
・問題の放蕩息子は乱心し山に入ってそのまま帰らず
・祟りを恐れた村人達が色々と神様を鎮める試みをしたが全てうまくいかず、村人は次々と村を去り事実上の廃村に

こんなところなのだが、まあ古い話であり、文献として残っているわけでもなく、事件の結末も解らない中途半端な話なうえに、口伝として語り継がれる程度のものだったのと、その後村に住んでいる人たちは後になって移り住んだ人たちばかりなので、いわゆる噂程度のものだった。

そして時代は変わって祖父がまだ生まれる前、明治維新から数年後頃の話。
神社は当時から神主などはおらず、村の寄り合いで地域の有力者などが中心となって掃除や神事などの管理し、たまに他所から神主さんを呼んで神事をしてもらっていた。
また、口伝として残されている話などから、「触らぬ神に祟り無し」ということで、御神体は絶対に誰も触れることなくずっとそのまま存在し続けていた。

続く

129 : 本当にあった怖い名無し[sage] 投稿日:2009/04/28(火) 21:02:27 ID:y/qzGtBo0 [2/8回(PC)]
>>127の続き

戦国時代の事件以降、ずっとそんな状態で神社も村も何ら大きな出来事も無く続いてきたのだが、ある年ある事件が起きてしまった。
ある日村の若い人たちが集まって話をしているときに、ふと前記の祟りの話が話題になった。その時数人の若者がこんな事を言い出したらしい。
「祟りなんてあるわけがない、日本は開国して文明国になったのだから、そういう古い迷信に囚われるのは良くない」と。

そんなこんなで、その後どういう経緯でそうなったのかは解らないが、迷信を取り去るためにその御神体とやらの正体を見に行こうという事になったらしい。
まあ気持ちとしては一種の肝試し的な軽い気持ちのものだったのだろうと祖父は言っていた。

ただし、全員が全員その話に賛同したわけでは無く、やはり祟りは恐ろしいということで実際に見に行ったのは10人ほどの集団で、やはり肝試し要素があったので夜中に集まり神社へ向かった。
(神社での一連の話は一緒についていった人から曽祖父が聞いた話。)
神社の境内に入り、拝殿の扉を開け中に入るとこじんまりとした祭壇があり、そこの台の裏に古ぼけた桐の箱が置いてあり紐で厳重に封がされていて、どうやら御神体はその中に入っているらしかった。

みなそこまで来たところで少し怖気づいてしまい、また、何か妙な胸騒ぎがしたため箱に触れることが出来なかったらしいが、最初に「迷信だ」と言い出したやつが意を決して箱を手に取り、箱を固定していた紐などを解くと蓋を開けた。
中には綺麗な石(どうも勾玉らしい)が3つ入っており、とくにそれだけで何事も無く、急に緊張のほぐれたため逆に気が強くなり、御神体を元に戻しそのまま朝まで拝殿の中で酒盛りをしたらしい。

続く

130 : 本当にあった怖い名無し[sage] 投稿日:2009/04/28(火) 21:03:10 ID:y/qzGtBo0 [3/8回(PC)]
>>129の続き

翌朝、拝殿で御神体の箱を開け、更に中で朝まで酒盛りをしていた事が村中にばれ、若者達はこっ酷く叱られたらしいが、特にその後なにもないため、村人達もその事をそれ以上追求しなかった。
一応その時神社で酒盛りをした連中を連れて、村の地主が神社へ謝罪しに行ったらしいが。

3年後、村で妙な事件がおき始めた。
村の外れに猪や鹿や猿が木に串刺しにされて放置されていたり、夜中に人とも獣ともつかない不気味な声を聞いたという人が何人も現れたり、あちこちの家に大量の小石が投げ込まれたり、犬が何も無い空を見上げて狂ったように吠え出したり、これは曽祖父も深夜に便所へ行った時にみかけたらしいが、黒い人影が何十人も深夜に列を作って歩いているのをみかけたりと、とにかく実害のある被害者はいないが気持ちの悪い事件が多発し始めた。

こういった事件が多発したため、流石に村でも「3年前の事件が原因ではないか」と噂になり始めたのと、治安の面から不安なので、村人は村の駐在さんと相談し、近隣の警察署に応援を頼み警備を厳重にしてもらう事と、村で自警団を作り夜中に巡回する事、それと同時に、3年前の事件を引き起こしたものたちでもう一度神社へ謝罪しに行く事などが決まった。

しかし、様々な策を講じても一向に怪現象はとまらず、それどころかとうとう被害者まで出るようになってしまった。
山に入った村人が、何かに襲われボロボロの死体で発見された事件をかわきりに、子供が遊びに行ったまま帰らない、自警団の見回りをしていた4人が4人とも忽然と消えてしまう、夜中に突然起き出して何か喚きながら外に飛び出し、そのまま失踪してしまう、女の人が何かに追われているかのように必死で逃げて行き、自宅に戻ると包丁で自分の首を掻き切って自殺してしまうなど。

続く

131 : 本当にあった怖い名無し[sage] 投稿日:2009/04/28(火) 21:04:30 ID:y/qzGtBo0 [4/8回(PC)]
>>130の続き

そういった事件が立て続けに1ヶ月ほどで起きたため、最早村人達には手に負えないと、何か解決策は無いか話し合っていたところ、村のおじいさんが「山向こうの○○神社は、山の神社の神事の代行を何度かおこなっていて、それなりに縁があるようなのでそちらを尋ねてみたらどうか」との提案をした。
他に何か良い案があるわけでもなかったため、だめもとで明日○○神社へ向かう事で話し合いは終った。

翌日、地主が3年前の事件の主犯格などを連れて○○神社へ向かい、神主さんに取り次いでもらう事にした。
神主さんは、とにかくお互い落ち着いて話そうということとなり、社務所で一連の事件等の事を詳しく話す事にした。
しかし、ある程度話が進むと、神主さんは「それはおかしい」と言い出した。
どうも山の神社の御神体は祭壇の上においてある平たい箱に入った銅鏡であって、桐の箱の勾玉は違うらしい。
戦国時代の話にしても、領主の息子が粗相をしたのはその銅鏡であると○○神社に伝わっているらしかった。
そもそも、○○神社は何代も前から山の神社の神事を代行してきた経緯があり、自分も若い頃に一度代行した事があるが、桐の箱や勾玉の事は全く知らないらしい。
実は地主も若者達が開けたのはてっきり祭壇の上の箱の事だと思っていたらしく、その時はかなり驚いたのと、地主も桐の箱に入った勾玉の事を今はじめて知ったようだった。

また神主さんは、これは悪霊や祟り神による祟りの類では無く、もっと異質な何か別なものの仕業で、とにかく一度その勾玉を見てみないことには解らないが、もしかすると山の神社の神様はその「何か」を勾玉に封じる役割があったのではないか?とのことだった。
神主さんは、まず○○神社に残る文献を調べてみて、何か勾玉に関する情報が無いか調べてみるとの事で、2日後に地主の家で落ち合う事になりその日は帰る事となった。

続く

133 : 本当にあった怖い名無し[sage] 投稿日:2009/04/28(火) 21:05:30 ID:y/qzGtBo0 [5/8回(PC)]
>>131の続き
2日後、地主と当事者の若者達が、地主の家で神主さんを待っていると村の駐在さんが訪れ、怪現象が近隣の村や村の近くの陸軍の駐屯地でも起き始めている事、一部ではそれに関連したと思われる失踪者も出始めており、どうも被害がこの村を中心としてあちこちに拡散しているらしい、まだこの村で起きている事が噂となっている兆候は無いが、
いずれ噂になり責任を追及されるかもしれない、早く何とかしたほうが良いらしい。

そうこうしているうちに○○神社の神主さんがやってきたため、皆でまず山の神社の勾玉を確認しようということになった。
山道を抜け神社にたどり付くと、神主さんが自分が調べた事をまず説明し始めた。
神主さんが言うには、この辺りには大昔から何か良くないものがおり、その何かはよく人をさらって行ったらしい。そこで土地の人々は土着の国津神にお願いし、この良くないものを退治してくれうよう頼んだのだが、その「何か」の力があまりにも強く、しかもさらった人々を取り込んでどんどん強くなるため、その神様でも力を封じ込めるのでやっとで、とても退治することはできなかったという。

要するに、その「何か」そのものは封じられたわけでは無くずっとこの村の周辺に潜んでいたが、力が封じられて何も出来なかっただけであったと。
そこへ来て若者達が神様の封じていた勾玉の箱を開けてしまったため、再び力を取り戻して人をさらったり殺したりするようになったとの事だった。

神主さんが言うには、戦国時代の話は恐らくここの神様による祟りで間違いないが、今回の一連の事件はそれとは全く別であり、村の人たちが見た黒い人影はその「何か」に取り込まれた人たちの姿で、最早この人たちを解放するのは無理だろうとの事だった。
また、今回の一件でその「何か」はまた更に力をつけたが、まだ神様の力を借りて力を封じる事そのものは可能であるはずで、手に負えなくなる前に力を封じてしまわないといけない。そして、恐らくその「何か」は長い年月をかけて勾玉と一心同体のような状態にあるようで、あまり勾玉から遠くに離れることが出来ず恐らくまだこの近くに潜んでいるはずだという。

続く

134 : 本当にあった怖い名無し[sage] 投稿日:2009/04/28(火) 21:06:18 ID:y/qzGtBo0 [6/8回(PC)]
>>133の続き

また、封を開けてしまった若者達は全員この「何か」に魅入られてしまっており、さらわれて取り込まれる事とは別の事に利用される可能性があり、「何か」の力を封じた後でも全く安心できない、なので神様が力を封じた後、これとは別に御払いをし、それでもだめなら○○神社は分社であるため、本体のある明神大社へ行って御払いをしないといけない事を伝えた。
更に、「何か」の力を封じるため神様を降ろしている間、「何か」が若者達を利用して儀式を妨害する可能性も十分にあるので、封を開けるときに立ち会った若者は全員ここへ集めたほうが良いとの事だった。

そして神主さんは、地主にまず普段神事を行う時の道具と、紙に書いてあるものを早急にここへ持ってくる様に指示し、若者達はここにいない者も含め全員ここへ集めるように伝えると、首謀者の若者達には決して何があろうと神社の外へ出ないよう伝え、自分自身は桐の箱を開け中の勾玉の状態を確認し始めた。
勾玉を調べていた神主さんが言うには、文献にあった通り、勾玉は力を封じるためのものだったらしく、今は何の力も感じない。ただし、これもやはり文献にあったとおり、「何か」は勾玉と一心同体なため、「何か」の異様な気配だけは勾玉からも感じるらしい。

数時間後、地主と村のものが神事に使う道具と残りの若者達を連れて戻ってきたため、そのまま国津神の力を借りるための儀式が執り行われた。
神主さんが若者達を全員縄で囲った「結界?」のようなものに入れると、祝詞をよみあげ儀式が始まった。
最初は何事も無く進んでいたが、暫くすると辺りが異様に獣臭くなり、外で何人もの人がうろつく気配がし始めた。神社へやって来た村人は全員拝殿の中にいるし、地主がこちらへ戻る前に、残っている村人達に「今日は何があろうと家から出ないように」と指示していたため、誰かがやってくることもありえない。
つまり「何か」が今、神社の外にやってきているということ。

続く

135 : 本当にあった怖い名無し[sage] 投稿日:2009/04/28(火) 21:07:07 ID:y/qzGtBo0 [7/8回(PC)]
>>134の続き

神主さんが言うには、「今は神様が依代の銅鏡に降りてきているから絶対にあれは拝殿に入れない、だからこちらから外に出なければ絶対に安全」らしく、あとどれくらいかかるか解らないが、暫く我慢してこらえてほしいとのことだった。
それから朝まで儀式は続いたが、その間外からは獣とも人とも区別の付かない笑い声、ざわつく大勢の人の声、何かが歩き回る音やガリガリと壁を引っ掻くような音、朝方になるとあちこちを無差別に叩いて回る音が聞こえてきていたらしい。

朝になり儀式が終ると、全員緊張から疲労困憊で、とにかく早く家に帰って眠りたかったので神主さんから「この後」の事を聞いた後拝殿の扉をあけた。
すると、あちこちの木が倒され、神社周辺はそこらじゅうに何十人か何百人かの人の泥だらけの無数の足跡と、神社の壁には何か大きな生物が引っ掻いた引っ掻き傷があり、鳥や狸などを食い荒らした残骸まであったらしい。

ちなみに、後から神主さんに聞いた話によると、この村は一度廃村になったためそれまでの言い伝えや伝統が殆どなくなってしまい、その時に「何か」の存在の言い伝えや神社の役割も伝える人がいなくなってしまったので、今まで神主さん自身も文献を調べるまで儀礼的な単なる義務としての神事しか知らなかったのだという。
ただし、文献を調べて見ても「何か」の正体や○○神社と山の神社の関係などは殆ど解らなかったらしいが。

終わり

136 : 127[sage] 投稿日:2009/04/28(火) 21:09:29 ID:y/qzGtBo0 [8/8回(PC)]
最後に、なぜこんなうろ覚えのような文才の無い文章をあえてここに書いたかというと、2年ほど前にその地元の神社が盗難事件にあい、中の祭具や御神体など一式が全て盗まれたから。
最近多いらしいですね、この手の盗難事件。
問題はその泥棒が桐の箱も盗んだらしい事と、あと数ヶ月で3年目であること、あとはこの「何か」は勾玉周辺の人々を周囲数十キロの範囲で無差別に襲うという事実です。

祖父が言うには「今更どうにもならないし、勾玉の場所がわからなければ対策のしようが無い」のだそうだ。

地獄の箱

678本当にあった怖い名無し2019/04/04(木) 23:07:23.91ID:hruCVHRj0
祖父の話を投稿させてもらうよ

祖父は関西で建築業をしていて交友関係も豊富だった。
その人付き合いからか、割と人から変わった物を買うのが多かった。
見栄っ張りな祖父は、日本刀とか虎の置物とかを、悪く言えばよく買わされてた。
お酒を飲むとお喋りになる祖父は、とある箱の話をしてくれた。
今はどこかへやった箱だが、とんでもなくいわく付きだったらしい。
古びてはいるが、不思議と綺麗に感じる箱だったらしい。所々は剥げていたものの、全体的に奇麗に保たれていて漆のような黒だったと言っていた。
元は韓国だか中国のお寺のような場所にあったとのことだった。
そのお寺が無くなり、どような経緯かわからないが日本まで来たらしい。

そして、友人の手を渡り、祖父の元まで流れてきた。
友人は中は絶対に見てはいけない、見れば必ず大変な目に合うと言われ、何度も何度も見るなと釘をさされた。
友人は冗談を言うようなタイプではなく、祖父もかなり怖くなったと言っていた。
ただ、楽天家な祖父は重く受け止めてはいなかった。
値段は決して安いとも言えなかったようで、三ほど包み買い取ったようだった。
友人はお金に少し困っていたようで、父も援助のつもりで箱を買ったらしい。
ただ、箱の使い道も分からず、そのまま事務所のコンテナに入れっぱなしになった。

679本当にあった怖い名無し2019/04/04(木) 23:11:34.61ID:hruCVHRj0
それから暫く過ぎた頃、祖父が怪我をする事が増えた。
夏休みには俺も事務所に遊びに行く事が多かった。
その時に、電動のこぎり?で指を切断した現場に居合わせた事がある。
祖父は切れたと笑っていたが、事務員達はドン引きしていたのは今でも覚えている。

それから従業員たちの怪我が続き、祖父も頭を抱えたような。
そして、事務員として経理をしていた祖母がふと呟いた。
「動物を見なくなった」
事務所は何ヶ所かあって、コンテナがある方は特に自然と動物に囲まれていた。たまに猪もでるぐらいだった。
流石に、鳥ぐらいは否が応でも見る。
そこで、動物が出ないのは異常なのはすぐにみんな気付いた。しかし、誰も箱の存在を知らないので原因も分からずに気味悪がっていた。

祖父はふと箱の事を思い出した。

そこでコンテナまで足を運ぶと、そこには鼠と鳩、色んな虫の死骸が大量にあったそうだ。
流石に祖父もまずいと感じて、箱をナイロン袋に入れ、頼れそうな知人の家に向かった。
祖母が贔屓にしている知人は、オカルトに精通しているようで、祖母は凄い凄いといつも言っていたのを覚えている。
俺も母親と祖母から話だけしか聞いていなかったが、全く信じてはいなかったし、騙されてるんじゃないかとも思っていた。

680本当にあった怖い名無し2019/04/04(木) 23:15:37.64ID:hruCVHRj0
結果的に大惨事になったようだった。

その知人は謎の頭痛に今も悩まされ、
その付き人は大事故にあい、もっと酷い状態になったとのことだった。
祖父は箱を渡しただけとのことだが、恐らく開けた、開けかけたのではないかと言っていた。
そして、すぐに祖父に箱が返ってきた。
流石に捨てることもできず、祖父は何を思ったかそれを自宅に置いた。
とは言っても、一カ所に長いこと留めなかった。
後からわかったが結果的にそれが良かったのではないかと言っていた。

しかし、それでも妙な現象は起きた。
まず、声が聞こえてきた。
低い、うぅぅーと言う声が何十何重にも聞こえてきた。
時には廊下から、時には耳元で聞こえてきた。
これには祖父も堪えたようだった。
祖母は裸の若い女を見たと言っていた。
居間をサーっと通り過ぎ、次の瞬間には後ろを通っていたらしい。
その時に祖母が感じたのは熱気だったらしい。
その外にも、居間からボヤ騒ぎ、悪夢、猫の鳴き声があったらしい。祖母はよく寝ているときに頭を触られると言っていた。
箱を移しても暫くは見えるらしいが、時間が経てば消える。

それを一ヶ月ほど繰り返し、祖父の知人の知人がついに解決できそうな人を探し出した。

681本当にあった怖い名無し2019/04/04(木) 23:18:53.74ID:hruCVHRj0
待ち合わせにきたのは普通の若い男女だった。

祖父は普通に近所にいるような人だったと言っていた。
話を聞くと夫婦らしく、二人で農業をしているみたいだった。
毎年、野菜を食べさせて貰っているがとても美味しい。
祖父は車に箱を入れていたが、旦那さんが大層怖がったそうな。車の周囲に大量に何か人のようなモノがいて、どれも五体満足ではない。
それらは赤黒く、歪な形をしていると言った。

祖父は二人に確認を取り、箱を持ってきた。そこで旦那さんが吐いた。
旦那さんは、そこに地獄があると言った。
一度、魑魅魍魎の塊になった場所を訪れた事があると言っていたが、そこの非ではないらしい。
その箱自体が地獄であり、その箱自体が全てを黒く潰すような物らしい。まさに、存在すらしてはいけないものだと。
土地も人も空気もあらゆる物を穢れさせる。
存在自体が否定されなければいけないものだと。
旦那さんは、この箱はあらゆる場所で、あらゆるものを堕としてきたと言っていた。

その時、楽天家な祖父ですらこれを持ち続けることができないと悟ったそうだ。

旦那さんが女性に大丈夫か聞き、女性は頷いた。
そして、旦那さんと女性、箱を一晩一緒の部屋に置いた。

682本当にあった怖い名無し2019/04/04(木) 23:24:28.75ID:hruCVHRj0
後から旦那さんが夢で見た事を話してくれた。
古い古い時代、恐らく中国が起源ではないかと、
それは既にそこに祀られてあり、誰かが興味本位で開けたらしい。そして気が触れ、寺ごと燃やした。
そこの僧侶が火の中に飛び込み、燃えながら箱を取り出した。そして、そこで力尽きた。しかし、箱は開けっ放しだった。
そこに集まった野次馬たちを狂わせた。女性が裸で半狂乱で周囲の人間を殺しながら笑っていたと言っていた。
それが町に伝染し、高名な僧侶が封じるまで猛威を振るったそうな。

勿論、旦那さんの夢だが、祖父は事実だと確信していた。

女性は「多分、駄目だと思います。すみません」と言っていたが、箱は少しひび割れていた。
これも祖父が知人に後から聞いた話だが、奥さんは強い妖怪にとり憑かれているらしい。
奥さんに害があるわけではないが、奥さんに害を与えるものに対して、かなり攻撃的な妖怪みたいだった。
旦那さんは見えるが祓う力はない。女性は見えないが、祓える状況を作れる人だった。
なので、祓いたい人、憑き物を祓われたい奥さんの関係は、ある意味で利害関係になっていた。
ただ、人に霊が憑いている場合、その人ごと攻撃する。
なので、危険な場所か物だけに対応してるとのことだった。

勿論、知人には紹介料を払うシステムらしい。

683本当にあった怖い名無し2019/04/04(木) 23:24:54.56ID:hruCVHRj0>>688>>691>>693>>694
その旦那さんは見える意外にも、俺から見ても本当に聖人のような人だった。
それもあると思うが、旦那さんには妖怪は反応しないみたいで、奥さんもこの人だけは本当に特別だと言っている。
男性の下心ですら、憑いてるものが攻撃と見なす。
更に親の躾ですらその対象に入るらしく、憑いているものが奥さんの周囲を無茶苦茶にしたらしい。

奥さんは箱の何かにワザと攻撃され、憑いてるものに攻撃させた。
駄目だと悟ったのは、奥さんが元気になったからだと言っていた。いつも倦怠感と奇妙な感覚があるが、強いいわく付きに合うと、身体が楽になるとの事だった。
恐らく、憑いているものが一時的に消耗し、奧さんから離れるせいではないかとの事だった。
今回は半年ほど元気さを保つことができたらしく、大層喜んでいた。
今は子供もできて、何とか幸せに過ごしているみたいだった。

その後、箱の現象も一時的になくなった。祖父はその間に必死に知人を当たり、そういういわく付きの物をコレクションしてる富裕層の中国人に倍以上の値段で売り渡したと言っていた。
ただ、悪用されないか心配していた。

実は、俺はそのコンテナでその箱を開けた事がある。
中には、干からびたか細い赤子の手のような物がギッシリと入っていた。
あの時、触っていたらどうなったんだろうか

ビデオレター

505: 1/4:2010/06/24(木) 14:54:37 ID:2baYGPaj0
会社の同僚が亡くなった。 

フリークライミングが趣味のKという奴で、俺とすごく仲がよくて 
家族ぐるみ(俺の方は独身だが)での付き合いがあった。 

Kのフリークライミングへの入れ込み方は本格的で 
休みがあればあっちの山、こっちの崖へと常に出かけていた。 

亡くなる半年くらい前だったか、急にKが俺に頼みがあるといって話してきた。 
「なあ、俺がもし死んだときのために、ビデオを撮っておいてほしいんだ」 

趣味が趣味だけに、いつ命を落とすかもしれないので、あらかじめ 
ビデオメッセージを撮っておいて、万が一の際にはそれを家族に見せてほしい、 
ということだった。俺はそんなに危険なら家族もいるんだから辞めろと 
いったが、クライミングをやめることだけは絶対に考えられないとKは 
きっぱり言った。いかにもKらしいなと思った俺は撮影を引き受けた。 

Kの家で撮影したらバレるので、俺の部屋で撮ることになった。 
白い壁をバックに、ソファーに座ったKが喋り始める 

「えー、Kです。このビデオを見てるということは、僕は死んで 
しまったということになります。○○(奥さんの名前)、××(娘の名前)、 
今まで本当にありがとう。僕の勝手な趣味で、みんなに迷惑をかけて 
本当に申し訳ないと思っています。僕を育ててくれたお父さん、お母さん、 
それに友人のみんな、僕が死んで悲しんでるかもしれませんが、 
どうか悲しまないでください。僕は天国で楽しくやっています。 
皆さんと会えないことは残念ですが、天国から見守っています。 
××(娘の名前)、お父さんはずっとお空の上から見ています。 
だから泣かないで、笑って見送ってください。ではさようなら」 

506: 2/4:2010/06/24(木) 14:55:19 ID:2baYGPaj0
もちろんこれを撮ったときKは生きていたわけだが、それから半年後 
本当にKは死んでしまった。クライミング中の滑落による事故死で、 
ライミング仲間によると、通常、もし落ちた場合でも大丈夫なように 
下には安全マットを敷いて登るのだが、このときは、その落下予想地点 
から大きく外れて落下したために事故を防ぎきれなかったのだそうだ。 


通夜、告別式ともに悲壮なものだった。 
泣き叫ぶKの奥さんと娘。俺も信じられない思いだった。まさかあのKが。 

一週間が過ぎたときに、俺は例のビデオをKの家族に 
見せることにした。さすがに落ち着きを取り戻していたKの家族は 
俺がKのメッセージビデオがあるといったら是非見せて欲しいと言って来たので 
ちょうど初七日の法要があるときに、親族の前で見せることになった。 

俺がDVDを取り出した時点で、すでに泣き始める親族。 
「これも供養になりますから、是非見てあげてください」とDVDをセットし、再生した。 



507: 3/4:2010/06/24(木) 14:55:59 ID:2baYGPaj0
ヴーーーという音とともに、真っ暗な画面が10秒ほど続く。 
あれ?撮影に失敗していたのか?と思った瞬間、真っ暗な中に 
突然Kの姿が浮かび上がり、喋り始めた。 
あれ、俺の部屋で撮ったはずなんだが、こんなに暗かったか? 


「えー、Kです。このビデオを・・るということは、僕は・・んで 
しまっ・・いう・・ります。○○(奥さんの名前)、××(娘の名前)、 
今まで本・・ありが・・・」 

Kが喋る声に混ざって、さっきからずっと鳴り続けている 
ヴーーーーーーという雑音がひどくて声が聞き取りにくい。 



「僕を育ててくれたお父さん、お母さん、 
それに友人のみんな、僕が死んで悲しんでるかもしれませんが、 
どうか悲しまないでください。僕はズヴァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア 
アアアアアアアアアアアアア××(娘の名前)、お父さん死んじゃっヴァアアアアアアア 
アアアアアア死にたくない!死にズヴァアアアアアアアにたくないよおおおおヴヴァアア 
アアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア、ザッ」 



背筋が凍った。 
最後の方は雑音でほとんど聞き取れなかったが、Kの台詞は明らかに撮影時と違う 
断末魔の叫びのような言葉に変わり、最後Kが喋り終わるときに 
暗闇の端から何かがKの腕を掴んで引っ張っていくのがはっきりと見えた。 



508: 4/4:2010/06/24(木) 14:58:28 ID:2baYGPaj0
これを見た親族は泣き叫び、Kの奥さんはなんて物を見せるんだと俺に掴みかかり、 
Kの父親は俺を殴りつけた。奥さんの弟が、K兄さんはいたずらで 
こういうものを撮るような人じゃないとなだめてくれたおかげで 
その場は収まったが、俺は土下座をして、すぐにこのDVDは処分しますといってみんなに謝った。 

翌日、DVDを近所の寺に持っていったら、処分をお願いしますという前に 
住職がDVDの入った紙袋を見るや否や「あ、それはうちでは無理です」と。 
代わりに、ここなら浄霊してくれるという場所を教えてもらい、行ったが 
そこでも「えらいとんでもないものを持ってきたね」と言われた。 

そこの神主(霊媒師?)によると、Kはビデオを撮った時点で完全に地獄に 
引っ張り込まれており、何で半年永らえたのかわからない、本来なら 
あの直後に事故にあって死んでたはずだと言われた。

航空事故証言テープ


事件に関する重要な記録をここに公開する。ICレコーダーによる記録である。
吹き込まれた声は、基本的に可美村(かみむら)緋那(ひな)のものだけである。 

彼女は警視庁の刑事であると共に、IZUMO社航空機墜落事故の唯一の生存者である、
可美村貴代(たかよ)ちゃん(事故当時十三歳)の叔母でもある。 

貴代ちゃんは事故の怪我によって、長らく植物人間状態と見なされていたが、
先日、意識をはっきりと回復していることが確認された。 
会話が出来るほどには回復していないため、奥歯に電極を取り付け、
歯を噛み合わせると電子音が鳴る仕組みでコミュニケーションを可能にした。 

エスの場合は二回、ノーの場合は一回、歯を噛み合わせてもらった。
貴代ちゃんの精神安定のため、部屋には緋那さんと貴代ちゃんの二人だけである。 
カメラなども設置していない。 

以下が記録である。 

「こんにちは」 
無音。 

「私のことを覚えていますか」 
二回。 

「ええ、緋那おばさんですよ。少しお話をしてもいい?」 
二回。 

「今日はお日様が出ていますね。気持ちいいですか?」 
二回。 

「お外に出ます?」 
一回。 

「ここでいい?」 
二回。 

「そう。それじゃあ、ここで」 
無音。 


53: 5レスくらい消費します:2011/06/20(月) 03:16:04.00 id:snkTtzEq0
「あのね、おばさん、事故の時の話をしたいんだけど、いい?」 
無音。 

「駄目?」 
やや後、二回。 

「駄目なの?」 
一回。 

「いいの?」 
二回。 

「それじゃ、聞きますね。貴代ちゃんは旅行の帰りだったんですね」 
二回。 

「空港を出た時は何も異常はありませんでしたか」 
二回。 

「他の乗客の人たちは普通でしたか?」 
二回。 

「飛んでいる最中に何かが起こったのですね」 
四回、間断なく。 

「それはYESということ?」 
三回。 

「つらい? この話、やめましょうか?」 
しばし後、一回。 

「続けられる?」 
二回。 

「じゃあ、もう少し頑張ってくださいね」 
二回。 


54: 5レスくらい消費します:2011/06/20(月) 03:16:59.00 id:snkTtzEq0
「事故の前、飛行機は揺れましたか?」 
二回。 

「恐かった?」 
やや後、一回。
 
「その時には、もう落ちると思いましたか?」 
一回。 

「大したことはないと思ったんですね」 
二回。 

「揺れはだんだん酷くなりましたか?」 
やや後、一回。 

「しばらく小さな揺れが続いたんですか?」 
一回。 

「それは、つまり……揺れが一度止まった?」 
二回。 

「その後、また揺れましたか?」 
二回。 

「その後、落ちたのですか?」 
二回。 

「辛い事ばかり聞いてごめんね。恐かったでしょう?」 
二回。 

「今日はこれぐらいにしておく? 疲れたでしょう?」 
一回。 

「まだ話せる?」 
二回。 

「それじゃあ、もう少し聞いていい?」 
二回。 

「揺れている以外に、何か異常はありましたか?」 
しばし後、二回。 


55: 5レスくらい消費します:2011/06/20(月) 03:17:23.84 id:snkTtzEq0
「それじゃあ」 
可美村緋那さんの言葉の途中で、三回。 

「どうしたの?」 
三回。 

「顎が疲れちゃった?」 
五回。 

「震えてるの?」 
四回。 

「貴代ちゃん、だいじょうぶ?」 
六回。間を挟んですぐに五回。 

「少し落ち着くまで待ちますね」 
三回。 

しばし休憩。その最中にも、数回。 

「もう大丈夫?」 
二回。 

「さっきの話の続きね。何か揺れ以外の異常があったのですか?」 
二回。 

「エンジン音とかが変だったのですか?」 
一回。 

「何か爆発音が聞こえたとか?」 
一回。 

「窓から何かが見えました?」 
二回。 


56: 5レスくらい消費します:2011/06/20(月) 03:18:39.05 id:snkTtzEq0
「それは何か硬そうなものがぶつかったのが見えたということでしょうか」 
一回。 

「もしかして、それは墜落の直接の原因じゃないと思いますか?」 
一回。 

「窓から見えたものが墜落の原因ですか?」 
一回。 

「それは」 
可美村緋那の言葉の最中、何度も続けて。(回数不明) 

「貴代ちゃん、だいじょうぶ? 恐いの?」 
連続。 

「もう大丈夫だから、怖がらなくてもいいんですよ。ここは病院だから、落ちたりしませんよ」 
七回。 

「さあ、落ち着いて」 
五回。 

しばし後、回復。 
「貴代ちゃん、だいじょうぶ?」 
二回。 

「続けられますか?」 
二回。 

「何が見えたんですか?」 
無音。 

「ああ、ごめんね。そこから見えたのは、ええと、他の飛行機か何かですか?」 
一回。 


58: 5レスじゃすまなかった:2011/06/20(月) 03:19:52.07 id:snkTtzEq0
「少し質問を変えますね。貴代ちゃんの席は窓際でしたか?」 
二回。 

「窓からは飛行機の羽も良く見えたんですか?」 
二回。 

「羽に何か異常があったんですか?」 
やや後、二回。 

「羽が壊れてた?」 
やや後、二回。 
二回。 

「窓からは飛行機の羽も良く見えたんですか?」 
二回。 

「羽に何か異常があったんですか?」 
やや後、二回。 

「羽が壊れてた?」 
やや後、二回。 

「だから飛行機は落ちたのかしら?」 
しばし待つも、無音。 

「羽が壊れて落ちたわけじゃないの?」 
一回。 

「羽が壊れて落ちたのね」 
二回。 

「なんで壊れたのか、わかりますか?」 
二回。 

「何かがぶつかったの?」 
一回。 

「勝手に壊れた?」 
一回。 

「誰かが壊した?」 
二回。 


59: 5レスじゃすまなかった:2011/06/20(月) 03:21:05.32 id:snkTtzEq0
「誰かが、そこにいたの?」 
二回。 

「それで」 
言葉の最中、小刻みに何度も。 
しばし質問の声もなく、音だけが続く。 

「いい?」 
一回、一回、一回と、間を挟んで。 

収まるまで待つ。 
「その誰かは、羽だけにいたのですか?」 
一回。 

「一人じゃなかったんですか」 
二回。 

「たくさん?」 
二回。 

「いろんな所を壊していた?」 
二回。 

「窓は」 
二回。 

「それは窓を壊して入ってきたということ?」 
二回。 

「その何かは、乗客に酷いことをしたのですか?」 
二回。 

「貴代ちゃんの傷も、その何かのせい?」 
何度も。 


61: 5レスじゃすまなかった:2011/06/20(月) 03:21:42.94 id:snkTtzEq0
「傷口から唾液が」 
何度も。 

「牙が生えてた?」 
何度も。 

「ぬめぬめしてた?」 
何度も。 

「目が真っ黒で、葡萄みたいに小さくて、びっしりと」 
何度も。 

「子供みたいに小さい」 
何度も。 

「手が、ううん、足? たくさん生えてて、這い回るみたいに」 
何度も。 

「変な声で、何かを擦ったみたいな声で」 
何度も。 

「すごく小さな穴や隙間から、ずりずりって出てきて」 
何度も。 

「身体に張り付いてきて」 
何度も。 

「登ってきて」 
何度も。 

「噛みついて」 
電子音は以降、一切鳴らなくなる。 

「食べられ」 
「痛い」 
「助けて」 


62: :2011/06/20(月) 03:22:19.44 id:snkTtzEq0
以上が記録された二人のやり取りである。 
後半、何かをこするような音や、ピタピタと吸盤の張り付くような音、
引きずるような音などが入り乱れたが、
詳細は不明である。 

可美村緋那の声が後半で震えていたことと、何らかの関係があるのかも不明。 
この記録は、桜美赤十字病院女性二名惨殺事件の重要参考物件として、県警に保管されている。 
この事件の真相は未だ謎に包まれたままである。 

タコ部屋

1 :私事ですが名無しです:04/05/14 23:18 id:VMeBdeLZ

貴方はタコ部屋ご存知ですか?

安い賃金で無理矢理強制労働を、言う事を聞かないと殴る蹴るの暴行

そこで 当時の事を再現して書きます

私が上野でブラブラしてた時の事です「当時無職」

おじさんがニコニコ笑いながら 君仕事してるのか

(僕)してません

「おじさん」良い仕事があるんだけど どうかな 軽作業だよ

給料は3月契約で100万だすよ 但し 住み込みが条件だけど

(僕)お願いします

「おじさん」明日の14時に北千住の駅に迎えに行くから

この後に地獄が待って居るとは、誰が想像できただろう

つづく・・・・・・


9 104/05/14 23:27 id:VMeBdeLZ

北千住で落合った後は おじさんが家で美味い者を御馳走するとの事でした

飲んで食べた後に猛烈な眠気に・・・・・・・

気がついたら車の中でした (僕)何処まで行くのですか?

「おじさん」心配いらないよ 住み込む仕事場に直行してるんだ

まあ コーヒーでも飲めよ

・・・今思えばコーヒーになんらかの薬が 気が付くのが遅過ぎた・・・

もうここまできたら仕方ないので流れのままに


18 104/05/14 23:48 id:VMeBdeLZ

寮という所を見て愕然とした 半分腐りかけた家で 斜めに傾いてるし

床の隙間から不気味な虫が這いずり回る

気がつくとトイレが無いので聞いてみたが・・・・・・

「監督」トイレは外に穴を掘ってるだろ それと布団だ

・・・布団は半分腐りかけみたいに真っ黒で 異臭がした・・・


「監督」お前等明日は430分起床だからゆっくり寝ろ

10畳程のほったて小屋に6人のおじさん達が居た

僕はこれからどうなるんだろう?やがて不安は現実に

明日につづく・・・・・・




40 1 8kZl85I/m. 04/05/15 16:33 id:qgpBV3DT

暫らく歩くと 結構小奇麗な小屋の前に到着

「ヤ」中に入れ もたもたするな

そこには朝食らしき物が用意されていた

タイ米と麦をミックスしたみたいな不味いご飯

大根の葉っぱが入ってる薄い味噌汁と 得体の知れない魚の身

「ヤ」食事の時間は15分とする お前等は日没まで働くから食え

そして 現場に到着した

主な仕事は 穴を掘ったり 木を伐採 石を運ぶ重労働だ(体が心配だ)


仕事は休み無く午後1400迄続けられた・・・・


41 :(AIIA)ぁぃぃぁマン AIIA2rz9Vs 04/05/15 16:40 ID:???


午後1400


42 1 8kZl85I/m. 04/05/15 16:51 id:qgpBV3DT

そしてヤ〇ザの怒号が響きわたる

「ヤ」おいお前等食事の時間だ

食事をみて愕然とする なにも入ってないパンとお碗にスープみたいな物が

透明なスープに その辺で生えてるような草が入ってる

一口飲んでみた ペッ塩辛くて飲めた代物ではない

どうやら海水を素のまま温めたみたいだ(海の近くみたいだ)

変な物を飲んだら無性に喉が渇いて仕方がない

>>41

あっその表現変ですよね

文の能力が無いですからごめんなさい

読み難いって書かれてたし 終了するかな





48 1 8kZl85I/m. 04/05/15 17:41 id:qgpBV3DT

(僕)すいません お水貰えますか

「ヤ」あんちゃん水か? 水は一杯500円だ 饅頭もあるぞ2000円だ

タバコ、酒、、ティッシュなどオール1000円だ

(僕)それって高いですね

「ヤ」これは買物手数料込みだ 文句あるか

仕方ないので水を1杯頼んで飲んだ

そして作業は日没まで続いて行く 辺りが見えなくなると終了です






55 104/05/15 19:40 id:qgpBV3DT

夕食はカレーらしい?カレー粉を溶かしたヤツに

 山菜と魚の切り身が入ってる

一口食べてみたが 不味くて食えた代物じゃない

でも 生延びる為に食べるしかないのか・・・

そうだ 回りのおじさんに話しを聞いてみるか

僕「すいませんが聞きたい事があります」

おじさん「なんだね」

僕「ここはどんな所なんですか?」

おじさん「・・・・・・・」

僕「教えてくださいよ」

おじさん「ここはタコ部屋じゃよ」

僕「タコ部屋ってなんですか?」

おじさん「知らない事が幸福な時もある」


62 104/05/15 21:47 id:qgpBV3DT

聞きたい事は山程あるけど 聞いても無駄みたいだ

そして僕は辺りを見回した

みんな死んだみたいに動かない「疲れ果てて動けないのか?」

その中で一人の男が唸ってた。 見てみると顔面が血だらけだ。

作業の途中に逃亡未遂で半殺しにされたみたいだ

突然ドアを蹴る音と共に 例のDQNが現れた

DQN「お前等 仕事さぼったり逃亡すると そこのヤツみたいになるぞ」

DQN「おい田島(殴られたヤツの名前)忘れ物だ

投げ捨てた物を見てみると なんと歯が3本だった

大変な場所に連れてこられたみたいだ とりあえず横になるが

不安と絶望でなかなか寝れない・・・・・・・


67 1 8kZl85I/m. 04/05/15 23:18 id:qgpBV3DT

横になってると猛烈に腹痛が昼間食べた物が悪いのか?

仕方ないのでトイレに行く事にする

そうだ トイレに行く序に辺りを探検するか

外に出てみたが 回りは木が生い茂り回り なにも見えない

そうしたら僕の後ろで一人の男が声をかけてきた

男「夜中に出歩くと野犬に襲われるぞ」

男「それにヤツ等に見つかると半殺しにされる」



84 1 8kZl85I/m. 04/05/16 01:55 ID:???

突っ込みが入ったので本当の名前を書きます

本当は朝日建設ですが・・・・・・・・

http://www1.jca.apc.org/aml/200312/37066.html

今年10月に発覚した朝日建設事件のような飯場

が増えているという。朝日建設事件とは、山梨県の朝日川キャンプ場でそこのちかく

にある朝日建設の労働者3人の遺体が見つかった事件で、朝日建設の社長は傷害致死

ですでに逮捕されている。こうしたタコ部屋を彷彿とさせる暴力飯場が不況の中で増

えているという。朝日建設のような事例は、下層・底辺労働者が働く職場が今どうい

う状態にあるのかを示す生きた事例だ。そして、恐らくこれは氷山の一角でしかな

い。寄せ場の労働者は、厳しい冬を迎える中で野宿か、タコ部屋行きかという究極の

選択を迫られている


85 1 8kZl85I/m. 04/05/16 01:56 ID:???

男「俺も逃亡経路を探ってみたんだが」

男「北は崖 南は藪の中 東は見張りが居る時がある」

男「唯一西はなにも無いが 鉄線が張り巡らしてるぞ」

男「ここで生延びるには 決められた基間我慢する事だ」

男「まぁ給料は期待しない方が良いぞ」

男「給料が-になるヤツがほとんどだからな」

今夜は仕方なく寝るとするか・・・・

部屋に戻ると 田島さんが苦しそうに唸ってる

でも 僕にはどうする事もできない

部屋に戻り30分程経過した頃だろう 突然ドアを激しく蹴る音が




96 1 8kZl85I/m. 04/05/16 13:45 ID:???

DQN「おい お前等 酒とタバコとエロ本だ」

DQN[酒とタバコ等は1000円 エロ本は3000円だ」

DQN「それとカップラーメンもあるぞ 2000円だ」

カップラーメン 唯一まともな食事だ

栄養価値も高いし 生延びるには必要かもしれない

でも 2000円 迷う・・・・・・・

そのうちの2人が酒を購入した。ラーメンも一人

僕も辛抱できないで ラーメンと水を購入した

これで本日の出費は3000円か どうなる事だろう

そして深い眠りについた このまま永遠に眠りたい気分だ


98 1 8kZl85I/m. 04/05/16 15:15 ID:???

みんなは起床したのだが 田島さんがまだ起きてこない

DQNが田島さんの方へ歩寄り 頭をガンガン蹴る

DQN「こらお前何時まで寝てるんだ 蹴り殺されたいのか」

そして食事の為に 別室に連行される僕達

今日の朝ご飯はワカメの味噌汁とタマゴだった

口の中が切れて食事をまともに食べれない田島さんに

容赦なく蹴りが入る 泣いて謝る田島さん

そして仕事開始だ・・・・・・・




108 1 8kZl85I/m. 04/05/16 21:38 ID:???

お昼の食事はカツみたいだ なんのカツだろうか?

油が多過ぎで美味しくない 食べた事がある味だから少し安心

スープといえば昨日の海水みたいなスープだ 辺りを見回してそっと捨てた

重労働のせいか喉が渇く 仕方ないので水を購入した(水X21000円)

甘い物を食べないと体がもたないので 饅頭も購入した

嬉しい事に饅頭は2個セットだったので助かる

この計算なら1日4000円位の出費だ 100万を3ヶ月で割ると充分にお釣りが

くる計算だが・・・・・・

その計算方法が大誤算だったと言う事が給料日にわかる

(これは後ほど書きたいと思う)


113 1 8kZl85I/m. 04/05/16 23:15 ID:???

さて 食事も終了した事だし 仕事再開だが アクシデント発生

田島さんが倒れた 駆け寄る監督

監督「なにさぼってんだ お 殴られたいのか」

暫らくの沈黙の後に (お前等ちょっと来いよ)と怒号が

監督「このおっさんを運ぶから手伝え」

顔面蒼白の田島さんの顔が ハアハア肩で呼吸してる

監督「死なれたら金にならねぇしな 保険もかけてないし」

一人来いと言うので僕が行くと お前は仕事しろと

監督「おい 鈴木 お前田島を寮まで運ぶの手伝え」

監督がDQNに田島さんを引き渡す 無事なら良いけど

人が死ぬ所なんて見たくないものだ

やがて日没になり仕事も終わりに・・・・・・・



118 1 8kZl85I/m. 04/05/16 23:37 ID:???

寮に帰ると田島さんが寝てた 昼間の時に比べたら大分良いみたいだ

田島さんどうですか?僕が側に行くと お願があるんだが

痛みで寝れないので 酒を御馳走してくれと言う

酒か 1000円の出費だけど・・・・一瞬考えこんだ僕だけど

僕「うん 良いですよ 飲んで早く元気になってくださいね」

田島さんの目から 涙がぼろぼろとこぼれる


120 1 8kZl85I/m. 04/05/16 23:52 ID:???

やがてドアを蹴る音がした(なにも蹴る事ないのにと心で思う)

DQN「お前等飯の時間だ 今日の飯は鍋だ 喜べ」

18リットルの水と 具が入ってる袋を投げ捨てる

DQN「鍋は押入れの中にあるだろ」

押入れの中から鍋を取り出すと 黒い変な物体がこびり付いてた

僕「鍋は洗うところないのですか?」

DQN「食えるだけ有難いと思え ぶっ殺すぞ」

仕方なく水を少し入れて鍋を濯いだ



1

168 1 8kZl85I/m. 04/05/17 21:57 ID:???

袋を開けて見ると 春菊 蓬 などと見た事もない野菜が(全部青物だ)

一応肉が入っていたけれど よくトラックで運搬してる

油脂に使うような油だらけの肉だ(それに臭い)

それでも生きる為に食べないといけないのか・・・・

なんか自分が情けなくなり 泣きたくなってきた

無性に怒りが込み上げてきたが 今更どうする事もできない

聞いた話だが 行方不明のほとんどは こんな飯場に連行されたり

女性なら外国へ売られたりすると聞いた事がある

単なる都市伝説かもしれないが 有り得ない事はないと思った

アメリカ辺りは日常茶飯事だし 日本でも迷宮入りの死体も



173 1 8kZl85I/m. 04/05/17 22:16 ID:???

食事も終わりゆったりしてるところに またドアを蹴る音が

今度はドンドンドンドンと激しく蹴り続けてる あわててドアを開けると

DQN「俺様が来てるのに早くドア開けろや ボンクラ共」

DQN[お前等買物の時間だ 好きな物買えよ」

僕「すいません酒を1つ貰えますか」

DQN「おっ あんちゃん酒飲めるのか わははははは」

DQN10本でも100本でも買えよ 今日はツマミもあるぞ」

僕「いえ 酒だけで結構ですよ」

DQN「遠慮するなよ がはははは 他になんか買えや」

僕「では 水をお願いします」

DQN「あんちゃん ケチ臭い事言うなよ ツマミ2000円を1000円にするから買え」

断ると機嫌が悪くなりそうなので 仕方なくツマミを購入

パチンコの余りの景品みたいな ツマミだった


175 1 8kZl85I/m. 04/05/17 22:34 ID:???

そろそろ 食べ物は悲惨さとか充分伝わったみたいなので 

省略して次に話しを進めたいと思います

次の日の仕事の事ですが・・・・・・

田島さんはまだ無理そうだが どうなるのだろう

朝からまた DQNはドアを蹴りまくりやって来た

また だるい1日が続くと思うと気が重い

田島さんは今日は仕事に出ないみたいだ(出れないのかも?)

そして次の日も田島さんは休みに




182 1 8kZl85I/m. 04/05/17 22:58 ID:???

田島さんは連続で休みなのか これで体が完治してくれたら

僕はさりげなく他の人に尋ねてみた(名前は山ちゃんと呼ばれてるらしい)

僕「二日休んで良く無事ですね」

山「ああ 休みたいなら休ませてくれるぞ」

僕「本当ですか?僕も明日休みたいな」

山「お前知らないのか?休むとどうなるのか」

僕「ハァ?どうなるんですか」

山「早退は -5万円 欠勤は-10万円だぞ」

山「給料は-になるぞ -には利子が付くからな」


183 :私事ですが名無しです:04/05/17 22:58 id:nqYS0QE0

>>181

それでは、死んだみたいな言い方じゃないですか!!


184 1 8kZl85I/m. 04/05/17 23:12 ID:???

>>183

書きかたが悪かったのですね

田島さんは生きてますよ(現在はわかりませんが


185 :私事ですが名無しです:04/05/17 23:14 id:X1UoHxzh

はやく続き続き!(・∀・)ワクワク


190 1 8kZl85I/m. 04/05/17 23:33 ID:???

翌日田島さんが消えた・・・・・・・

DQNと話し合ったらしい(後から聞いた話だが)

それを再現してみるとする(あくまでも予想だけど)

DQN「おう田島 お前この仕事に向いてないよな」

田島「そうかもしれません 力仕事は苦手なんです」

DQN[お前さ 身元はしっかりしてるのかよ」

田島「身元と言うと?なんですか」

DQN「住民票とかあるのか?」

田島「はい あります」

DQN「お前の給料は-50万?に膨れ上がったぞ」

田島「はい 頑張ります」

DQN「お前さ 結婚してるのか?」

田島「独身ですが」

DQN「お前中国とか行く気ないか」

と こんな感じかも 詳しい事はわかりませんが

つまり 外国人と偽結婚 戸籍を売られる 腎臓を片方売られるなど




219 1 8kZl85I/m. 04/05/18 20:21 id:fm51KijY

みなさん こんばんわ

結構良い着眼点をしてる人も居ますね

・・・田島さんが翌日消えた・・・

話しの途中で 田島さんは死んだと思う人もいますね

普通に予想すればそうですが・・・・

田島さんは 顔面血だらけで 歯が3本程折れました

殴られて確かにダメージはあるのですが 死に至るまでのダメージではない

もしも 余力を貯める為に 死んだふりしてたとしたら・・・・・・

仮病を使い 昼間だれも居なくなるのを待って逃亡したとしたら

本当の所は 僕もわからないのですよ

でも 旅行の仕事に出たと言うのが 負け惜しみかも そんな可能性もあります

DQNがその後に言ってた言葉が思いだされます

DQN「お前等 もしも逃亡が発覚したら 足の親指切断するぞ」

DQN「教えてやるよ 足の親指を切断したら バランスが取れなくて走っても転ぶぞ」


263 1 8kZl85I/m. 04/05/18 22:00 id:fm51KijY

本当のところは 田島さんはどうなったのか知らないが

何処かで生きていると信じたい

そして相変わらずの日々が続く・・・そして・・・

明日は待ちに待った給料日だが ほとんど期待はしてないけど

-がないように祈るばかりだ そして日没で仕事も終わる

何時ものようにドアをドンドンと蹴る音がする

何時もは大嫌いな音も 期待と不安が入り混じる

DQN「お~し お前等 今日は楽しい日だ そして明日休みにする」

寮の中から歓声があがる DQNは袋の中から封筒を取り出す

DQN「お前等の給料だ 順番に取りに来い」

話しの前に給料の明細をお知らせします


267 1 8kZl85I/m. 04/05/18 22:18 id:fm51KijY

給料330000

税金10-33000297000

部屋代2000X3060000

食事代2000X3060000

作業道具及び作業着レンタル5002613000

寮雑費10000

購入費105000

給料残 49000

以外に残ってるので驚いた 同時に安堵感が

でも 僕はまだ良い方だが 酒を飲んでる鈴木さんは-60000円の給料だった

給料がある人間は現金で貰い「-の人間は借用書を書かされる」

-の人間は利子が付いて10日で1割だそうだ

それだけで月に-18000円になる 恐ろしいシステムだ


276 :ふぁいん7 b.fA1N7en2 04/05/18 22:53 id:vthrRK/o

いちいちレスしなくていいから続き早く


277 1 8kZl85I/m. 04/05/18 22:55 ID:???

それでは話しを戻します

今日は何故か?DQNは機嫌が大変良いみたいだ

DQN「君達ぃ~ 給料が-の人間も居るが 諦めるな」

DQN「今日は楽しい日だ 俺も鬼じゃないからな わはは」

DQN「君達の為に 特上のカルビと生ビールを用意した」

DQN「序に 女も用意してるぞ 料金は全部込みで4万だ」

僕は嫌な予感がするので 丁重に断るが


278 :私事ですが名無しです:04/05/18 23:09 ID:4r176ThN

が?


279 :私事ですが名無しです:04/05/18 23:10 id:Fxfw+bXe

(・∀・)ドキドキ


283 1 8kZl85I/m. 04/05/18 23:19 ID:???

DQNの顔色が変化 みるみる怒りの顔になり 

DQN「聞えない もう1度言え 殺されたいなら」

僕は回りの人間の事も考慮して しぶしぶお金を払う

鈴木さんとか 給料-の為に借用書を書いていた

肉はそこそこの肉だが ビールは缶入りの生だった

DQN「お前等の為に女を用意した 好きにしろ」

DQN[そして 明後日からまた仕事に励め 以上」

そこで鈴木さんが口を開く

鈴木「俺はもう人生捨ててるわい 好きな酒を飲めて月に1度女を抱けれたら

思い残す事はない」

月に1度酒を飲めて 肉と女 これだけでこの地に

踏みとどまるヤツが居るみたいだ 信じられない話しだが

そして女が登場する この後僕は絶句する事になる


375 1 8kZl85I/m. 04/05/19 22:00 ID:???

年の頃は40代後半から50才位だろうか?

もっと行ってるかもしれない 自分の母親よりも上かもしれない

そんな事は夢にも考えられない 悪夢をみてるみたいだ

僕はたまらず絶句した しかもガリガリに痩せて(40キロ無いかも)

目だけが異常にギラギラとしてる

意味不明な言葉を口にして ニヤリと笑う

笑った口元を見ると歯がボロボロで黒い しかも顔に無数のイボみたいな物が

女が口を開く・・・・・・

女「あんた達 極楽浄土にいきんしゃい」

どこの方言だろうか?かなりの鈍りだ



387 1 8kZl85I/m. 04/05/19 22:14 ID:???

女「若い兄ちゃん あんたから」

僕「あ あの僕は腹痛でトイレに行ってきます」

女「遠慮せんと ほらほら 手をぐいぐい引張られます」

僕「ほ 本当に腹が痛いのです(なんとかごまかすが)

そこで一人の志願者が現れた

鈴木「わしがお先にお願いします」

とりあえず助かったみたいだ 鈴木さんに感謝する

鈴木「お前達 気をきかせて外にでろ」

これからおこるであろう地獄の様な光景を想像すると・・・・

それはそうだ 自分の母より年の女の人と経験する人なんて

全体の1%も居ないであろう


399 1 8kZl85I/m. 04/05/19 22:28 ID:???

鈴木さんに続いて他の人達も次々と・・・・・・

1時間位経過しただろうか 女の人は部屋からでてきた

部屋に1歩足を踏み入れたら この世の物とも思えない異臭が

はえずくのを我慢して外に飛び出した

来月もこんな事が続くのであろうか 僕の精神は破壊寸前だった

みんなが酔って寝てる間に 付近を探索してみるか


439 1 8kZl85I/m. 04/05/20 00:10 ID:???

逃亡するにしても 付近の事を知らないとどうにもならないし

みんなが寝静まった頃に 付近を探索してみた

辺りは暗くてなにも見えない

手探りで少し歩いてみたけど ただ一面の森みたいな感じだ

1時間程探索したがなにも成果がない

明日は休みなのでゆっくり寝るとするか

そして翌朝・・・・・ここからまた地獄が始まるとは

今日は休みのはずなのにドアを激しく蹴る音がした

DQN「おい お前等起きろ」

山「なんですか?今日は仕事休みのはずです」

DQN「お前等退屈だろ 今日は休みだから金を増やす方法を伝授だ」

山「はぁ またですか もう勘弁してくださいよ」

DQN「あ なんだ その口のきき方は 半殺しにされたいのか」


471 1 8kZl85I/m. 04/05/20 21:45 ID:???

山「もう博打は勘弁してくださいよ」

DQN「お前等根性がないな 金を増やしたくないのか」

庄田「あんたの博打はおかしいよ」

DQN[うるせぇ黙ってろよ 」

そしてDQNはサイコロを・・・・・・・

みんな同じ条件なのにDQNがサイコロを振るとよくピンゾロとかでる

DQN「がははは 今日も俺の一人勝ちだな お前等弱いよ実際」

庄田「そりゃインチキサイコロだから強いはずだ」

DQN「てめぇ もう一度言ってみろよ」

DQNは側にあったビール瓶で 庄田さんの頭を殴る

DQNは朝からビールを飲んでいた もちろん僕たちは無い)

グェ~と転げ回る庄田さん むふおぐご~(意味不明の雄叫びをあげる庄田さん)


473 :私事ですが名無しです:04/05/20 21:56 ID:???

庄田さんキタ----


474 1 8kZl85I/m. 04/05/20 21:56 ID:???

庄田さんは狂ったようにDQNに殴りかかる ボコボコに殴られるDQN

しかしDQNが持ってきた鉄パイプで一撃を食らう

結局 庄田さんはボコボコにされた・・・・・・

DQN「庄田 てめぇ覚悟しとけよ 首洗って待ってろ」

そして1時間後・・・・・・・

180cm100キロはある男と再び部屋に 青ざめて震えてる庄田さん

DQN「よ~し これから余興の始まりだ 今後の為にお前等もよ~く見てろ」


477 1 8kZl85I/m. 04/05/20 22:25 ID:???

庄田さんの手をヒモみたいな物で縛るDQN

DQN「お前等ついてこい」

みんなは外へ出る 大きな男は手にロープみたいな物を持ってる

これからなにが起こるのだろう まさか・・・・・・・


503 1 8kZl85I/m. 04/05/21 00:04 ID:???

そして大きな木の前でロープを解く

庄田さんは手を後にされて木に括り付けられた

(内心ほっとした もしかして首吊りを想像してたからだ)

そして足は揃えたままで グルグル巻きにされる庄田さん

DQNは笑いながらバックの中をごぞごそと ナイフを取り出す

そして庄田さんの服を切る

DQN「お前の粗末な物を切り落とすか ははは」

庄田「そ それだけは許してください なんでもします」

DQN「なんでもするのか ならこれを耐えろ」

DQNはバックからチャッカマンを取り出すと

笑いながら庄田さんの陰毛と脇毛を燃やす

庄田「あちちち 助けてください」

DQN「お前なんでもするんだろ これくらい耐えろよ」


504 1 8kZl85I/m. 04/05/21 00:08 ID:???

【明日に続く】




548 1 8kZl85I/m. 04/05/21 22:24 ID:???

DQN「熱いか なら止めてやるよ 火あぶりはな」

庄田「あうううう~もう止めろ」

そして・・・・・・

DQN[こんな物で済むと思うなよ 俺様に手をあげた罪は大きいぞ」

今度はバックからペンチを取り出した

DQN「俺は親切な男だ お前に虫歯があるから俺が抜いてやる」

そしてそのペンチで庄田さんの前歯を抜く

グェェェェ~~庄田さんの叫びがあたり一面に響く

庄田さんは失禁して 気絶した


549 :私事ですが名無しです:04/05/21 22:31 ID:???

こ・・こぇぇ~~


552 1 8kZl85I/m. 04/05/21 22:44 ID:???

DQN「お前等誰か 風呂に貯めてる水をバケツでもってこい」

それを庄田さんにぶっかける 庄田さんは目を覚ました

今度はバックから味醂と蜂蜜を取り出した

味醂「みりん」一体なんに使うのだろう?)

(季節は書いてないが 今は初夏だ)

DQNは笑いながら味醂を庄田さんにぶっかけて 蜂蜜を下半身に垂らした

DQN「お前等3時間後に集合 面白い物がみれるぞ」

そして3時間後・・・・・・




577 1 8kZl85I/m. 04/05/21 23:26 ID:???

>>574

だから>569で書いてる

そんな事まで書くのはめんどくさいので

内容だけを書きたい

別にネタと思われても なんでも良いです

ネタと思われる

~~~~~~~~~~~~~~~

それは多少ネタは入ってますよ

なんでも素のまま書いてもつまらないから

570 1 8kZl85I/m. 04/05/21 23:08 ID:???

目の前に信じられない光景が そこにはこの世の地獄のような光景が

庄田さんの全身を這い回る無数の虫が どうしてこんなに虫がくるのだろう?

あっそうだ 味醂だ 味醂と蜂蜜の甘い香りに誘われてきたのだ

そして・・・・・・・・・

今日は日曜日だ DQNの親方も暇つぶしと称してやってきた

親方「おい なんだこの光景は」

DQN「はい こいつが生意気にも俺を殴ったからみせしめに

親方「お前素人に殴られたのかよ」

DQN「つい油断してました」

親方は持っていたステッキでDQNをバンバン殴る


581 :私事ですが名無しです:04/05/21 23:31 ID:???

>>1はほんとに運が悪かったんだな

自分もタコ部屋経験したけど、そこまでひどいとこじゃなかったからな。

飯がくそまずかったり、部屋に暖房無かったりしたけど

暴力とかぼったくりは無かった

今でも上野公園にホームレスいっぱいいるんだろうな

いまはなんとか普通の生活に戻る事ができたけど

昔の事思い出したり、街でホームレスの人を見たりすると

心臓がドクドクしたりする

みんな>>1の話はネタかどうかは別として

タコ部屋はほんとにあるんだよ



583 :私事ですが名無しです:04/05/21 23:32 id:C4i5CEys

すいません。冷めた事を言いまして。私は、建設業に仕事を出す、国の機関に勤めています。このような安全基準が低く 労働環境が悪いと、労災の認可も出来ませんし、商品も粗悪になります。


590 1 8kZl85I/m. 04/05/21 23:41 ID:???

>>581

いえいえ 

>>583

それは普通に登録してる所ですよ

下請のまた下請は 非合法のモグリの業者も多いです

じつさいに基礎の下に 人が埋められてる事もあるそうですよ

少し前にも人が殴り殺された事件とかあります

大手の建設は労災問題で 日雇いとか雇用しなくなりました

でも 孫受けとかは人夫が怪我しても 労災を使わせない所も多数あります

それどころか 金をはらわないで殴って追返す所も


592 :私事ですが名無しです:04/05/21 23:45 ID:???

>それどころか 金をはらわないで殴って追返す所も

あっ、そうそう!業種は違うけど、オレ孫請けで金は払えないって殴られた!


596 1 8kZl85I/m. 04/05/22 00:13 ID:???

ひたすら謝るDQN

親方「お前やり過ぎだ 怪我させたら使い物にならなくなるだろ」

DQN「すいません すいません」

親方「こいつ等は商品なんだぞ 商品になるべく傷つけるな」

親方「それと 人が少なくなったから 2人程手配するように言え」

余談ですが・・・・・

一人につき40万程の予算を貰ったとする

全部搾り取る計算だとして 6人だと

最低限の食事とか経費1X66万円

全部で240万ー6万円 残金234

かなり儲かる理由です 

【明日に続く】 予定


608 :私事ですが名無しです:04/05/22 11:12 ID:+9uNhwhU

DQNに敢然と立ち向っていった唯一の人物、庄田さんが最悪の結果にならなければ

いいんだが・・・ひたすらそれだけを願っている短小気味の私です。


613 1 8kZl85I/m. 04/05/22 12:33 ID:???

そして・・・・・・・・・

開放された庄田さんですが その状態は悲惨なものでした

水をかけられたら ほとんどの虫は逃げましたが

体にへばり付いてる虫も 雀蜂に刺されないだけ良かったのかも

蚊の大群と蜂 おまけに百足みたいな虫に刺されて

全身ブツブツで 目なんて開けれない状態でした

開放されてからの庄田さんの様子が少しおかしい?

ぶつぶつ言ってみたり 突然笑い 泣いたり

人は極限状態に追い詰められると 精神に異常をきたすらしい

話しを戻す前に 少し説明すると

(どうして 庄田さんはDQNに殴りかかったのか?)

 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

普通に考えると無謀な事かもしれないが



628 1 8kZl85I/m. 04/05/22 14:27 ID:???

普通に考えると無謀な事かもしれないが

現場で働く人は以外と 無謀な人が多いかもしれない

普段は大人しいのに 酒が入ると暴れたりする人も

なにをりも博打になると 後先考えないで暴走する人も居る

イカサマで自分の金を巻き上げられたら 殴りたい気持もわかるが・・・

それにしても酷い仕打ちだ 同じ人間と思えない

でも最近の事件は 笑いながら殺したり 自分の子供までも殺す事件が

本当に痛ましい世の中だ

やってる人間は感覚が麻痺してるのだろうか?

やってる方の人間は 同じ事をされたらどうするんだろう


632 1 8kZl85I/m. 04/05/22 14:46 ID:???

話しは少し横道に反れましたが

でも庄田さんには悪いが 得たものは大きい

それはDQNが結構弱いと言う事実が これだけでも大きい収穫

庄田さんは160cmあるかないか 結構痩せ型で弱そうな雰囲気

(実際には肉体労働で鍛えてるから そこそこ強いのかも)

その庄田さんに一瞬でも のされたDQN 鉄パイプがないと

形勢的に 庄田さんの勝利だったかもしれない


699 1 8kZl85I/m. 04/05/22 21:26 ID:???

そして・・・・・・・

庄田さんが唸ってる 僕はそっと庄田さんを見てみた

全身を掻きむしり 体から水みたいな物が出てた

一応DQNは 虫刺されの軟膏みたいな物を置いて行く

時間が短時間なのがせめてもの救いだろう

もしも半日放置してたら・・・・・・

翌日 庄田さんは全身痒くて仕事はできないと言う

そして朝・・・何時ものようにドアを激しく蹴る音が

DQN「お前等仕度したのかよ ちんたらするなよ」

庄田「すいません すいません 今日は痒くて仕事無理です」

DQNは庄田さんを睨み ペッと唾を吐いた

DQN「休むのは勝手だが-5万円と 軟膏代1万円払えよ」


701 :私事ですが名無しです:04/05/22 21:28 ID:???

欠勤は-10万円じゃなかったっけ・・・・?


704 1 8kZl85I/m. 04/05/22 21:43 ID:???

>>701

よく覚えてますね(笑

僕自身も良く覚えてないのですよ

10年も前の事ですから

金額とか大体で書いてますよ

覚えてない所はネタで書いてるとこもありますので

ご了承願います


730 1 8kZl85I/m. 04/05/23 00:49 ID:???

なんと言う鬼畜だろう 自分で原因作ったのに軟膏代はないだろう

あまりにも庄田さんが可哀相なので みんなで5千円ずつカンパする提案を

僕「みんなで庄田さんの為に寄付しませんか」

山「ああええよ」

6人目の男「いいさ」

鈴木「わしは嫌だ 自分の事で精一杯だ」

鈴木「人に寄付する金があるなら酒を飲む」

この人になにを言っても無駄だろう 放っとく事にした


735 1 8kZl85I/m. 04/05/23 01:10 ID:???

これは余談だが・・・・・

なんか 鈴木さんが困った顔をしてる

鈴木「陰部がなんか変なんだわ」

僕「変って?どうしたんですか」

鈴木「よくわからないが 痛痒いんだわ」

僕は絶対に見たくないと思ったけれど 仕方なく見た

赤くただれて 白いボツボツが陰部に多数ある

僕「それは病気ですよ」

鈴木「はぁん?病気・・・・・・・」

恐らく極楽浄土の女の人に貰ったんだろう

他の人はコンドームを 購入してたから大丈夫みたいだ

鈴木さんはそんな金を払うなら酒を飲むと言ってた

【また明日書きます

続きを読む

タコ部屋


628 :1 ◆8kZl85I/m. :04/05/22 14:27 ID:???
普通に考えると無謀な事かもしれないが
現場で働く人は以外と 無謀な人が多いかもしれない
普段は大人しいのに 酒が入ると暴れたりする人も
なにをりも博打になると 後先考えないで暴走する人も居る
イカサマで自分の金を巻き上げられたら 殴りたい気持もわかるが・・・
それにしても酷い仕打ちだ 同じ人間と思えない
でも最近の事件は 笑いながら殺したり 自分の子供までも殺す事件が
本当に痛ましい世の中だ
やってる人間は感覚が麻痺してるのだろうか?
やってる方の人間は 同じ事をされたらどうするんだろう

632 :1 ◆8kZl85I/m. :04/05/22 14:46 ID:???
話しは少し横道に反れましたが
でも庄田さんには悪いが 得たものは大きい
それはDQNが結構弱いと言う事実が これだけでも大きい収穫
庄田さんは160cmあるかないか 結構痩せ型で弱そうな雰囲気
(実際には肉体労働で鍛えてるから そこそこ強いのかも)
その庄田さんに一瞬でも のされたDQN 鉄パイプがないと
形勢的に 庄田さんの勝利だったかもしれない

699 :1 ◆8kZl85I/m. :04/05/22 21:26 ID:???
そして・・・・・・・
庄田さんが唸ってる 僕はそっと庄田さんを見てみた
全身を掻きむしり 体から水みたいな物が出てた
一応DQNは 虫刺されの軟膏みたいな物を置いて行く
時間が短時間なのがせめてもの救いだろう
もしも半日放置してたら・・・・・・
翌日 庄田さんは全身痒くて仕事はできないと言う
そして朝・・・何時ものようにドアを激しく蹴る音が
DQN「お前等仕度したのかよ ちんたらするなよ」
庄田「すいません すいません 今日は痒くて仕事無理です」
DQNは庄田さんを睨み ペッと唾を吐いた
DQN「休むのは勝手だが-5万円と 軟膏代1万円払えよ」

701 :私事ですが名無しです:04/05/22 21:28 ID:???
欠勤は-10万円じゃなかったっけ・・・・?

704 :1 ◆8kZl85I/m. :04/05/22 21:43 ID:???
>>701
よく覚えてますね(笑
僕自身も良く覚えてないのですよ
10年も前の事ですから
金額とか大体で書いてますよ
覚えてない所はネタで書いてるとこもありますので
ご了承願います

730 :1 ◆8kZl85I/m. :04/05/23 00:49 ID:???
なんと言う鬼畜だろう 自分で原因作ったのに軟膏代はないだろう
あまりにも庄田さんが可哀相なので みんなで5千円ずつカンパする提案を
僕「みんなで庄田さんの為に寄付しませんか」
山「ああええよ」
6人目の男「いいさ」
鈴木「わしは嫌だ 自分の事で精一杯だ」
鈴木「人に寄付する金があるなら酒を飲む」
この人になにを言っても無駄だろう 放っとく事にした

735 :1 ◆8kZl85I/m. :04/05/23 01:10 ID:???
これは余談だが・・・・・
なんか 鈴木さんが困った顔をしてる
鈴木「陰部がなんか変なんだわ」
僕「変って?どうしたんですか」
鈴木「よくわからないが 痛痒いんだわ」
僕は絶対に見たくないと思ったけれど 仕方なく見た
赤くただれて 白いボツボツが陰部に多数ある
僕「それは病気ですよ」
鈴木「はぁん?病気・・・・・・・」
恐らく極楽浄土の女の人に貰ったんだろう
他の人はコンドームを 購入してたから大丈夫みたいだ
鈴木さんはそんな金を払うなら酒を飲むと言ってた
【また明日書きます】

772 :1 ◆8kZl85I/m. :04/05/23 18:48 ID:???
鈴木さんは自分勝手で 本当に頼りにならない人だ
この時点で脱走を企てたらどうなるんだろうか シュミレートしてみる
まず 庄田さん 結構頼りになると思うが 心の傷が問題
鈴木さん まるで頼りにならない 問題外だ
山ちゃん 小心者でとても脱走の話しなど持ち掛けられない
6人目の男 居るのか居ないのかわからない存在感の人 期待できない
脱走を決行するにしても 情報が少な過ぎる
でも行動を起さないと 一生こんな所で埋もれる理由にいかない
結局単独行動か 庄田さんの回復待ちになる
鈴木さんは頼りになるどころか 要注意人物かもしれない
田島さんの脱走を密告したのも彼らしい(のちに酒を3本貰ったらしい)
山さんんがそんな事を呟いていた

774 :1 ◆8kZl85I/m. :04/05/23 19:46 ID:???
そして・・・・・・・
田島さんの穴を埋めるべく あらたに2人が
一人は1週間後にきたが これが全く使えない
現状を理解しないで 帰りたい帰りたいの繰り帰しだ
結構お金持ちのぼんぼんみたいな感じがする
連絡しないとママが心配するよ お金払うから帰れないかと呟く
その一部のやりとりを再現すると
青木「ごめんなさい もうう体が動きません 帰してください」
DQN「はぁ?お前なに寝ぼけた事を言ってんだ」
青木「家は金持ちだから お金は払います」
DQN「そんな問題じゃねぇよ 一人を帰したら士気が下がるだろ」
青木「今日は調子が悪いので 休みに」
DQN「そうか わかった お前は金持ちだろ -15万だな」
青木「そんなの聞いてませんよ」
DQN「うるせぇぶっ殺すぞ つべこべ言うな」

788 :1 ◆8kZl85I/m. :04/05/23 22:25 ID:???
青木さんはその場で叩きのめされた そして唾をペッと吐かれて
驚くことにDQNは 叩きのめされて地面にうずくまる青木さんに
頭から小便をかけた
DQN「俺はお前みたいな野郎が 一番嫌いなんだよ」
そして全ての虐めの対象は 青木さんに移る
誰かがストレス発散の犠牲になる それが青木さんに
不謹慎だと思うが 内心喜んだ(自分に矛先が向かないので)
人間としていけない事かもしれないが 誰でも心にあると
そう言って無理に自分を納得させたが・・・・・

797 :1 ◆8kZl85I/m. :04/05/23 23:27 ID:???
新章】脱出にむけて
そしてもう一人 1週間後にやってきた
結構使えそうな人物だ(後に脱走のキーマンになる男)名前は川口さんだ
青木さんは20代後半 川口さんは30前半みたいだ
川口さんはありとあらゆる薬を経験して 普通の薬は効かないそうだ
出された物を飲んだら 変な薬と気がついたと言う
僕は熟睡したけど 川口さんは半分寝たふりをしてたらしい
川口さんの場合は借金が100万あり 3月働けばチャラにすると言われて来た
川口さんは色んな飯場とか経験済みみたいで なんとも心強い
送迎人から(引き渡す人)DQN2人組に引き渡し
そのままここに直行したらしい 都合が良い事に 今日は休みの日だ
僕の場合は監督の所に直接案内され 荷物検査を受けたからだ
川口さんは到着してから 直ぐにトイレと外に出た
重要な荷物を隠す為に(なんと頭がきれる人だろう)

807 :1 ◆8kZl85I/m. :04/05/24 00:29 ID:???
>>797の続き 短くてすいませんが
僕「川口さん 半分起きてたんですか?」
川口「寝てたけど途中で目が覚めて 寝たふりしてたよ」
僕「そうなんですか 1つ質問して良いですか?」
川口「ああ なんだ」
僕「ここは海の近くでしょうか」
川口「ん?海ではないぞ 多分な 潮の香りはしないし」
僕「どこなんですかね」
川口「俺の予想だと 南関東辺りだな」
僕「南関東って何処の辺りですか?」
川口「長野 山梨 静岡辺りだろ」
僕「ありがとうございます」
【明日に続く】

859 :1 ◆8kZl85I/m. :04/05/24 22:09 ID:???
>>807の続き
僕は何処か海の近くだと思ってたが どうやら違うらしい
では あの生臭い海水みたいなスープは あのワカメと魚はなんだろう
もしかして 海の近くに居るみたいな偽造工作なのか?
南関東・・・・そう遠くはないな 南関東なら以外と簡単に脱出できるかも
僕は関東だからと楽観してたが・・・・
聞いた話では相当厳しいらしい まず冬は絶対山越えは無理らしい
話しを聞いたら決断が鈍る・・・・・・
僕「正直脱出の可能性はどれくらいですか 難しいのでしょうか」
川口「簡単と言えば簡単だ 難しいと言えば難しい」
僕「ハァ?どう言う事ですか」
川口「道に沿って迷わないで辿りついたら直ぐだ」
川口「しかし・・・・・・・・」

863 :1 ◆8kZl85I/m. :04/05/24 22:35 ID:???
>>859の続き
僕「しかし?なんですか」
川口「例えばここが静岡とか長野だとする 道を間違わないなら良いが
方向を少しでも間違うと死に直結するんだ なぜかと言えば
山は本当に怖い所だ よく遭難とか聞くだろ 山を登って下れば
町に出ると思ったら大間違いだ 登って下ってもまた山が果てしなく続く
景色も同じだし 険しくて方向転換を余儀なくされる
富士の樹海に迷いこんだら 出てなくなるのと同じだ
それに蛇に噛まれたり 怪我をする可能生もあるんだ
夜になればもっと危険だ 最低限たいまつと 食糧 寝袋は必要だ
それとサバイバルを生き抜く道具と 精神力だ
生半可な気持で山を下りるなら 野垂れ死にする
僕「ありがとうございます 勉強になりました」
本当にこの人はすごい 僕は何度か脱出を考えたけれど
もしも聞いてなければ この世にいないかもしれない

864 :私事ですが名無しです:04/05/24 22:37 ID:???
ウヒョー

865 :私事ですが名無しです:04/05/24 22:41 ID:???
いいね、サバイバル方面も面白そう

866 :私事ですが名無しです:04/05/24 22:49 id:mroYwHvA
おもしれえ。。
となりのせっくるの声が五月蠅いから
ちっと出かけてこよう。帰ってきたら続き
が読めますように。

870 :1 ◆8kZl85I/m. :04/05/24 23:11 ID:???
>>863の続き
それでは話しを戻すと・・・・・・
庄田さんは一命は取りとめたみたいだ でも精神的におかしい
一応山の中なので 虫はたまに飛んでくるが
虫を見ると庄田さんは叫び声をあげて 部屋の片隅で震える
可哀相だけど 夜中に何度も叫び声をあげられたらたまらないが
庄田さんの全身の腫れも大分引いたみたいだが かさぶたになり
後は残るみたいだ これからの人生は大変みたいだ

872 :1 ◆8kZl85I/m. :04/05/24 23:26 ID:???
みなさん 応援ありがとうございます
こんなに沢山の人が読んでくれてるなんて 感激です
暇をみてなるべく書きますので よろしく

873 :私事ですが名無しです:04/05/24 23:27 ID:???
>>1
がむばってください

882 :1 ◆8kZl85I/m. :04/05/24 23:52 ID:???
>>870の続き
そして次の朝が・・・・・・
相変わらずDQNはドアをドンドンと叩く
DQN「お前等仕度はできたのかよ」
DQN「庄田 今日は大丈夫だろうな それと青木 一寸こっちに来い」
青木「なんですか?」
DQN「お前この前トイレに行って 15分も帰って来なかったそうだな」
青木「あれは腹が痛くて」
DQN「いいわけするな 今度からトイレは5分以内にしろ」
青木「そ それは無理ですよ」
DQN「うるせぇ言われた事を黙って実行しろ」
青木さんに DQNの往復ビンタと蹴りが飛ぶ
川口「おいおい その辺にしといてやれよ」
DQN「あ てめえはなんだよ 俺に意見するのか」
川口「そうじゃない やり過ぎなんだよボケ」

883 :私事ですが名無しです:04/05/24 23:53 ID:???
言っちゃったよ!ボケ言っちゃったよグッサン!!

884 :私事ですが名無しです:04/05/25 00:09 ID:???
イッチャッター!

885 :1 ◆8kZl85I/m. :04/05/25 00:13 ID:???
>>822の続き
DQN「お前殴られたいのか ぶっ殺すぞ」
川口「やれるもんなら やってみろよ」
川口「俺は天涯孤独の身だ 生きるも死ぬも関係ない」
川口「失う物など何も無い お前と刺し違えて死んでやるさ」
DQN[・・・・・・・・・・」
そして翌日からDQNは 金属バットを常に携帯するようになる
なんという小心者なんだろう 道具がないとなにも出来ないのか
それとも 川口さんを怖がってるのだろうか
【また明日書きます】
おやすみなさい・・・・

949 :i( `´ ) :04/05/25 20:27 ID:???
終わりそうだから慌てて記念パピコ
仕事から帰ればすぐ2ちゃん おら病気だべか‥‥
「1」さん まぁだ?

959 :1 ◆8kZl85I/m. :04/05/25 21:09 ID:???
こんばんは
1000位で完結の予定でしたが
新スレで話しが即終るとさみしいので
少し登場人物のと事などを書きます
今とりあえず書いてますから この後に貼りますね

962 :1 ◆8kZl85I/m. :04/05/25 21:12 ID:???
>>885の続き
暫らく一発即発の状態が続いたが 何事もなく過ぎていく
なんか青木さんが妙にウキウキしてる どうしたんだろう?
そうだ 今日は給料日だ (青木さんは給料の実体をまだ知らない)
僕「青木さん 妙に浮かれてますね」
青木「そりゃそうだ 今日で借金がチャラになるから帰れる」
青木「1ヶ月の約束だからね お前も精々頑張れよ」
青木さんは帰れると思ってるのだろうか?
それでは どうして青木さんが この飯場に来たのか経緯を書こう
みなさんは驚くかもしれないが 裏の世界では当たり前のような話しだ
青木さんは33歳 今まで仕事の経験は全くないそうだ
なんでも親が金持ちで 毎日小遣いを貰ってふらふらしてるらしい
3万円持ってパチンコに行ったそうだが 1時間足らずで-2万円
(自称パチプロ&マージャンプロ)
この-はマージャンで取り戻すと 雀荘へ行く青木さん
何気に入った雀荘は 人の良さそうなおじさん達が・・・・・・

971 :1 ◆8kZl85I/m. :04/05/25 22:10 ID:???
>>962の続き
雀荘のおじさん「おっ君 いまここが空くからどうぞ」
しかし1万円は20分足らずで消えることになる
青木「もう持ち合わせがないから帰ります」
男「折角来たんだからツケでも なんなら俺が貸してやる」
青木「えっ 良いんですか 助かります」
しかし青木さんは-10万の負債を背負う事になる
青木「すいません お金を取りに戻ってきます」
男「君の家は近くなのかい」
青木「いえ 結構遠いです」
男「そんなのは何時でも良いよ 折角親しくなれたんだから」
青木「ありがとうございます 明日持ってきます」
青木さんは家に10万円を取りに帰る 生憎親は 海外旅行に行ってたが
息子の為に半月分のお金を10万円残してた
青木「これを全部払ったら明日からキツイな でも仕方ないな」
そして男達が待つ雀荘へ向う青木さん
青木「すいません 約束の10万を持ってきました」
男「序の時で良いのに・・・・・・・・・・・・」

983 :1 ◆8kZl85I/m. :04/05/25 23:26 ID:???
>>971の続き
そして10万円返却する青木さん
男「どうせ勝った金だから 半分返すから遊んでいくかい」
青木「半分って5万円ですか」
男「勿論だよ」
(この前はついてなかったから挽回のチャンスかも)
そして半日が過ぎた・・・・・・・・・・・・
イカサマでもしてるのだろうか?青木さんの負けは再び15万の負け
手持ちの5万と合わせて15万の負けだ
青木「すいません 今手持ちがないから1週間程待って貰えますか」
男「あ、1週間とはなんだよ そんなに待てないな」
青木「なら明日中に持ってきます」
男「だめだめ 今日中に持って来い 11時まで待つから」
今はもう夜の9時だ 勿論サラ金も銀行も閉ってる
友達に借りるにしても 2時間では不可能だ
続きを読む

蟹風呂

まあ聞いてくれ。
俺は霊感とかそういうのは持ち合わせちゃいない。
だけど恐怖と言う意味では、幽霊なんぞよりもよっぽど恐ろしいモンがある。

昔、小さい印刷会社みたいなとこで働いてた。
ホントに酷い会社で、筋モンの作る偽物の株券とか、政治団体の中傷ビラとか、
法律にひっかかる様なことをフツーにしてた。

でも悪い事ばっかじゃないのもあった。
小学生の女の子が親と一緒に来た。
猫を探すために持って来た手書きで書いた紙。
コレをたくさん印刷して欲しいって。

ぶっちゃけ個人の依頼なんざ受けてないし、「コンビニでコピーした方がよっぽど安上がりだ」と
わざわざ上司が教えてあげてたんだが、「貯めたお年玉全部出すから」ってきかねえんだよ、そのがきんちょ。
馬鹿だよな、こんな怪しい会社に要りもしないビラ代取られるのなんて。

でも、多分、あんときは皆一丸となったね。
この子を助けてあげようっていう何だか分からん義務感。
色々手直しして、それは立派なビラを大量に刷ってやった。
猫の写真とか借りて、手書きじゃなくてカラーに写真入印刷した。

で、納入日。
上司がその親子に頭下げんだよ。
ビビッタね。
モンモンにも絶対に引かない鬼みたいな上司だったから。
最初、何で頭下げんのか、馬鹿な俺は分かんなかった。
でも他のみんなは気付いてたと思う。


80: :2011/06/09(木) 22:43:44.11 ID:/dqPzk0u0
「誠に申し訳ありません。プロとしてやってはいけないことをしてしまいました。原本を無くしてしまいました」

だとさ。
何言ってんだこの人、とか思ったよ。
でもその後に出た言葉が痺れたね。

「お詫びと言っては何ですが、代わりを用意しました。もちろん御代は結構です。契約不履行ですのでペナルティーとしてビラの配布も手伝います」

もちろん無くしてなんかないし、むしろ、作業室の壁際にずっと貼ってあった。
コイツなら掘られてもいいやってマジ思ったね。
ま、そん時仕事なくて、ヒマしてたってのも大きいんだがな。

ん? 猫ちゃん見つかったよ。
ちょっと離れたところにあるアパートで婆さんに餌付けされてた。
ビラのおかげか、婆さんが連絡くれたんだってよ。

まあ、そんな感じの倒産寸前のアホだらけの会社だったんだよ。
ゴメンな話逸れちまった。

そんで、こっからが怖い話なんだわ。
前置きなげーよな。
まあ男は長持ちする方がいいって言うだろ。
カンベン。


82: :2011/06/09(木) 22:44:30.75 ID:/dqPzk0u0
当時、あるチンピラがどっかの事務所の金ちょろまかしたらしいんだよ。
まあ良くある話。

んで、風俗とかサウナとか焼肉屋とかラブホとかあっち系列の店に配るためのビラの仕事が来たんだわ。
大概は探偵とかそういうので探して見つけ出して、かっちり追い込みかけておしまい。
でも今回は人海戦術ってやつでいくらしいんだとさ。
なんでも下の奴らの忠誠度を試したいんだってよ。
ウチの会社が儲かるから事情はどうでもいいんだけどな。

最悪なのは俺とソイツがスロ仲間だったこと。
連絡先も家も知ってたんだよ。
写真見せてもらった時、ヤバイって思ったね。
マジで悪魔と天使が頭の中でケンカしたよ。

俺が一言言えばこの話はそれで終わりだ
住所と電話番号いま言えばすぐ終わる多分ボーナス出るぞ、って悪魔が言うんだよ。

いやまてそれでもお前は男か短い付き合いでも仲間は仲間だろ
台譲ってもらったりメシおごってもらったりしただろ、って天使が反論。

グダグダ頭の中で考えてる内にもう受注してたよ。
後悔ってよりも、しーらねとかそれぐらいにしか考えてなかった。

でもまあ仲間ってのは嘘じゃないって後で証明されたんだよ。
俺が仲間だと思ってるってことは向こうもそう思ってたってことだ、残念ながらな


83: 4:2011/06/09(木) 22:45:21.28 ID:/dqPzk0u0
次の次の日くらいかな。
夜中にそいつが俺んち来たんだわ。
ピンポンピンポンほんとうるさくて、苛立ちながらドア開けたら、
そこにゴリラみたいないかついアイツがいやがった。
ああ、もうこの際こいつゴリラな。

で、ゴリラが事情を説明するんだけど、もうこっちは帰って欲しい気持ちで一杯。
大体俺、ゴリラ語わかんねーし。

まあ冗談は置いといて、事情勝手に話すんだよ。
ウチに上がりこんで。

すっげーありきたりな理由。借金だって。
病弱な妹がいるとか、潰れそうな施設に寄付するために必要ってんなら俺も同情したよ。
だけど、そいつは女がらみだった。
身の程知らずにも高級クラブのおねえちゃんに金貢ぎ続けて、借金しまくったんだとさ。
今更、その女に騙されたとかウホウホ言っても意味ないし。

それより早く出て行って欲しいって気持ちがデカかった。
俺がマークされてるとは思えないが、万が一ってことがある。

溺れるものは藁をも掴むって格言、誰が考えたんだろうな。
ゴリラは俺を渾身の力でガッシリ掴みやがった。
もしここから追い出してオレが捕まったら共犯者としてお前の名前出す、って脅し始めた。
マジどうすりゃいいんだよ。

今になって思い出すと、さっさと筋モンに引き渡せば良かったと思うし、
それが出来ないなら誰かに、例えば上司とかに相談すれば良かったって思う。
でも俺はそいつをかくまっちまったんだ。
おかげで足の小指を無くしちまうんだが、それは後で話す。


84: :2011/06/09(木) 22:46:54.45 ID:/dqPzk0u0
それから数日間は精神的にきつかった。
昼は仕事でゴリラの顔を刷る。
筋モンが新しい情報をいれろってんで、次々に新しいビラを作るんだよ。
疲れてアパートに帰ったらゴリラがいる。
もう俺の生活ゴリラだらけ。
ここはどこの動物園だっての。

最初の内は畜生でも罪悪感があったのかゴリラは大人しかった。
だけど部屋にこもるのが飽きたのか、色々注文つけるようになった。
やれコーラが飲みたいとか、雑誌買って来いとか、ラーメン食いたいとか。

早く出てって欲しかった。

まあ流れ的に分かると思うけど、ゴリラは背中に絵が描いてある怖い飼育員たちに捕獲されたんだわ。

ある日、部屋に帰ったんだよ。
玄関開けた瞬間に、いきなり部屋の中に引きづりこまれたんだ。
ガチャッグワッって感じ。

わけも分からず口にガムテープ、手と足には多分梱包用のビニールヒモ。
あれ手に食い込んで痛いし、何か熱持ってるみたいになるよな。
手と足のビニールヒモで一つに縛り上げられて、ゴロンって床に転がされたんだわ。
ホント手馴れてたって思うよ。
抵抗しようと思う前に手と足の動きが封じられてた。

やばいやばいって気持ちが頭ん中で一杯だったんだが、ゴリラがいないのが気になった。

で、その中の責任者みたいな男が床に転がった俺の目を見て話し始めた。
妙な発音の異常に甲高い声で耳にキンキン響く声だった。
悪魔の声ってのは、ああいう声なんだと思う。


86: :2011/06/09(木) 22:47:53.61 ID:/dqPzk0u0
「お前、アイツの仲間か?」

俺は大袈裟に首を横に振った。
床に頭がゴンゴン叩きつけられたけど、そんなのに構ってる場合じゃなかった。

「ここお前の部屋だろ、仲間じゃないなら何なんだ?」

説明しようにも口にガムテープがグルグル張られててモガモガ言うことしか出来なかった。
まあ向こうも俺の存在は謎だったらしい。
「取りあえず場所変えるぞ」ってさっきの甲高い声の男が周りの男に指示した。

真っ黒い窓のないバンみたいなのに乗せられて、タオルかなんかで目隠しされた。

時間間隔とか良く分からん。
一時間くらいは走ってたと思う。
バンを降りて、歩かされて、タオル取られたら目の前に全裸のゴリラがいた。

コンクリートの床に寝転がされたゴリラはうーうー唸ってた。
たまにごほごほ咳き込んでたんだが、意識は混濁してたんだと思う。
鼻の位置と頬の位置が同じに見えるくらい顔がパンパンに腫れてた。
体中が青とか黒とか様々な色の斑点が出来てた。
多分殴られすぎて、色々なところが内出血してるんだと思う。

こっちには気付いてないみたいだった。

俺はガムテープを一気に剥がされ、さっきの男にまた耳障りな声で質問された。

「おい、お前コイツとどういう関係なんだ?」


88: :2011/06/09(木) 22:48:25.19 ID:/dqPzk0u0
多分、ここの答えを間違ったら俺もゴリラみたいになるってことは良く分かった。
俺はゴリラとパチ屋で知り合って、その縁から俺の家に居座られたことを説明した。

甲高い声の男はあまり聞いてないように見えた。

「本当か? 助かりたいからって嘘ついてねえか?」

俺は全力で否定した。
「確かにスロ仲間でメシ食いにいくくらいの仲の良さではあったが金を盗んだりはしてない」ってことを強調した。
だがこれが裏目に出た。

「なんでお前、コイツが金パクったって知ってるんだ?」

自分が墓穴を掘ったことを理解して、俺は黙ってしまった。
数日も一緒にいるんだからソイツが何をしてどんなヤツに
追われているかぐらいは知っていてもおかしくないだろ?
だけど俺はビラ刷りの会社の社員だったからもっと細かい内情を知っていた。
それの罪悪感から黙ってしまった。

「まあいいや、おい」

甲高い声の男は近くにいた男たちに声を掛けて、何やら準備し始めた。
そいつらはゴロゴロ何かを転がして、ゴリラの近くにそれを置いた。
ドラム缶だ。

「まさかこいつらゴリラをコンクリート詰めにでもするのか」とか俺はお気楽なことを考えていた。
コンクリート詰めで済むのなら良かったんだよ、ホントに。


102: :2011/06/09(木) 23:01:32.07 ID:/dqPzk0u0
男たちはゴリラをドラム缶に四人がかりで入れていた。
ゴリラは全く抵抗をしないで、すんなりドラム缶に入れられてた。
アイツがやったことはうーうー唸るだけだった。

「いいこと教えてやるよ、お前らが捕まったのはコイツのせいだ。デリヘリ頼んだんだよ。笑えるだろ? 自分から俺たちに場所を知らせてくれたんだわ」

俺はゴリラの厚かましさに呆れると同時に、無用心さに腹が立った。
「逃げている最中に何てことしやがるんだ」と。

「あんな端金はもういい。コイツには落とし前をつけてもらう。
俺たちをおちょくりやがったってことが大問題なんだ。俺たちはなめられたら終わりなんだよ。
なあ、おい。お前がどこの誰かなんてことはどうでもいいんだ。
コイツと一緒に俺たちをコケにしたのかどうか、それがききてえんだよ。
お前がウチの事務所から金をパクってないってどうやって証明するんだ? 
これからお前はコイツとしばらくいてもらう。
その後にもう一度だけ質問する。いいか?どれくらい掛かるかわからねえけど、
しっかり考えろよ? まあ個人的には同情するぜ」

甲高い声の男は一気にそうまくし立てると、傍らの男に声を掛けてそこから出て行った。
俺はこれから始まることへの不安から、震えちまった。
もう心の底からブルっちまった。

無理矢理椅子に座らされて、例のビニールヒモでグルグル巻きにされた。
そのまま二人の男に椅子ごと抱え上げられて、ゴリラが入っているドラム缶の前に置かれた。
ゴリラの顔の前から50センチくらいしか離れていなかった。
こんな不幸なお見合いはないだろ?


103: :2011/06/09(木) 23:02:14.51 ID:/dqPzk0u0
ゴリラはうーうー唸ってた。

俺も抵抗する気は起きなかった。
ただ早く開放されることだけを祈ってたよ。

五人の男たちが俺たちの周りで作業をしてた。
いかにもな風貌の男たちは嫌々動いているように見えたのは気のせいじゃないと思う。

ドラム缶の中に太いホースが突っ込まれた。
そうだな、ちょうどコーラの500mlの缶ぐらいの太さだと思う。
間抜けにも俺は「ああやっぱりコンクリートか」ってビビッてた。

そのホースは変な容器に繋がってた。
服とか小物を入れるでっかいプラスチック製の容器あるだろ? 
あんな感じの容器が頭についてる俺たちの身長くらいの足の長いキャスターに繋がってたんだわ。

おい何だよ、何すんだよ、ってつま先からつむじまでブルってた。

作業が終わったのか、最終チェックみたいなことをした男たちは俺に目線を向けた。
そして意外なことを言った。

「おい、きつかったら目を閉じてろよ。頑張れ」

一体何が始まるのか、何でそんなお優しい言葉をかけるのか分からなかった。


104: 10:2011/06/09(木) 23:02:55.53 ID:/dqPzk0u0
ドラム缶のゴリラ。
その目の前にいる俺。

「じゃあ俺たち行くわ、頑張れよ」と言って男たちは
そのキャスターに付いていたレバーを引いてそそくさと出て行った。

ここがどこなのか、あの容器が何なのかを知らなかった俺たちだけになった。

ボトッと、コンクリートにしては固い音がした。
その塊が落ちてきたのを皮切りに、ざざざざざざっ、と流れるように何かが容器から落ちてきた。

ゴリラはうーうー唸るのをやめ、今度はぎゃあぎゃあ叫びながら身をよじるのに必死になっていた。

最初はホースがドラム缶の中に突っ込まれていて、何が中を満たしているのか分からなかった。
だがすぐにドラム缶が一杯になり、その正体が分かった。

蟹だ。

こぶし大から、小指の爪くらいのサイズの蟹が溢れんばかりにゴリラの入っているドラム缶を満たしたんだ。

何でこんなことをするのか最初は分からなかった。
たかが蟹が何だってんだ。
ゴリラと蟹の味噌汁でも作るのか、とそれはそれで怖いことを想像した。


105: 11:2011/06/09(木) 23:03:32.72 ID:/dqPzk0u0
だがしばらく身をよじっていたゴリラが咆哮にも似た叫び声を上げ始めた時に、
俺はその恐ろしさを目の前で、本当に50センチくらいの目の前で意味が分かった。

「おい、おい!!! 助けてくれ!! コイツら、オレの中に入ってきやがった!!!!」

ゴリラは脂汗を流し、耳をつんざくような大声で叫びながらも俺に助けを求めた。
蟹がゴリラの体を食い破り、内部に入ってきただと?

ゴリラは俺が動けないにも関わらず、ケツがいてえ! とか、足が足が! 
とか身体のパーツをことさらに強調した。

やめてくれ。
想像したくねえ。

だが、目の前にいるゴリラは最早叫び声とは言えない雄たけびを上げ続けてた。

そしてゴリラは何時間も叫んだ。
いや良くわかんねえ。
何時間とか何分とかどれらいの時間が経ったのかは。
口の中に泡と血だまりができて、目と鼻から血が出ていたが、それでもゴリラは叫び続けた。


106: 12:2011/06/09(木) 23:04:07.75 ID:/dqPzk0u0
顔が赤から真っ青になっていき、血反吐を蛇口の水みたいにげえげえ吐き始めたころに、
蟹たちは次の侵入場所に気付きやがった。

蟹たちはゴリラの顔めがけ、ギリギリと変な音を出しながら口や目に纏わり付いた。
ゴリラは叫び、首を振り続け、ドラム缶に頭を叩きつけるが、蟹たちは許してくれなかった。

見ちゃいられなかったが、どうすることも出来ない。
身をよじって、よじった。
固定された椅子ごとドラム缶に体を叩きつけたが、
ゴリラの体重と蟹どもの体重のせいでビクともしなかった。

俺の耳がゴリラの絶叫で痺れ、音が聞こえ辛くなった。
最後に、げへ、という何とも間抜けな音を出し、ゴリラは静かになった。

ガサガサとドラム缶の中で音が鳴り続けている。
ゴリラは痙攣したようにビクビク動いているが、ゴリラが動いているのか、
中にいる蟹が動かしているのか区別が付かなかった。

目玉を押し出し中から蟹が出てきたところで俺の意識も限界を迎えた。

ガサガサという音で気付いた俺は昔ゴリラだった何かが
蟹の動きに合わせて動いているのを見て吐いた。

地獄がどんなところか知らないが、あれより酷いところだとは到底思えねえ。


107: 13:2011/06/09(木) 23:04:46.08 ID:/dqPzk0u0
蟹どもはゴリラの体に纏わりつき未だに齧っていた。
ゴリラの体が傾き、俺めがけて首が折れた。
その拍子にドラム缶から蟹があふれ出て、目の前にある生きた獲物に標的を変えた。

俺は絶叫した。
足元にボトボト蟹どもが落ちてくる。
足に纏わり付く。
最初はくすぐったいくらいで、次にかゆくなってきた。
椅子ごと体をよじってもあいつらはどんどん俺の足に纏わり付く。
その内、小指に激痛が走り、俺の中にも蟹が侵入してきたことに気づいた。

ドリルで穴を開けられるほうが万倍もマシだろう。
爪をちょっとずつ引き剥がし、俺の中に入る努力をしている。
脱糞し、失禁したが、蟹は許してくれない。

ノドがぶっ壊れようが、絶叫が何の意味もなかろうが、俺は叫んだ。
が、蟹どもは俺の体に入ろうとした。
気が狂うと思った、もう気が狂ったと思った。

甲高い声が聞こえて、何人かの男たちが叫びながら蟹を払い飛ばした時、
俺は安堵からか、ブツリと頭の中で音が聞こえて、気を失った。


108: 14:2011/06/09(木) 23:05:55.24 ID:/dqPzk0u0
「おい、生きてるか!? おい!!」

頬を張られる感触で起きた。
目の前にいる甲高い声の男が天使にも神にも見えた。
足の小指がジュクジュク痛む。
小指だけで済んだことを歓喜して涙を流した。

「起きたか?」

甲高い声が俺に質問する。
俺は、あうあうと声にならない音を上げた。

「質問に答えろ。お前はコイツの仲間か?」

ドラム缶を指差し、甲高い声の男は俺に質問した。
ねじ切れるほど首を横に振り、鼻水と涙とよだれで窒息しそうになったが、違うことを伝えようとした。
甲高い声の男とその取り巻きどもは、流石に納得し、俺のビニールヒモを解いた。
足腰に力が入らなかったが、小指の痛みで足がまだあることが分かった。
その後、バンに詰め込まれ、アパートの前で蹴り出された。
一週間以上、何も食べれなくなり、外に出れなかった。

どういう理由か分からないが、バイト先の上司が見舞いに来て、茶封筒を置いて出て行った。
中には札束が入っていた。

幽霊なんぞ可愛いもんだ。
蟹のドラム缶風呂以上に恐ろしいモンがこの世に存在することを俺は知らない。 

地下の井戸

903:本当にあった怖い名無し:2008/01/21(月)00:54:00id:wohjQNUp0
前置き長くなったけど、まあうまくやってるってんで、
Nさんの舎弟のSさん、Kさんなんかに、結構信頼されるようになった。
それで、時々花の配達に使ってるワンボックスで、夜中に呼び出されるようになった。
積んでるのは、多分ドラム缶とか段ボール。

荷物積む時は、俺は運転席から出ない事になってたし、後ろは目張りされてて見えないから。
それで、ベンツの後ろついてくだけ。
荷物を下ろしたら、少し離れたところで待たされて、またベンツについて帰って、金もらって終了。
何を運んでたなんて知らない。
その代わり、1回の仕事で、花の配達の1ヶ月分のバイト代をもらえた。

ある夜、また呼び出された。
行ってみると、いつもとメンツが違う。いつもはSさんかKさんと、部下の若い人だった。
ところがその日は、幹部のNさんがいて、他にはSさん、Kさんの3人だけ。
3人とも異様に緊張してイラついてて、明らかに普通じゃない雰囲気。
俺が着いても、
「エンジン切って待ってろ」
って言ったまま、ボソボソ何か話してた。

「・・・はこのまま帰せ」


「あいつは大丈夫ですよ。それより・・・」

途切れ途切れに会話が聞こえてたけど、結局俺は運転していく事になった。何だか嫌な予感がしたけどね。

後ろのハッチが開いて、何か積んでるのが分かった。
でも今回は、ドラム缶とか段ボールじゃなかった。
置いた時の音がね、いつもと違ってた。重そうなもんではあったけど。
更に変だったのが、SさんとKさんが同乗した事。
いつもは俺一人でベンツについてくだけなのに。
しかも、いきなり首都高に入った。
あそこはカメラもあるし、出入口にはNシステムもあるから、
こういう仕事の時は、一般道でもNシステムは回避して走るのに。



904:本当にあった怖い名無し:2008/01/21(月)00:54:47id:wohjQNUp0
首都高の環状線はさ、皇居を見下ろしちゃいけないとかでさ、何ヵ所か地下に入るよね。
恥ずかしながら、俺は運転には自信あるけど、道覚えるのは苦手なんだよね。方向音痴だし。

多分環状線を、2周くらいしたと思う。
車が途切れたところで、突然Nさんが乗るベンツが、トンネルの中で、ハザード出した。
それまでSさんもKさんも、ひと言もしゃべらなかったけど、Sさんが
「右の車線に入って止めろ」
って。言われるままに止めたよ。そこって合流地点だった。
で、
「中洲みたいになってるとこに、バックで車入れろ」
って言うから、その通りにしてライト消した。

両側柱になってて、普通に走ってる車からは、振り返って見たとしても、なかなか見つけられないと思う。
まあ見つけたとしても、かかわり合いにならない方が良いけどね。
Nさんが乗ったベンツは、そのまま走り去った。

SさんとKさんは、二人で荷物を下ろしてたけど、俺にも下りて来いって。
俺はこの時も嫌な予感がした。今まで呼ばれた事なんて無かったし。
SさんとKさんが、二人で担ぎ上げてるビニールの袋。
映画とかでよく見る、死体袋とかいう黒いやつ。もう中身は、絶対に人間としか思えない。



905:本当にあった怖い名無し:2008/01/21(月)00:55:26id:wohjQNUp0
とんでもない事に巻き込まれたって思って、腰が痛くなった。多分腰抜ける寸前だったんだろう。
何で組の人じゃなくて俺なの?ってその時は思ったけど、その理由も後になれば分かったんだけど。

で、Sさんが
「ポケットに鍵があるから、それ使って、金網の扉の鍵開けろ」
って言うから、言う通りにした。
金網開けて5~6メートルで、また扉にぶつかる。
扉というより、鉄柵って感じかな。だって開ける為の把手とか無いし、第一鍵穴すら見当たらない。
どうすんだろうな~と思ったら、またSさんが別のポケットを指定。
今度は大小ひとつずつの鍵。コンクリの壁にステンレスの小さい蓋が付いてて、それを小さい方の鍵で開ける。

中に円筒形の鍵穴があって、それは大きい方の鍵。
それを回すと、ガチャって音がして、柵が少し動いた。
右から左に柵が開いた。壁の中まで柵が食い込んでて、その中でロックされてる。
鍵を壊して侵入は、出来ない構造らしい。

更に先はもう真っ暗。マグライトをつけて先に進んだけど、すぐに鉄扉に当たった。
「無断立入厳禁防衛施設庁」って書いてあった。
これは不思議だった。だってここ、道路公団の施設だよね?
ていうか、こんなとこ入って平気なのかな、って思った。

まあこの人たちのやる事だから、抜かりは無いとは思うんだけど、
監視カメラとかあるんじゃないのって、不安になった。
まあ中に進んだら、もっと不思議なもんが、待ってたんだけどね。
鉄の扉も、さっきの鉄柵と同じ要領で開いて、俺たちは中に入った。



906:本当にあった怖い名無し:2008/01/21(月)00:56:30id:wohjQNUp0
SさんもKさんもうっすら汗かき始めてて、随分重そうだったけど、運ぶの手伝えとは言わなかった。
中に入るとすぐ階段で、ひたすら下に下りて行った。結構下りた。
時々二人が止まって、肩に担ぎ上げた「荷物」を担ぎ直してた。

階段を下りると、ものすごく広い通路が左右に伸びてた。多分幅10mくらいあったと思う。
下りたところで、ひと休みした。
通路はところどころ電灯がついてて、すごく薄暗いけど、一応ライトは無しで歩けた。
俺たちは反対側に渡って(って言いたくなるくらい広い)、左手に向かって進んだ。

時々休みながら、どれくらい進んだかな。
通路自体は分岐はしてない。ひたすら真っ直ぐで、左右の壁に時々鉄の扉がついてる。
ある扉の前でSさんが止まって言った。

「これじゃねえか。これだろ」

そこには「帝国陸軍第十三号坑道」って書いてあった。字体は古かったけど。
信じられる?今の日本にあるのは陸上自衛隊でしょ。何十年も前のトンネルなのか、これは?

SさんもKさんも、汗だくで息も荒くなってたから、
扉を入ったところで、また「荷物」を下ろして休憩する事にした。
二人とも無言だったから、俺も黙ってた。
しばらくして、Sさんが
「そろそろ行こう」
って言って、袋の片側、多分「足」がある側を持った。そ
したら・・・
「袋」が突然暴れた。
Sさんは不意を突かれて手を放してしまい、弾みで反対側の袋の口から、顔が出てきた。
猿ぐつわを噛まされた、ちょっと小太りの男。



907:本当にあった怖い名無し:2008/01/21(月)00:57:16id:wohjQNUp0
どっかで見たことある・・・
それもあるけど、分かっていながらも、袋からリアルに人が、
しかも生きた人が出てきた事にビビッて、俺は固まってた。
SさんがKさんに、
「おい何で目を覚ました!」

「クスリ打てクスリ!」

「袋に戻せ!」

とか言ってるのが聞こえた。
Kさんは
「クスリは持って無い」
とか、何とか答えてた。
その間も「袋」は暴れてた。
暴れてたというか、体を縛られてるらしく、激しく身をよじって、袋から出ようとしていた。

するとSさんが、袋の上から腹のあたりを、踏んづけるように蹴った。
一瞬「袋」の動きが止まったけど、
「ウ~!」
とすごい唸り声を上げながら、また暴れ出した。
Sさんは腹のあたりを、構わず蹴り続けた。それでも「袋」は、暴れ続けた。
やがてKさんも加わって、二人で滅茶苦茶に蹴り始めた。
パキって音が、2、3回立て続けにした。多分肋骨が折れたんだと思う。

「袋」の動きが止まった。その時なぜか男は頭を振って、俺に気が付いた。
それまですごい形相で、暴れていた男が、急に泣きそうな顔で俺を見つめた。
Sさんが
「袋に戻せ」
と言うと、Kさんが男の肩のあたりを足で抑えながら袋を引っ張って、男を中に戻した。
今でもその光景は、スローモーションの映像のまま、俺の記憶に残ってる。
男は袋に戻されるまで、ずっと俺を見てた。一生忘れられない。



908:本当にあった怖い名無し:2008/01/21(月)00:57:44id:wohjQNUp0
Kさんが、袋の口をきつく縛るのを確認すると、Sさんは更に数回、袋を蹴った。

「これくらいかな。殺しちゃまずいからな」

Sさんはそう言って、俺を見た。

「お前、こいつの顔を見たか」

「いえ・・・突然だったんで、何が何だか」

そう答えるのが精一杯だった。
その時に、本当はどこかで見たような気がしたけど、思い出せなかった。

SさんとKさんは、再び動かなくなった「袋」を担ぎ上げた。
それまでと違うのは、真ん中に俺が入ったこと。
もう中身を知ってしまったので、一連托生だ。

それから、その13号坑道ってやつを延々歩いた。
今までの広い通路とはうって変わって、幅が3mも無いくらいの、狭い通路だった。
右手は常に壁なんだけど、左手は時々、下に下りる階段があった。
幅1mちょいくらいの階段で、ほんの数段下りたところに、扉がついてた。

何個目か分かんないけど、Sさんがある扉の前で
「止まれ」
って言った。
そこもまた「帝国陸軍」「帝国陸軍第126号井戸」って書いてあった。
(128だったかも。偶数だった記憶があるけど忘れた)
それで、Sさんに言われるまま中に入った。

中は結構広い部屋だった。小中学校の教室くらいはあったかな。
その真ん中に、確かに井戸があった。でも蓋が閉まってるの。重そうな鉄の蓋。
端っこに鎖がついてて、それが天井の滑車につながってた。
滑車からぶら下がっている、もうひとつの鎖を引いて回すと、
蓋についた鎖が徐々に巻き取られて、蓋が開いてく仕掛けになってた。



909:本当にあった怖い名無し:2008/01/21(月)00:58:23id:wohjQNUp0
オレは言われるままに、どんどん鎖を引っ張って蓋を開けていった。
完全に蓋が開いたとこで、二人が「袋」を抱え上げた。
もう分かったよ。この地底深く、誰も来ない井戸に投げ込んでしまえば、二度と出てこないもんね。
でもひとつだけ分からない事があった。なんで「生きたまま」投げ込む必要があるの?

二人は袋を井戸に落とした。ドボーン!水の中に落ちる音がするはずだった。
でも聞こえてきたのは、バシャッて音。この井戸、水が枯れてるんじゃないの?って音。
SさんとKさんも顔を見合わせてた。
Sさんが俺の持っているマグライトを見て、顎をしゃくってみせ首を傾げて、
「井戸を覗け」ってジェスチャーをした。

マグライトで照らしてみたけど、最初はぼんやりとしか底まで光が届かなかった。
レンズを少し回して焦点を絞ると、小さいけど底まで光が届いた。
光の輪の中には、「袋」の一部が照らし出されてる。
やっぱり枯れてるみたいで、水はほとんど無い。
そこに手が現れた。真っ白い手。さらにつるっぱげで、真っ白な頭頂部。

あれ、さっきの「袋」の人、つるっぱげじゃ無かったよな。
ワケが分かんなくて呆然と考えていたら、また頭が現れた。
え?2人?ますます頭が混乱して、ただ眺めてたら、その頭がすっと上を向いた。目が無い。
空洞とかじゃなくて、鼻の穴みたいな小さい穴がついてるだけ。
理解不能な出来事に、俺たちは全員固まってた。
しかも2人だけじゃ無さそうだ。奴らの周囲でも、何かがうごめいている気配がする。
何だあれ?人間なのか?なぜ井戸の中にいる?何をしている?



910:本当にあった怖い名無し:2008/01/21(月)00:58:52id:wohjQNUp0
その時、急に扉が開いて、人が入ってきた。
俺は驚いてライトを落として、立ち上がってた。SさんとKさんも。
入ってきたのはNさんだった。Nさんは俺たちを見て、怪訝そうな顔をした。

「S、もう済んだのか」

Sさんは少しの間呆然としていたけど、すぐに答えた。

「済みました」

Nさんは俺たちの様子を見て、俺たちが井戸の中身を見た事を悟ったみたいだった。

「見たのか、中を」

俺たちはうなずきもせず言葉も発しなかったが、否定しないことが肯定になった。

「さっさと蓋閉めろ」

言われて俺は、慌てて鎖のところに行って、さっきとは反対側の鎖を引いて回した。
少しずつ蓋が閉まっていく。

「余計な事を考えるんじゃねえ。忘れろ」

そう言われた。
確かにそうなんだけど、ぐるぐる考えた。
「殺しちゃまずい」って、Sさんは言ってた。
Sさん自身も、なぜ殺しちゃだめなのか知らなかったんだと思う。
生きたまま落とした理由は?生きたまま・・・あの化け物のような奴らがいるところへ。
考えたく無くなった。

俺たちは来た道を戻り、車で道に出た。
今度はSさんとKさんは、Nさんのベンツに乗っていった。
そしてそれが、3人を見た最後になった。



911本当にあった怖い名無し:2008/01/21(月)00:59:15id:wohjQNUp0
俺は思い出していた。あのとき「袋」に入っていた男の顔を。
最近出所してきた、会長の3男だった。
出来の悪い男というウワサだった。ケチな仕事で下手を踏み、服役していたらしい。
俺は2、3回しか顔を合わせた事が無かったが、大した事無さそうなのに、
威張り散らしてヤな感じだったのを覚えてる。
だからといって、会長の息子を殺すのはアウトだよ。死体を隠したっていずれバレる。
それでも出来るだけバレないように、俺を使って運んだんだろうけど。

あの出来事から2週間くらいして、Nさんが居なくなった。
「お前も姿をくらませ」って、Sさんから電話があった。
バレたんだ。会長の息子を殺ったのを。

組から距離をおいていたのが幸いして、俺は逃げ延びる事ができた。
SさんやKさんがどうなったのかは知らない。
あれから数年、俺は人の多い土地を転々としている。
これはあるネットカフェで書いた。

もうすぐネットカフェも、身分証を見せないと書き込めなくなるらしい。これが最後のチャンスだ。
組の人たちがこれを知れば、どこから書いたのか、すぐに突き止めると思う。
だから俺は、この街には二度と戻ってこない。

誰かあの井戸を突き止めて欲しい。なぜあの井戸に、暴力団なんかが鍵持って入れるのか。
そうしたら俺の追っ手は、皆捕まるかも知れない。
俺は逃げ延びたい。これからも逃げ続けるつもりだ。

かんひも

僕の母の実家は、長野の山奥、信州新町ってとこから奥に入ってったとこなんですけど。
僕がまだ小学校3、4年だったかな?
その夏休みに、母の実家へ遊びに行ったんですよ。
そこは山と田んぼと畑しかなく、民家も数軒。
交通も、村営のバスが朝と夕方の2回しか通らないようなとこです。
そんな何もないとこ、例年だったら行かないんですが、その年に限って、仲のいい友達が家族旅行でいなくて、両親について行きました。
行ってはみたものの・・・
案の定、何もありません。
デパートやお店に連れて行ってとねだっても、一番近いスーパー(しょぼい・・)でも車で1時間近くかかるため、父は「せっかくのんびりしに来たんだから」と連れて行ってくれません。

唯一救いだったのは、隣の家に、僕と同じ年くらいの男の子が遊びにきていたことでした。
あの年頃は不思議とすぐに仲良くなれるもので、僕と、K(仮にKくんとします)は、一緒に遊ぶようになりました。
遊ぶといっても、そんな田舎でやることは冒険ごっこ、近所の探検くらいしかありません。

1週間の予定で行って、確か3日目の夕方くらいだったと思います。
午後3時を過ぎて、日が落ち始めるころ。
夏とはいえ、西に山を背負っていることもあるのでしょうか。
田舎の日暮れっていうのは早いもんです。

僕とKは、今まで入ったことのない山に入っていってみました。
はじめは、人の通るような道を登っていたのですが、気がつくと、獣道のような細い道に入っていました。

「あれ、なんだろ?」

Kが指差す方を見ると、石碑?が建っていました。
里で見る道祖神ののような感じで、50センチくらいだったでしょうか。
だいぶ風雨にさらされた感じで、苔むしていました。

僕とKは良く見ようと、手や落ちていた枝で、苔や泥を取り除いてみました。
やはり道祖神のような感じでしたが、何か感じが違いました。
普通の道祖神って、男女2人が仲良く寄り添って彫ってあるものですよね?
でもその石碑は、4人の人物が、立ったまま絡み合い、顔は苦悶の表情?そんな感じでした。

ぼくとKは薄気味悪くなり、「行こう!」と立ち上がりました。
あたりも大分薄暗く、僕は早く帰りたくなっていました。

「なんかある!」

僕がKの手を引いて歩き出そうとすると、Kが石碑の足下に何かあるのを見つけました。
古びた、4センチ四方くらいの木の箱です。
半分地中に埋まって、斜め半分が出ていました。

「なんだろう?」

僕は嫌な感じがしたのですが、Kは、かまわずに木の箱を掘り出してしまいました。

取り出した木の箱はこれまた古く、あちこち腐ってボロボロになっていました。
表面には何か、布?のようなものを巻いた後があり、墨か何かで文字が書いてありました。
当然、読めはしませんでしたが、何かお経のような難しい漢字がいっぱい書いてありました。

「なんか入ってる!」

Kは箱の壊れた部分から、何かが覗いているのを見つけると、引っ張り出してみました。

なんて言うんですかね。
ビロードっていうんでしょうか?
黒くて艶々とした縄紐みたいなので結われた、腕輪のようなものでした。
直径10センチくらいだったかな?
輪になっていて、5ヶ所、石のような物で止められていました。
石のような物はまん丸で、そこにもわけのわからん漢字が彫り付けてありました。

それはとても土の中に埋まっていたとは思えないほど艶々と光っていて、気味悪いながらもとても綺麗に見えました。

「これ、俺が先に見つけたから俺んの!」

Kはそう言うと、その腕輪をなんと腕にはめようとしました。

「やめなよ!」

僕はとてもいやな感じがして、半泣きになりながら止めたのですが、Kはやめようとはしませんでした。

「ケーーーーー!!!」

Kが腕輪をはめた瞬間に、奇妙な鳥?サル?妙な鳴き声がし、山の中にこだましました。
気が付くとあたりは真っ暗で、僕とKは気味悪くなり、慌てて飛んで帰りました。

家の近くまで来ると、僕とKは手を振ってそれぞれの家に入っていきました。
もうその時には、気味の悪い腕輪のことなど忘れていてのですが・・・。

電話が鳴ったのは夜も遅くでした。
10時を過ぎても、まだだらだらと起きていて、母に「早く寝なさい!」としかられていると。

「ジリリリーーン!」

けたたましく、昔ながらの黒電話が鳴り響きました。

「誰や、こんな夜更けに・・・」

爺ちゃんがぶつぶつ言いながら電話に出ました。
電話の相手はどおやらKの父ちゃんのようでした。
はたから見てても、晩酌で赤く染まった爺ちゃんの顔がサアっと青ざめていくのがわかりました。

電話を切ったあと、爺ちゃんがえらい勢いで寝転がっている僕のところに飛んできました。
僕を無理やりひき起こすと、

「A(僕の名)!!おま、今日、どこぞいきおった!!裏、行きおったんか!?山、登りよったんか?!」

爺ちゃんの剣幕にびっくりしながらも、僕は今日あったことを話しました。
騒ぎを聞きつけて台所や風呂から飛んできた、母とばあちゃんも話しを聞くと真っ青になっていました。

婆「あああ、まさか」
爺「・・・・かもしれん」
母「迷信じゃなかったの・・・?」

僕は何がなんだかわからず、ただ呆然としていました。
父も、よくわけのわからない様子でしたが、爺、婆ちゃん、母の様子に聞くに聞けないようでした。

とりあえず、僕と爺ちゃん、婆ちゃんで、隣のKの家に行くことになりました。
爺ちゃんは、出かける前にどこかに電話していました。
何かあってはと、父も行こうとしましたが、母と一緒に留守番となりました。

Kの家に入ると、今までかいだことのない嫌なにおいがしました。
埃っぽいような、すっぱいような。
今思うと、あれが死臭というやつなんでしょうか?

「おい!K!!しっかりしろ!」

奥の今からは、Kの父の怒鳴り声が聞こえていました。
爺ちゃんは、断りもせずにずかずかとKの家に入っていきました。
婆ちゃんと僕も続きました。

居間に入ると、さらにあの匂いが強くなりました。
そこにKが横たわっていました。
そしてその脇で、Kの父ちゃん、母ちゃん、婆ちゃんが(Kの家は爺ちゃんがすでに亡くなって、婆ちゃんだけです)必死に何かをしていました。

Kは意識があるのかないのか、目は開けていましたが、焦点が定まらず、口は半開きで、泡で白っぽいよだれをだらだらと垂らしていました。

よくよく見ると、みんなはKの右腕から何かを外そうとしているようでした。
それはまぎれもなく、あの腕輪でした。
が、さっき見たときとは様子が違っていました。

綺麗な紐はほどけて、よく見ると、ほどけた1本1本が、Kの腕に刺さっているようでした。

Kの手は腕輪から先が黒くなっていました。
その黒いのは、見ていると動いているようで、まるで腕輪から刺さった糸が、Kの手の中で動いているようでした。

「かんひもじゃ!」

爺ちゃんは大きな声で叫ぶと、何を思ったかKの家の台所に走っていきました。
僕は、Kの手から目が離せません。
まるで、皮膚の下で無数の虫が這いまわっているようでした。

すぐに爺ちゃんが戻ってきました。
なんと、手には柳葉包丁を持っていました。

「何するんですか!?」

止めようとするKの父ちゃん母ちゃんを振り払って、爺ちゃんはKの婆ちゃんに叫びました。

「腕はもうダメじゃ!まだ頭まではいっちょらん!!」

Kの婆ちゃんは泣きながら頷きました。
爺ちゃんは少し躊躇した後、包丁をKの腕につきたてました!
悲鳴を上げたのはKの両親だけで、Kはなんの反応も示しませんでした。

あの光景を僕は忘れられません。
Kの腕からは、血が一滴も出ませんでした。
代わりに、無数の髪の毛がぞわぞわと、傷口から外にこぼれ出てきました。
もう、手の中の黒いのも動いていませんでした。

しばらくすると、近くの寺(といってもかなり遠い)から、坊様が駆けつけて来ました。
爺ちゃんが電話したのはこの寺のようでした。

坊様はKを寝室に移すと、一晩中読経をあげていました。
僕もKの前に読経を上げてもらい、その日は家に帰って、眠れない夜を過ごしました。

次の日、Kは顔も見せずに、朝早くから両親と一緒に帰って行きました。
地元の大きな病院に行くとのことでした。

爺ちゃんが言うには、腕はもうだめだということでした。
「頭まで行かずに良かった」と何度も言っていました。
僕は「かんひも」について爺ちゃんに聞いてみましたが、教えてはくれませんでした。

ただ、「髪被喪」と書いて「かんひも」と読むこと、あの道祖神は「阿苦(あく)」という名前だということだけは婆ちゃんから教えてもらいました。

古くから伝わるまじないのようなものなんでしょうか?
それ以来、爺ちゃんたちに会っても、聞くに聞けずにいます。

誰か、似たような物をご存知の方がいらっしゃいましたら、教えていただけるとありがたいです。
あれが頭までいっていたらどうなるのか・・・?

以上が、僕が「かんひも」について知っているすべてです。
失礼しました。

—————————-

こんばんは。
前スレの「かんひも」の866です。
大勢のみなさんにお気に召していただいて、ありがとうございます。
でも、みなさん「かんひも」についてはご存知ないようですね。

僕も、書き込んでから、改めて気になり、この土日で、母の実家まで行って、自分なりに調べてみました。
残念ながら、爺ちゃんはすでに亡くなっているので、文献と、婆ちゃんの話からの推測の域をでませんが・・・
この年になって、久しぶりに辞書を片手に、頑張ってしまいました。

結論から言うと、どうやら「かんひも」はまじない系のようです。
それも、あまり良くない系統の。

昔、まだ村が集落だけで生活していて、他との関わりがあまりない頃です。
僕はあまり歴史とかに明るくないので、何時代とかはわかりませんでした。

その頃は、集落内での婚姻が主だったようで、やはり「血が濃くなる」ということがあったようです。
良く聞くように、「血が濃くなる」と、障害を持った子供が生まれて来ることが多くありました。
今のように科学や医学が発達していない時代。
そのような子たちは「凶子(まがご)」と呼ばれて忌まれていたようです。
そして、凶子を産んだ女性も、「凶女(まがつめ)」と呼ばれていました。

しかし、やはり昔のことで、凶子が生まれても、生まれてすぐには分からずに、ある程度成長してから、凶子と分かる例が多かったようです。
そういう子たちは、その奇行から、やはりキツネ憑きなど、禍々しいものと考えられていました。
そして、その親子共々、集落内に災いを呼ぶとして、殺されたそうです。
しかも、その殺され方が、凶女に、わが子をその手で殺させ、さらにその凶女もとてもひどい方法で殺すという、いやな内容でした。。
あまり詳しいことは分かりませんでしたが、伝わっていないということは余程ひどい内容だったのではないでしょうか?

しかし、凶女は、殺された後も集落に災いを及ぼすと考えられました。
そこで、例の「かんひも」の登場です。

「かんひも」は前にも書いたように、「髪被喪」と書きます。
つまり、「髪」のまじないで「喪(良くないこと・災い)」を「被」せるという事です。
どうやら、凶女の髪の束を使い、凶子の骨で作った珠で留め、特殊なまじないにしたようです。
そしてそれを、隣村(といっても当時はかなり離れていて交流はあまり無かったようですが)の地に埋めて、災いを他村に被せようとしたのです。
腕輪の形状をしていたものの、もともとはそういった呪詛的な意味の方が大きかったようです。
また、今回の物は腕輪でしたが、首輪などいろいろな形状があるようです。

しかし、呪いには必ず呪い返しが付き物です。
仕掛けられた「かんひも」に気がつくと、掘り返して、こちらの村に仕掛け返したそうです。
それを防ぐために生まれたのが道祖神「阿苦」です。

村人は、埋められた「かんひも」に気づくと、その上に「阿苦」を置いて封じました。
「阿苦」は本来「架苦」と呼ばれており、石碑に刻まれた人物に「苦」を「架」すことにより、村に再び災いが舞い戻ってくるのを防ごうと考えたのではないでしょうか。

そして、その隣村への道が、ちょうど裏山から続いていたそうです。
時の流れの中で、「かんひも」は穢れを失って、風化していったようですが、例の「かんひも」はまだ効力の残っていたものなのでしょうか?

僕の調べた範囲で分かったのはこのくらいです。
また、詳しい方などいましたら、ご教授願います。

最後に。
婆ちゃんに、気になっていたものの聞けなかったKのその後を聞きました。
Kは、あれから地元の大きな病院に連れて行かれました。
坊様の力か、そのころにはすでに髪は1本も残ってなく、刃物の切り口と、中身がスカスカの腕の皮だけになっていたそうです。

なんとか一命は取り留めたものの、Kは一生寝たきりとなってしまっていました。
医者の話では、脳に細かい、「髪の細さほどの無数の穴」が開いていたと・・・。

みなさんも、「かんひも」を見つけても、決して腕にはめたりなさいませんよう。

長距離ドライブ及び、徹夜の調べ物でふらふらの上での書き込みなので、誤字脱字、読みにくい箇所はお許しください。
とりあえず、分かったことをお知らせしたかったもので・・・。

136 本当にあった怖い名無し sage New! 2005/10/16(日) 21:22:36 id:F3G2bUi90
かんひもの話、非常に興味深い
が、少し気になったことが……

>>129からの説明のうち、>>132-133の部分で、

>仕掛けられた「かんひも」に気がつくと、
>掘り返して、こちらの村に仕掛け返したそうです。
>それを防ぐために生まれたのが道祖神「阿苦」です。
> >村人は、埋められた「かんひも」に気づくと、
>その上に「阿苦」を置いて封じました。
>「阿苦」は本来「架苦」と呼ばれており、
>石碑に刻まれた人物に「苦」を「架」すことにより、
>村に再び災いが舞い戻ってくるのを防ごうと考えたのではないでしょうか。

とあるんだが、この村人ってのはどの村の村人なんだろうか
「村に再び~」というところから考えると、かんひもを作った村のほうか?
しかし>>132を読むと、かんひもは隣村に呪いを擦り付けるための物だと書いてあって、
話が上手くつながってない気がするんだよな……

137 あなたのうしろに名無しさんが sage New! 2005/10/16(日) 21:30:21 id:qOnhfDHA0
俺もそれは感じた。
阿苦の存在意義がイマイチわからんな。
とりあえず乙>129

138 129 sage New! 2005/10/16(日) 21:31:08 ID:4yudFh43O
あ、分かりづらくてすみません。
「村人」は、作った方の村人で、阿苦を設置したのは、まじない返しに遭ったときの話です。
なぜか、急にパソコンが落ちてしまって、携帯からの書き込みなので、読みづらかったらすみません。

139 博 sage New! 2005/10/16(日) 21:34:13 id:LJg3O2sXO
>>136
村をAとBに置き換えろよ。分かりやすくなるから。

A(かんひもを作った)
B(かんひもを仕掛けられた)
AがBに仕掛ける
Bは気づきAに仕掛け返す
Aはそれに気づき呪詛返しを防ぐため道祖神を配置

ってことだから”その村人”てのはAのこと。

212 傷 ◆cmuuOjbHnQ sage 2007/03/10(土) 00:03:20 id:WmdfX0hw0

俺の古くからの友人にPと言う在日朝鮮人の男がいる。
Pの実家は、焼肉屋にラブホテル、風俗店や金貸しを営む資産家だった。
P家の経営するラブホはカラオケやゲーム、ルームサービスも充実して流行っていた。
「事件」があったのは、そんなP家の経営するラブホの新店舗。
新店舗もオープン当初は立地条件も良く流行っていたらしい。
しかし、ある時を境に客足がガクッと落ち込んでしまった。
まあ、お約束ってやつかな。
どうもそのホテル、「出る」らしいんだ。
そのホテルに出るだけじゃなく、Pの実家の婆さんが亡くなり、お袋さんは重度の鬱病
親父さんも胃癌になるといった具合に身内の不幸が重なった。
地元の商店街ではPの家が祟られているという噂が流れていたようだ。
そんな地元の噂を聞きつけたのか、拝み屋だか霊媒師だかのオバサンがPのところに売り込みに来たらしい。

213 傷 ◆cmuuOjbHnQ sage 2007/03/10(土) 00:06:16 id:WmdfX0hw0

そのオバサンはPらのコミュニティーでは金には汚いけれど「本物」だということで結構有名な人だったようだ。
自信たっぷりに「お前の所に憑いている悪霊を祓ってやる。失敗したら金は要らない。
成功したら500万払え」と言って来たらしい。
P本人は信心深いタマではなく、ハナッから相手にする気はなかった。
タカリの一種くらいにしか見ていなかった。
しかし、Pのオヤジさんは病気ですっかり参っていたせいもあって、このお祓いの話に乗り気だったらしい。
それでも500万という金はデカイ。
社長はオヤジさんだが、馬鹿な無駄金を使うのを黙って見ている訳には行かない。
そこで、Pは俺に「報酬10万に女も付ける。出るという噂の部屋に一晩泊まってみてくれ」と頼んできた。
ガキの頃から知っている俺が泊まって、何もなかったと言えばアボジも納得するだろうと。
万が一、本当に出たらオバサンにお払いを頼む。
出なければシカトして500万は他のラブホの改装の足しにでもする。
俺はオカルトネタは大好きだけれど、霊感って奴は皆無。
心霊スポット巡りも嫌いじゃないので快諾した。

214 傷 ◆cmuuOjbHnQ sage 2007/03/10(土) 00:07:29 id:WmdfX0hw0

Pに頼まれた翌週末、午後8時過ぎくらいにPの知り合いが経営する韓デリの女の子と落ち合って、
問題のホテルの508号室(角部屋)に入った。
部屋に入った時点では霊感ゼロの俺が感じるものは特になかった。
ただ、デリ嬢のユキちゃん(ほしのあき似、Fカップ美乳!)はしきりに「寒い」と言っていた。
夏とはいえキャミ姿で肩を出した服装。
「冷房がきついのかな」位にしか思わなかった。
エアコンを止めてもユキちゃんが「寒い」と言っていたので、俺たちはバスタブに湯を溜めて風呂に入った。
バスルームでいちゃつきながら口で1発抜いてもらって、ベッドで3発やった。
部屋にゴムは2個しかなかったので3発目は生だった。
ユキちゃんはスケベですごいテクニシャン。
3時間以上頑張って流石に疲れて、1時くらいには眠ってしまった。

215 傷 ◆cmuuOjbHnQ sage 2007/03/10(土) 00:09:17 id:WmdfX0hw0

どれくらい眠っただろうか。
俺は、耳元で爪を切るような「パチン、パチン」と言う音を聞いて目が覚めた。
隣で眠っているはずのユキちゃんがいない。
ソファーの上に畳んであった服もバッグもない。
俺が寝ている間に帰ったのか?
オールナイトで朝食も一緒に食べに行くはずったのに…
俺はタバコに火を付けようとしたが、オイル切れという訳でも、石がなくなった訳でもないのにジッポに火がつかない。
部屋にあった紙マッチも湿ってしまっているのか火が付かない。
俺はタバコを戻して回りを見渡した。
部屋の雰囲気が違う。
物の配置は変わらないのだけれど、全てが色褪せて古ぼけた感じ。
それに微かに匂う土っぽい臭い…
俺は全身に嫌な汗をかいていた。
体が異様に重い。
目覚ましに熱いシャワーでも浴びようと思って、俺はバスルームに入った。
シャワーの蛇口をひねる。
しかし、お湯は出てこない。
「ゴボゴボ」と言う音がして、ドブが腐ったような臭いがしてきた。
俺は内線でフロントに「シャワーが壊れているみたいなのだけれど」と電話した。
フロントのオバサンは「今行きます」と答えた。

216 傷 ◆cmuuOjbHnQ sage 2007/03/10(土) 00:10:25 id:OepwUrv70

俺は腰にバスタオルを巻いた状態で洗面台で顔を洗っていた。
すると、入り口のドアをノックする音がする。
ハンドタオルで顔を拭きながらドアの方を見ると、そこには全裸のユキちゃんが立っていた。
ユキちゃんの様子がおかしい。
目が黒目だけ?で真っ黒。
そして、左手には白鞘の日本刀を持っている。
「ユキちゃん?」と声をかけても無言。そのまま迫ってくる。
そして、刀を抜いた。やばい!
俺は部屋に退がりテーブルの上に合ったアルミの灰皿をユキの顔面に投げつけた。しかし、当らない。
いや、すりぬけた?
今度は胸元にジッポを投げつける。
しかし、これもすり抜けて?入り口のドアに当たり「ガンッ」と音を立てる。
ユキは刀を上段から大きく振り下ろした。
かわそうにも体が重くて思うように動かない。
俺は左手で顔面を守った。
ガツッ、どんっ!
前腕の半ばで切断された俺の左腕が床に転がる。
俺は小便を漏らしながら声にならない悲鳴を上げた。

217 傷 ◆cmuuOjbHnQ sage 2007/03/10(土) 00:11:22 id:WmdfX0hw0

床にめり込んだ切っ先を抜いて構えたユキは、更に左の肩口に刀を振り下ろす。
左肩から鳩尾辺りまで切り裂かれる。
俺はユキに体当たりしてドアの方に走る。
血に滑って足を取られながら逃げたけれど背中を切られた。
ドアを開けて外に逃げようとしたが鍵が閉まっている!俺は後を振り返った。
その瞬間、ユキが刀を振り下ろした。
首に鈍い衝撃を感じ、次の瞬間ゴンッという音と共におでこに強い衝撃と痛みを感じた。
シューという音と生暖かい液体の感触を右の頬に感じながら、俺は意識を失った。

218 傷 ◆cmuuOjbHnQ sage 2007/03/10(土) 00:13:14 id:WmdfX0hw0

俺は頭の先で「ガリガリ」と言う音を聞いて目が覚めた。
体中が痛い。
頭も酷い二日酔いのようにガンガンする。
音のする方をみるとユキがドアをガリガリ引っ掻いていた。
何時間そうしていたのかは知らないけれど、両手の爪は剥がれて血まみれ。
ドアには血の跡がいっぱい付いていた。
俺はユキの肩を揺すって「ユキちゃん」と声をかけたけれども、
空ろな目で朝鮮語らしい言葉でブツブツ言っているだけで無反応。
俺はユキを抱きかかえてベッドに運んだ。
ベッドにユキを横たえると俺は部屋を見渡した。
勿論、俺の首も左腕も付いてる。
部屋の内装も真新しい。
しかし、俺は恐怖に震えていた。
バスルームではシャワーが出しっぱなしになっていた。
入り口のドアの手前には俺が投げた灰皿とジッポライター。
ベッドの手前のフローリングの床には小便の水溜り…そして真新しい傷…
血痕とユキの持っていた刀は無かったが。
俺はPに携帯で連絡を入れた。
Pは1時間ほどで人を連れて来るという。
とりあえず俺はユキに服を着せ、シャワーを浴びた。
熱い湯を体がふやけそうなくらいに浴び続けた。
シャワーを出て洗面台で自分の姿を見た俺はまた凍りついた。
首と左肩から鳩尾にかけて幅5ミリ位の線状のどす黒い痣になっていた。
左腕も。
背中を鏡に映すと背中にもあった。
いずれも昨晩ユキに刀で切られた場所だ。

約束の時間に30分ほど遅れてPはデリヘルの店長とホテルの支配人?、若い男2人を連れてやってきた。
支配人はドアの爪痕を見て青い顔をして無言で突っ立っていた。
デリヘルの店長は火病ってギャーギャー喚いていた。
ユキは頭からタオルケットを掛けられ、2人の若い男に支えられながら駐車場へ向かった。
俺は、Pの車を運転しながら(Pは物凄く酒臭かった。泥酔状態で運転してくるコイツの方が幽霊よりも怖い!)、
昨晩起こった出来事をPに話し、お祓いすることを強く勧めた。
流石のPも俺の首と腕の痣を目にして納得したようだった。

220 傷 ◆cmuuOjbHnQ sage 2007/03/10(土) 00:16:40 id:WmdfX0hw0

1週間ほどしてPから連絡があった。次の月曜の晩にお払いをする。
現場を見るついでに俺の話しも直接聞きたいらしいから、霊媒師のオバサンに会って欲しいということだった。
俺の方も異存は無かった。
俺は約束の時間に待ち合わせの場所に行った。
霊媒師のオバサンは50歳ということだったが、割と綺麗な人だった。
Pに「ユキはどうした?」と聞くと、Pは「ぶっ壊れて、もうダメみたい。韓国から家族が迎えに来るらしい」
オバサンは俺の向かいの席に座り、俺の両手を握って俺の目を瞬きもしないで見つめた。
10分くらいそうしたか、無言で手を離すと、Pの家族も見たいと言う。
俺たちはPの車に乗ってPの実家に向かった。
オバサンはPの家の中を見て回り、俺のときと同じようにPのオヤジさんとお袋さんの手を握って顔を凝視した。
霊媒師のオバサンは、俺のときよりも更に険しい顔をしてPに「問題の部屋に連れて行って」と言った。
俺たちはPの車に乗って例のホテルに向かった。

221 傷 ◆cmuuOjbHnQ sage 2007/03/10(土) 00:18:38 id:WmdfX0hw0

車中では3人とも無言だった。
後部座席のオバサンは水晶の数珠を手に持って声を出さずに唇だけでブツブツ何かを唱えていた。
15分ほどで俺たちはホテルに着いた。
俺たちは車から降りた。
後部座席のドアが開いてオバサンが車から降りた瞬間、オバサンが手にしていた数珠がパーンと弾け飛んだ。
オバサンは顔に汗をびっしょりかいて怯えた様子で「ごめんなさい、これは私の手には負えない。
気の毒だけれど、ごめんなさい」と言って大通りの方に足早に向かって行った。
するとPは物凄い剣幕で「ふざけるな!金はいくらでも出すから何とかしてくれよ!」と叫びながらオバサンを追った。
オバサンはPを無視して早足で歩く。
すがり付くようにPは朝鮮語で泣きそうな声で喚きたてた。
しかし、オバサンはタクシーを捕まえて、Pを振り切って去って行ってしまった。

222 傷 ◆cmuuOjbHnQ sage 2007/03/10(土) 00:21:12 id:WmdfX0hw0

それから1ヶ月ほど経ったか?
俺は困り果てていた。
霊現象の類は無かったものの、ホテルで付いた痣が膿んで酷い事になっていた。
始めは化膿したニキビみたいなポツポツが痣の線に沿って出来る感じで、ちょっと痒いくらいだったが、
やがてニキビは潰れ爛れて、傷は深くなって行った。
ドロドロに膿んで痛みも酷かった。
皮膚科に通って抗生物質などの内服薬とステロイド系の軟膏を塗ったが全く効果は無かった。
そんな時にPから連絡があった。
今すぐ会いたいと。

223 傷 ◆cmuuOjbHnQ sage 2007/03/10(土) 00:25:06 id:WmdfX0hw0

たった1ヶ月会わなかっただけなのに、Pの姿は変わり果てていた。
Pは安田大サーカスのクロちゃんに似たピザだったが、別人のようにゲッソリとやつれていた。
肌の色はドス黒い土気色で、白髪が一気に増え、円形脱毛症だらけになっていた。
Pが消え入りそうな声で「よう」と声をかけてきた。
俺が「どうしちゃったんだよ?」と聞くとPは答えた。
Pは俺をホテルに迎えにいった晩から今日まで「あの部屋で」「毎晩」「斬り殺されている」らしい。
殺されて次に目が覚めたときには自分の部屋にいるのだけれど、
今いる自分の部屋より「あの」ホテルの部屋での出来事の方がリアルなのだと言う。
Pの話を聞いて俺もあの晩のことを思い出して嫌な汗をかいた。
変わり果てたPの様子、霊媒師に逃げられた晩の必死な様子にも納得がいった。
そして、1ヶ月もの間、毎晩あの恐怖に晒されながら正気?を保っているPの精神力に驚きを隠せなかった。
俺はPに「御祓いはしなかったのか?」と聞いた。
Pは答えた「祈祷師、拝み屋の類も色々回ったけど、これを見ただけで追い払われたよ。
あのババアに逃げられたってだけで会ってももらえないのが殆どだったけれどな」
そう言うと、Pは着ていたTシャツを脱いだ。
Pの体には俺と同じ、夥しい数の「傷」があった。
膿んで深くなったもの、まだ痣の段階のもの…

224 傷 ◆cmuuOjbHnQ sage 2007/03/10(土) 00:31:44 id:WmdfX0hw0

Pの話だと、俺たちの傷は医者に治せる類のものではないらしい。
放って置けば傷はどんどん深くなり、やがては死に至ると…
そして、「祟り」の性質から、普通の拝み屋や祈祷師には手は出せないらしい。
だが、Pのオヤジさん、商工会の会長の伝で朝鮮人の起した祟りや呪といったトラブルを解決してくれる
「始末屋」がいるらしい。
Pはその始末屋のところに一緒に来いと言う。
そこに行けば3ヶ月から半年は戻って来れないという。
俺は迷った。
しかし、あのホテルでの出来事や傷の事、Pの様子から俺は腹を括った。
俺は勤め先に辞表を出して、Pと共に迎えの車に乗った。

その紹介された「始末屋」がマサさんだった。

半年間、俺たちはマサさんの下で過ごし、「機」を待った。
色々と恐ろしい思いもしたが、半年後、事件は解決した。
事件の解決についてはマサさんの下での生活の話しを読んでもらわなければ判りにくいと思う。

306 傷(2) ◆cmuuOjbHnQ sage 2007/03/10(土) 19:01:31 id:WmdfX0hw0

迎えの車が来る前に、俺たちは付き添いのキムさんの用意してくれた黒いスウェットのパンツとトレーナー、
サンダル履きの身一つの状態にされた。
そしてキムさんの車に乗って出発。
高速に乗って二つ先のインターで降りた。
車はインター近くの大型電気店の駐車場に入った。
キムさんは俺たちに便所に行って来いと言った。
車に戻ると後部座席に座らされ、薬を飲むように言われた。
睡眠薬だと言う。
俺たちはキムさんの言葉に従った。薬を飲んで暫くすると睡魔が襲ってきた。

目が覚めたとき、俺たちは工事現場などのプレハブ事務所のような建物の床に転がされていた。
少し離れた所に体格の良い40代位の男が胡坐をかいて座っていた。
この男がマサさんだった。

307 傷(2) ◆cmuuOjbHnQ sage 2007/03/10(土) 19:04:40 id:WmdfX0hw0

俺が体を起すとマサさんは無言で冷蔵庫を開けペットボトルの水をわたした。
喉が焼け付くように渇いていた俺は2L入りのペットボトルの半分以上を一気に飲み干した。
やがてPも目を覚ました。
Pが水を飲み終わるとマサさんが始めて口を開いた。
マサ:「カンさんから話しは聞いている。私の方で調べて状況も判っている。
私の指示には絶対に従ってもらうが、判らない事があれば聞いてくれ。
長い付き合いになる、遠慮はしなくていい。仕事に差し支えない範囲で要望も聞こう」
俺:「随分と回りくどい連れてこられ方をしたが、何か意味はあるのか?」
マサ:「君たちに取り憑いているのは一種の生霊だ。
そっちの兄さんの実家とホテルの部屋を浄化した水を君達に飲んでもらった。
キムさんの家に泊まって飯を食っただろう?ガッチリと取り憑いてはいるが、念には念をってやつだ」
P:「ふざけるな、何でそんな真似を!」
マサ:「生霊って奴は案外視野が狭い。取り憑いたら人にせよ場所にせよ、それしか目に入らない。
君等がキムさんの所にいる間にホテルと実家に結界を結んだ。
他に行き場のない生霊は君たちに取り付いているしかないが、君達がここに来るまでの道程も、
帰る道も判らないように、生霊にも間の道はわからない。
とりあえず呪いも祟りも君達止まりで、君等が取り殺されない限りは他に害は及ばないよ。
家族が助かったんだ、問題ないだろう?」
…あまりの言葉に俺たちは絶句してしまった。…問題大有りだろ!

308 傷(2) ◆cmuuOjbHnQ sage 2007/03/10(土) 19:07:10 id:WmdfX0hw0

言葉を失ってしまった俺たちにマサさんは服を脱げと言った。
もう、まな板の上の鯉の心境。
俺たちはマサさんの言葉に従った。
マサさんはバリカンと剃刀を持ってきて、俺たちの髪の毛と眉毛を剃り落とした。
そして、筆と赤黒い酢のような臭いのする液体を持ってきて、
腹ばいに寝かせた俺たちの背中に何かを書き出した。
乾いた文字を見ると十字型に並べられた5文字の梵字だった。
P:「何ですか、これは?」
マサ:「耳無し坊一の話は知っているかい?」
俺:「平家の亡霊から姿を隠す為に全身に経文を書いたのでしたよね?
これは俺達に取り憑いた生霊とやらから身を隠す呪文か何かですか?」
マサ:「ちょっと違うね。まあすぐに判る。この液体は皮膚に付くとちょっとやそっとでは落ちないけれど、
これから行く所では護符が消えると命の保障は出来ないよ。薄くなったらすぐに書いてあげるから気を付けてね」
マサさんは俺たちの髪の毛とシェービングフォームを拭き取ったタオル、
着てきた服とサンダルを火の入った焼却炉に放り込むと、腰にタオルを巻いただけの俺たちを車に乗せた。

310 傷(2) ◆cmuuOjbHnQ sage 2007/03/10(土) 19:08:09 id:WmdfX0hw0

車に乗ると俺達はアイマスクをさせられた。
暫く走ると舗装道路ではなくなったのだろう、車は酷く揺れた。
砂利道に入って5分もしないうちに車は止まった。
マサさんは俺達に少し待てと言った。
車外からはハンマーで鉄を打つような音が聞こえてきた。
実際、長さ50cm、直径5cm程の鉄の杭を地面に打ったのだという。
鉄杭を打つ事で地脈を断ち切り、外界とこの敷地を切り離しているのだと言う。
この敷地にはこの様な鉄杭が他に7本打たれているとマサさんは語った。
この敷地自体が一種の結界なのだと言う。
俺達はこの敷地から一歩たりとも足を踏み出す事を禁じられた。

311 傷(2) ◆cmuuOjbHnQ sage 2007/03/10(土) 19:09:27 id:WmdfX0hw0

敷地の中には普通の民家と大きな倉庫のような建物があった。
民家と倉庫の間に立って、マサさんが敷地の奥の方を指差した。
岩の低い崖の手前に小さな井戸のようなものがある。
実際それは深い井戸らしい。直径は60cm程でさほど大きくはない。
その上には一抱えほどもある黒くて丸い、滑らかな表面をした、直径80cmほどの天然石で蓋がしてあった。
井戸の周りには井戸を中心に直径180cmの円上に八方に先程と同じ鉄杭が打たれていると言う。
マサさんは井戸には絶対に近づくな、出来る限り井戸を見るな、井戸のことを考えるなと言った。
井戸に引かれるのだと言う。そして、もし万が一、井戸に引かれる事があっても鉄杭の結界の中に入るなという。
Pがあれは何だと尋ねた。
マサさんはこう答えた。「地獄の入り口だ」と。
季節はまだかなり暑い時期だった。
山に囲まれてはいるが、それほど山奥と言う感じではない。
まだ日も高く、日差しも強い。
しかし、この敷地に入って車から降りた時から何かゾクッとする寒気のようなものを感じた。
流石に、俺にもPにも判っていた。
この土地の「寒気」の中心があの井戸であることが…

312 傷(2) ◆cmuuOjbHnQ sage 2007/03/10(土) 19:11:51 id:WmdfX0hw0

まあ、この時には聞かなくても判っていたのだが、俺はマサさんに聞いた。
「背中の護符はあの井戸の中身から俺達の身を守るものなのですね?」
マサ:「そうだ。けれども、あの井戸があるから、君らに憑いた悪霊も君達に手出しする事は出来ないのだ。
君達を取り殺して、結界の中で一瞬でもあの井戸の前に晒されれば、たちまち取り込まれて、
井戸の中の悪霊と一体化してしまうからね。井戸の悪霊は君達の中の悪霊を取り込もうとして引き付ける。
一緒に引き込まれないように気を付けてくれ」

314 傷(2) ◆cmuuOjbHnQ sage 2007/03/10(土) 19:14:08 id:WmdfX0hw0

民家はマサさんの居宅だった。
家の中で俺たちは藍染めの作務衣のような服を渡されて着た。
マサさんは妙に薬臭いお茶を飲ませてから俺達に言った。
「その傷を何とかしなくちゃな」
傷の事を言われて始めて気がついたのだが、不思議なことに、この禍々しい土地に入ってから、
あれほど痛んだ傷の痛みはそれほどでもなくなっていた。
俺はそのことをマサさんに話した。
Pも「実は俺もだ」といった。
マサさんは言った。
本来、霊には生霊も死霊も生きている人間の肉体を直接傷付ける力はない。
殆どが怖い「雰囲気」を作るだけ。
相当強い「念」を持った霊でも「幻影」を見せるのが精一杯なのだと言う。
「祟り」で病気になったり、事故に遭ったりするのは祟られた人間の精神に起因する。
「雰囲気」に飲み込まれた人が抱いた「恐怖心」が核になり、雪だるまのように負の想念が大きくなって、
そのストレスにより精神や肉体、或いはその行動に変調を来した状態が「霊障」と呼ばれるものの大部分なのだと言う。
こういった「霊障」の御祓いは、所謂「霊能力者」や正しい儀式でなくとも、
「御祓い」を受ける被験者に信じ込ませる事が出来れば誰にでも出来る催眠術の類らしい。
しかし、俺達の場合は違うのだと言う。

316 傷(2) ◆cmuuOjbHnQ sage 2007/03/10(土) 19:18:34 id:WmdfX0hw0

マサさんは俺がユキに斬られた晩の話を聞き、ホテルの部屋を確認したという。
そして、フローリングの床を確認した。
ユキが刀の切っ先をめり込ませた作った傷があり、
俺が投げたライターか灰皿が当って出来たであろう部屋の入り口のドアの小さな凹みと塗装のはがれも発見したと言う。
出しっぱなしになっていたシャワーや小便の水溜りがあった話から、俺達の傷は所謂「霊体」に深手を負わされ、
それが肉体に反映したものだと判断したのだと言う。あの晩の出来事も、Pの体験も夢ではなかったのだ!
そして、そのことから、俺たちの霊体を斬った生霊の背後には「神」とでも言うべき霊格の高い存在が付いているのが判るのだと言う。
でなければ、肉体に外傷として現れるような深手を生きた人間の霊体に負わせることは不可能なのだ。
こういった霊格の高い存在が背後にある場合、祟られたのが朝鮮人の場合、
ごく例外的な場合を除いて通常の除霊も浄霊も不可能なのだと言う。
朝鮮人は「神」の助力を、特に日本国内では得られないのだという。
「個」や「家」ではなく、「血族」を重視する朝鮮人は祖先の「善業」も「悪業」も強くその子孫が受け継ぐのだそうだ。
朝鮮は遥かな過去から大陸の歴代王朝や日本の支配を受けてきた。
そして、同族を蹴落としながら支配者に取り入りつつ、その支配者に呪詛を仕掛け続けてきたのだ。
「恨」という朝鮮人の心性を表す言葉は、朝鮮人の宿業でもあるのだ。
自らを「神」として奉る民族や国家、王朝を呪う者に助力する「神」はいない。
そのような者への助力を頼めば逆にその神の逆鱗に触れかねない。
Pが、御祓いを頼みに行った祈祷師たちに悉く拒絶されたのはその為だったらしい。
「まあ、そのお陰で私の商売も成り立つのだけどね」とマサさんは笑った。

318 傷(2) ◆cmuuOjbHnQ sage 2007/03/10(土) 19:20:30 id:WmdfX0hw0

朝鮮人を守ってくれる神様はいないのですか?とPが聞いた。
マサさん曰く、「神」の助力を得るには長い時間をかけた「信仰」ってヤツが必要なのだそうだ。
いや、長い時間を重ねた信仰が「神」を作ると言ってもいい。
朝鮮は支配王朝が変わるたびに文化を変え、信仰まで変えてきた。
しかも、同族同士で呪詛を掛け合っても来た。
民族の「神」がいない訳じゃないけれど、その霊格は高くなりようがない。
儒教は厳密な意味で宗教ではない。
キリストは「神」だけれど、孔子は「神」ではない。
日本や中国と同じ神仏の偶像はいっぱいあるけれど「神」には「なっていない」。
だから朝鮮では、生贄を利用する蟲毒のような「呪詛」、
地脈や方位を巧みに操って大地の「気」を利用する「風水」が発達したのだという。
そして、民族全体が共通して信仰する霊格或いは神格の高い「神」を持たないが故に、
生きた人間が神を僭称し、時に多くの民衆の信仰を集めてしまうのが朝鮮の病弊なのだ。
朝鮮人はある意味、異常な民族なのだという。

320 傷(2) ◆cmuuOjbHnQ sage 2007/03/10(土) 19:25:01 id:WmdfX0hw0

話しは戻って、何故俺達の「致命傷」とも言える「霊体」の傷は、この禍々しい土地で癒えつつあるのか?
マサさんは「私の推測も入るが」と断りつつ語った。
俺たちに憑いている悪霊を「生霊」と判断したのは、マサさんに繋ぎを付けてくれた商工会の調べで、あのラブホテルのある土地の元の住人を探し当てたからだ。
あの土地に住んでいた住人はバブル期に作った借金が元で、抵当に入っていた不動産を失った。その家は江戸時代から続く旧家だったらしい。
建物を取り壊した工務店の話では祠や神社の類はなかったが、家の中に立派な神棚があったらしい。
建物は抵当割れで解体費用も出ず塩漬けされ、P家が買い取りラブホテルを立てるまで放置されていたそうだ。
そして、住人は意外な所にいた。
その家のすぐ近所の賃貸マンションに、元の持ち主の一人娘が住んでいた。
娘は両親が死亡する前に連帯保証人となっており、多額の借金を返す為に、
なんとP家の経営する風俗店で働いていたのだ!
女のマンションの部屋からは問題のラブホは良く見えるらしい…
マサさんは「あくまでも推測だが」おそらく、その女の家では神社か祠を代々祀っていたのだろう。
刀を祀った祠だったのではないか?
それが風水害や地震・戦災などで喪われ、女の両親、
あるいはそれ以前の代の家の者の手によって神棚に移し替えられ祀られていたのだろう。
その刀ないし「神」は長い年月をかけて祀られ続ける事でその家の「守護神」となっていたのであろう。
生霊として俺達に「封じられている」娘は、俺たちが死ぬと井戸の悪霊に吸収されて確実に命を失うだろう。
そうすれば他に「祀る者」を持たない、祠や神棚といった形も失った「守護神」は時間の長短はあってもやがては消え去ることになる。
また、本件においては「守護神」と「生霊」が一体化しているようにも見える。
そうすると娘の霊と共に「井戸の悪霊」に飲み込まれる可能性もある。
それを避ける為に俺達の傷を癒した。
俺達の傷は「守護神」の力によるもの。治すのは雑作もないと…

321 傷(2) ◆cmuuOjbHnQ sage 2007/03/10(土) 19:29:30 id:WmdfX0hw0

マサさんの話の宗教観ないし心霊観は正直、俺にはピンと来なかった。
ここに書いた話も正確に再現できているのか心許ない。
ただ、傷が楽になってきているのは確かなので、そんなものなのか、
そんな考え方もあるのだなと思った。

マサさんの話では、「内」の傷が治っても「外」の傷はそのままでは治らない。
そのまま放置すると「井戸」の影響で「外」の傷から「内」を侵されてしまう。
傷は早急に治さなければならない。
マサさんは家の表に出て一斗缶の中に火を起し、鉄の中華鍋のようなものを炙り始めた。
やがて鍋が焼け、鉄の焼ける独特なにおいがしてくると、鍋の中に白い粉末を入れた。
石臼で擦った「塩」らしい。それを一斗缶の火が消えるまで何かを唱えながら混ぜ続けた。
火が消えると黄色い粉末を一つまみ塩に振りかけた。「硫黄」だという。
鍋を缶から下ろすとペットボトルに入った水を鍋の中に注いだ。
塩の量が多くて全然溶け切っていなかった。
マサさんは俺達に服を脱げと言った。
猛烈に嫌な予感がした。そして、予感は的中した。
マサさんは、手で掬った「塩」を俺達の傷に塗りつけ、物凄い力で擦りつけた。
湿って乾き切っていない瘡蓋とも膿みの塊ともつかないものが剥がし取られた。
酷くしみる。焼けるようだ。
傷の数も面積も大きいPは目を真っ赤にして声も出せないようだ。
マサさんは鉄鍋の中身がなくなるまで交互に擦りこみ続けた。
その晩はひりひりと痛んで眠る事も出来なかったが、あれほど治らなかった傷は3日ほどで瘡蓋が張り、
更に1週間ほどで綺麗に治ってしまった。

588 傷(3) ◆cmuuOjbHnQ sage 2007/03/12(月) 03:53:53 id:WgOItSsC0

マサさんの話によると、死霊や自縛霊といったものは、鉄杭で七方の地脈を絶って、
一方向を開けて、霊格や神格の高い神社仏閣との間の地脈を開いて繋げる事で、
1年ほどで浄化されてしまうらしい。
浄化された土地に、お寺から貰ってきた護摩や線香の灰や神社から貰ってきた水を撒いて
鉄杭を抜けば「普通の」土地になるらしい。
呪詛には呪詛返しの方法があり、生霊は、祟っている方か祟られている方のいずれかが死ねば
それまで(…なんだかな~)。
色々方法があるらしいが、人形などの身代わりと火を使う方法が良く使われるのだという。
この辺りは日本も朝鮮もやり方は大差ないらしい。
元々、日本の神道の形式と朝鮮の呪術や儀式の形式は良く似たもの多いのだそうだ。
故に日本の祈祷師や拝み屋と朝鮮のそれは素人目には区別がつかないことも多いのだという。
俺にはどちらも良く判らないのだが。
生霊が「場所」に憑くというのは比較的、珍しいらしいのだけれども、
多くの場合は上記の自縛霊に用いた方法と人形を用いた方法の合わせ技で浄化できるのだそうだ。

589 傷(3) ◆cmuuOjbHnQ sage 2007/03/12(月) 03:57:04 id:WgOItSsC0

いずれにしても、これらはマサさんの仕事の範疇ではないらしい。
マサさんが扱うのは、儀式を踏まないで神社や祠を破壊して「神」を怒らせてしまったり、
盗まれてきた神社の「御神体」や寺の「ご本尊」を知らずに買ってしまって、
「一族」が根絶やしにされるような祟りを受けた場合だそうだ。
話を聞いた時「そんな罰当たりな真似をする奴がいるのか?」と聞いたら、
朝鮮人には神社仏閣に盗みに入って盗品を売り捌いたり、神社や祠に火を放ったり破壊したりする輩が
今でも少なからずいるそうだ。
自分の中に「神」を持たない故に、他人や他民族の宗教や信仰に対する配慮や、
その対象に対する「畏れ」に著しく欠けているのだと言う。
「畏れ」のあるなしに関わらず、そんな真似をすれば日本人でも地獄行き確実で救い様がないけれど、
先日書いたように高位の「神」の助力が得られない朝鮮人の場合は更に深刻で、
一族全てが祟られて絶えてしまう危険があるらしい。

一族を絶やすようなレベルの祟りになると地脈や鉄杭を用いた方法では
浄化以前の「鎮める」段階で100年、200年といった時間がかかってしまうし、
一族に祟りが行き渡り絶えてしまう。
特に祟りの元となったもの、祈りや信仰の対象であったものを「物」として「金で買う」と言う行為は、非常に強い祟りとなるそうだ。
霊力の高い品物だと移動する先々で祟りを振りまき、「売買」される事により纏った「穢れ」により、非常に性質の悪い悪霊となってしまうのだそうだ。
だから、出所不明のアンティークの品物、特に宗教に関わる品物は売り買いしない方が良いらしい。

590 傷(3) ◆cmuuOjbHnQ sage 2007/03/12(月) 03:59:00 id:WgOItSsC0

マサさんが「祟られ屋」だと言うのは、金銭やその他の「対価」を受け取って儀式(内容は判らない)を行い、
その「一族」の代わりにマサさんの「一族」が祟りを受けるからだ。
マサさんと例の「井戸」は「繋がって」いて、マサさんを通して井戸に送り込まれた「祟り神」は
祟りや呪だけを井戸の「悪霊」に吸い取られ、結界の外に拡散してゆくのだと言う
(井戸の中にはマサさんの父親の遺髪と血、マサさんの髪の毛と血と臍の緒が入っているらしい。
これは聞き出すのに苦労した)。
鉄杭の結界は「神」や「清いもの」は外に通すけれども、「穢れ」や「悪霊」は外へは通さない
(外からは引き寄せているらしい)。
簡単に言うとそんな原理らしい。

591 傷(3) ◆cmuuOjbHnQ sage 2007/03/12(月) 04:02:04 id:WgOItSsC0

マサさんがPと俺を呼び寄せたのは、Pの一族(父方)は朝鮮半島にいた親類縁者が朝鮮戦争で死に絶えてしまっており、
Pは一人っ子で、Pが死ぬとP一族が絶えてしまうかららしい(母方の一族、嫁いで家を出た女は関係ないそうだ)。
俺がPと同様に呪われた原因は、Pから祟りに関連して金銭を受けたことによるらしい。
ただ、事故や病気(癌や心筋梗塞、脳溢血)といった形ではなく、外傷という形で現れた非常に稀なケースらしい。
そして、生霊と女の家の「守り神」がどうやら一体化しているらしいこと。
「神」の霊力も強いが、生霊を飛ばしている女の「霊力」が非常に強いらしい。
しかるべき修行をすればテレビに出ているインチキ霊能者が束になって掛かっても適わないレベル。
その霊力ゆえに「神」と一体化したとも言える。
P家に売り込みに来た祈祷師のオバサンも、市井にいる祈祷師・霊能者の中で、
彼女よりも強い霊力を持つ人は10人いるかどうかというレベルの力を持った人だそうだ。
ただ、傷を受けた原因は俺とPの個人的要因もある。
俺はユキと何度も交わる事により精力や「気」を極度に浪費していた事、Pは深酒をして酒気も抜けていないような状態で、
しかも寝不足で、俺と同様に非常に「気」の力が落ちていたことだ。
俺達のように極端な例は稀だが、薬物や大量のアルコールで精神のコントロールや気力が下がった状態、
荒淫によって精力を浪費した状態で心霊スポットなどに足を踏み入れる事は「祟り」や「憑依」を受ける危険や可能性が
非常に高くなって危険なのだと言う。

俺の拙い文章に付き合ってくれてありがとうね。
マサさんの所で起こった出来事や、マサさんに聞いた話を書きながらだと、この話、
いつまで経っても終わりそうにないので、「傷」と女の話に話を絞って書きます。
それでも長くなるけれど。
他の話は別の機会に書きたいと思います。
もう少しだけお付き合い下さい。

636 傷(4) ◆cmuuOjbHnQ sage New! 2007/03/13(火) 00:48:12 ID:0uC8VoME0

マサさんの話によると、「生霊」を飛ばすと言う事は「精力」や「気」といった「生命力」を酷く消耗するらしい。
毎晩フルマラソンを走るくらいの負担が心身に掛かり、確実に本体の命を削り取って行くのだと言う。
普通の人ならば、一月で体調を崩し、三月もすると回復不能なダメージを負ってしまうのだそうだ。
しかも、これは毎晩生霊を「飛ばす」場合。
本体に生霊が戻る事で、生霊の霊力も本体の生命力もかなり元に戻るらしい。
それでも、削られる生命力は深刻らしいのだが。
だから、「結界」内に生霊を閉じ込められて、本体に戻れなくされた女がどんなに強い霊力の持ち主であっても、
そう長くは持たないはずだったらしい。
しかも、女の生霊はあの井戸に少しづつ「吸い取られて」いて、消耗のスピードは更に速まるはずだった。
はじめ「3ヶ月から半年」という期間を示したのは、Pと俺に「娑婆」から離れる覚悟を持たせるのと、
元いた生活に「心」を残させない為だったらしい。
傷が治った時点で、ほぼ全てが終わる予定だったのだ。

638 傷(4) ◆cmuuOjbHnQ sage New! 2007/03/13(火) 00:50:28 ID:0uC8VoME0

しかし、傷が治って来た時点で話が変わってきた。
女の生霊が消えないのだ。
女の生霊と一体となっている「守護神」は女の霊力を強めてはいても直接「生命力」を強める事はないそうだ。
女はとっくの昔に生命力を使い果たし、霊力を「井戸」に吸い尽くされて命を落として「井戸の中身」の一部に
なっているはずだったのだ。
悪霊が消えない限り俺たちを結界の外に出す事は出来ない。
しかし、どうやら先に俺達の方が危なくなってきたらしい。
背中に書かれた護符の力で守られてはいるが、マサさんが「引き込まれるな」と最初に注意したように、
俺たちもまた「井戸」に霊力や生命力を削り取られているのだ。
事実、70kg台だった俺の体重は60kg前後まで落ち込んでいた。
Pの痩せ方はもっと激しく、100kgを超えていた体重が70kgを割りそうな勢いだった。
このままだと生霊が消える前に俺達の方が先に命を落とす。
しかも、この地で死ねば俺達の魂は井戸の中身の悪霊と一体化してしまうというのだ。
マサさんのところに来てからは連日連夜、恐ろしい思いをしていた。
全てがあの井戸絡み。
命を落とすのは、まあ我慢が出来る(うそ、絶対にいや!)。
しかし、あの井戸の中身になるのは死んでも嫌だ!!!
俺達は悪霊との持久戦に入った。
俺達はマサさんの下で「気力・精力」と「霊力」を高める初歩的な修行をさせられる事になった。
これは、完全に予定外だったらしい。
この為、俺達は一生この手の「霊体験」からは逃れられない「体質」になるらしい。
身を守る方法は教えて貰ったけれどね(サービスだそうだ)。
修行の内容などについては機会を改めて書きたいと思う。

640 傷(4) ◆cmuuOjbHnQ sage New! 2007/03/13(火) 00:52:40 ID:0uC8VoME0

3ヶ月目に入ったとき、マサさんも流石に焦ってきたらしい。
いくらなんでもこんなに持つはずがないと。
男と女では体の造りが違うように、気の性質も違うそうだ。
セクースした時に男は気力や精力を放出し、女は本能的に男から精力を吸収しているそうだ。
これは他の動物も一緒で、最も極端な例は交尾の後に雌が雄を捕らえて食べてしまう蟷螂だそうだ。
子供を体内で育て、あるいは卵を産む「雌」の普遍的な本能。
セクースした翌日、男はぐったりしているのに女は元気が良くなるのはこの精力のやり取りによる。
(オナニーで一日4・5発抜いても平気なのに、女と1発やっただけで翌日グッタリしてしまう事があるのは
このせいか!と妙に納得した)
それ故に女は男よりも霊力も生命力も強く、生霊や幽霊の類も女の方が圧倒的に多いらしい。
ただ例外もある。
女は絶頂を迎える瞬間だけ気の方向が吸収から放出の方向に変わるそうだ。
この瞬間に女の気を吸収する技法が存在する。
マサさんによると「キンタマ~ωで女の気を吸い取る」らしい。
精気を吸い取られる瞬間に感じる快感は男女共に非常に強いものらしい。
(確かにオナーニよりセクースでイク時の方が気持ちイイよね)
その快楽は時に人を虜にする。
「色情狂」とは、元々の精力が強い人が、精力を放出し吸収される快感に囚われた状態であるらしい。

642 傷(4) ◆cmuuOjbHnQ sage New! 2007/03/13(火) 00:54:35 ID:0uC8VoME0

話を戻そう。
マサさんは女の生命力が尽きない理由は、女が「風俗嬢」として毎日、数多くの男と交わっているからだと
考えていた。
しかし、例え毎日10人以上の男と交わっても、これ程までには持つはずはないのだという。
これは、ある種の「行」や「技法」を用いて数多くの男から精力を「奪い取っている」と考えなければ説明が
つかない。
しかも、これ程のレベルで精力を吸い取られた男は一度で体を壊し、それでも快楽に囚われて命を落とすまで
女の下に通い続けるだろうと。
しかし、そうなると、これは恨みや呪いの「念」により「無意識」に飛ばされる生霊ではなく、意識的に相手を呪う
「呪詛」の範疇なのだという。
だが、俺達に憑いているのは「生霊」であって「呪詛」ではない。
俺たちがマサさんのところに来て半年が経とうとした時に、マサさんは俺達に言った。
これから女の所に行くと。
俺に女の所に一緒に付いて来いと。

643 傷(4) ◆cmuuOjbHnQ sage New! 2007/03/13(火) 00:56:09 ID:0uC8VoME0

俺はマサさんにそれは危険なのではないかと言った。
悪霊はかなり弱くなっているが、本体に戻れば相手の霊力・生命力から考えて元の木阿弥に
なってしまうのではないかと。
…俺、取り殺されちゃうよ(((( ;゚Д゚)))ガクガクブルブル
マサさんは言った。
Pは、自分と俺の「祓い」の為に2人分、2000万円のカネをマサさんに支払っている。
俺を「事件」に巻き込んだのはPだが、金を出す事でPは俺に対する義理を果たし、この事件に関して
俺に対する「因縁」は消えている。
しかし、俺はマサさんに金を支払った訳ではなく、マサさんに対する借り、「因縁」が残っているという。
場合によっては命を落とす危険もあるが「因縁」を消す為にも協力してもらうとマサさんは言った。
Pはマサさんと俺が女に会いに行って帰るまで、道場(敷地内にあった倉庫のような建物)で、
柱に錠と鎖で繋がれた状態で篭る事になった(井戸に引き摺り込まれない為)。

644 傷(4) ◆cmuuOjbHnQ sage New! 2007/03/13(火) 00:57:04 ID:0uC8VoME0

俺は半年目にして初めて敷地の外に出ることになった。
門の外にマサさんの車がある。
俺は手渡されたアイマスクをして、目を閉じて結界を越えた。
粘り付くような、厚いビニールの膜を押し破るような強い抵抗を感じた。
マサさんに習った「技法」に従って、丹田から両手に「気」を集めて熱を持たせ、
その手で「膜」を破って俺は結界の外に出た。
結界の外に出た瞬間、俺は意識を失った。

645 傷(4) ◆cmuuOjbHnQ sage New! 2007/03/13(火) 01:01:17 ID:0uC8VoME0

気が付いた時、俺は車の中だった。
運転しているのは行きに付き添ってくれたキムさん。
頭がガンガンする。
酷い船酔いをしたときのように目が回って気持ちが悪い。
「調息」を試みたが全く効果がない。
今にも吐きそうだ。
俺はマサさんに渡されたビニール袋に大量に吐いた。
吐いた後、暫くすると鼻血が出てきた。
「もう少しだから我慢しろ」とマサさんが言う。
キムさんがマサさんに「この兄さん、持たないんじゃないか」と言う。
マサさんが「一通りのことは出来るから大丈夫だ。手伝ってくれ」と答えた。
やがて車は狭い空き地に着いた。
車が一台止まっている。
行きに乗ってきたキムさんの車だ。
若い男が車外でタバコを吸っている。
キムさんに指示されていたのだろう、2L入りのミネラルウォーターのペットボトルが
2本入ったビニール袋をマサさんに渡した。
マサさんはボトルの中身を捨てると神社?の階段を昇って行った。
キムさんは、俺を神社の階段の前の石畳の上に寝かせ、頭頂部と胸に手を当てて、
半年間毎朝行ってきた瞑想と呼吸法が合わさったものを行うように言った。
キムさんの手を通じて頭から冷たい気、胸からは熱い気が入ってきた。
やった事がなければ判らないが、両手に冷・熱両方の気を通す事は非常に難しい。
俺やPなどは「熱」は作れても「冷」の方は殆ど出来ない。
キムさんも俺たちと同様の修行をしたことがあり、恐らくは今でも継続していて高いレベルにあるのだろう。

646 傷(4) ◆cmuuOjbHnQ sage New! 2007/03/13(火) 01:01:50 ID:0uC8VoME0

暫くするとマサさんが水の詰まったペットボトルを持って階段を下りてきた。
どうにか落ち着いてきた俺は一本目のペットボトルの水を鼻から飲み込み、
限界まで飲み込んだら吐き出すということを3回繰り返した。
2本目のボトルの水は、マサさんとキムさんが、俺の全身に吹き付けた。
それが終わると俺は階段を昇って神社の境内に入り、「激しい」呼吸・瞑想法を行った。
3時間ほど続けると俺は完全に回復した。
若い男が用意してあったGパンとTシャツ、パチ物のMA-1のジャンパーを着て車を乗り換えて俺達は出発した。

647 傷(4) ◆cmuuOjbHnQ sage New! 2007/03/13(火) 01:03:01 ID:0uC8VoME0

キムさんの家で丸三日休み、俺とマサさんは女のマンションの部屋に向かった。
女はここ暫く出勤していないそうだ。
女の在宅はキムさんの方で確認済みだった。
マサさんがインターホンを鳴らす。
訪問は伝えてあったのだろう、女は俺たちを部屋に招き入れた。
女はやつれていたが、かなりの美人だった。
ちょっと地味だが清楚で上品な雰囲気。
とても風俗で働くタイプには見えない。
やつれて憔悴してはいたが、目には強い力が在った。
非常に綺麗で澄んだ目をしていて、見ているだけで引き込まれそうな魅力がある。
凄まじい霊力を持っていると言われれば納得せざるを得ないものがあった。
しかし、この女からは人を恨むとか呪うといった「邪悪」なものは微塵も感じられなかった。

648 傷(4) ◆cmuuOjbHnQ sage New! 2007/03/13(火) 01:06:52 ID:0uC8VoME0

ドアを開けたとき女はギョッとしたような顔をしていた。
マサさんと話しをしている時も俺のことをしきりと気にしている様子だった。
思い切って俺は女に理由を尋ねてみた。
女は震える声で語った。
女の話では、ホテルが建って暫く経った頃から、昔住んでいた家の夢を良く見るようになったそうだ。
家の中には幼い自分一人しかいなくて、家族を探して広い家の中を歩き回るのだと言う。
そして、いつの間にか目が覚めて、涙を流しているのだと言う。
ある晩、酷い悪夢を見たそうだ。
風呂場と自分の部屋で繰り返し、何度もレイプされたのだという。
夢と現実の区別が付かないほどリアルな夢だったそうだ。
気が付いた時、自分の手に刀が握られていたそうだ。
彼女は恐怖と怒りや憎しみで我を忘れて、彼女を犯した男を切り殺したと言う。
その男が俺だったと言うのだ。
それ以来、彼女は毎晩悪夢に襲われるようになった。
客に付いた男達が彼女を酷いやり方で襲ってくるのだという。
彼女が恐怖と絶望の絶頂に達した時に手に刀が握られていて、彼女は恐怖と怒りに駆られて、
我を忘れて刀を振るったのだと言う。
しかし、その悪夢は一月ほどすると見なくなったと言う。
その代わりに急に体調が悪くなり、仕事中にボーッとして、接客中の記憶をなくしてしまうことが多くなった。
生理も止まってしまったらしい。
また、彼女は暫くすると新しい悪夢を見るようになったそうだ。
目の前に小さな男の子が2人いて、自分はいつもの刀を持っている。
そして、鬼の形相の亡くなった父親が彼女を棒や鞭で叩きながら目の前の子供を斬り殺せと責める。
父親の責めに負けて刀を振るおうとすると母親の声がしてきて止められるのだという。

649 傷(4) ◆cmuuOjbHnQ sage New! 2007/03/13(火) 01:09:57 ID:0uC8VoME0

マサさんは女に「あなたのお父様は自殺なさったのではないですか?お母様もそのときに一緒に亡くなられたのではないですか?」と尋ねた。
マサさんが言うとおり、彼女の両親は彼女の父親の無理心中により亡くなっていた。
彼女の父親は朝鮮人に対して激しい差別意識を持って嫌っていたらしい。
しかし、彼女の父親に金を貸したのは在日朝鮮人の老人だったそうだ。
彼女の祖父に戦前世話になった人物で、破格の条件で金を貸してくれていたそうだ。
バブルの絶頂期、手持ちの株などを処分すれば、それまでの借金は十分に返せたと言う。
彼女の母親も強く返済を勧めていたそうだ。
しかし、彼女の父親は「朝鮮人に金を返す必要などない。家族のいない爺さんがくたばればチャラだ」と
借金を踏み倒す気でいたらしい。
彼女の父親の話は聞いていて胸糞の悪くなる話ばかりだった。
彼女も母親は慕っていたが父親の事を嫌っていたようだ。
バブルが弾け彼女の家の資産は大きなマイナスとなった。
マイナスを取り返そうとした父親は悪あがきをして更に傷口を広げた。
金策が尽きた父親は老人に更なる借金を申し込んだが、断られた。
その過程で彼女も借金の連帯保証人となった。
彼女の父親は娘を連帯保証人にしても当たり前で、借金を断った老人と朝鮮人を呪う言葉を吐き続けたそうだ。
間もなく老人は亡くなり、相続した養子も不況の煽りで破産した。
老人の持っていた債権は悪質な回収屋の手に渡った。
土地や屋敷を失い、それでも残った多額の借金に追われ自殺した彼女の父親の遺書には恨み言しか
書かれていなかったそうだ。

彼女は母親の死を知っとき、勤務していた会社の給料では借金の利息も払いきれず、
風俗で働く事が決まったとき自殺を考えたらしい。
しかし、その度に母の霊に止められたそうだ。

650 傷(4) ◆cmuuOjbHnQ sage New! 2007/03/13(火) 01:12:55 ID:0uC8VoME0

マサさんと俺は彼女の話を聞き、それまでの経緯を全て話した。
マサさんの目は怒っていたが、ふうーと息を大きく吐くと口を開いた。
「これは一種の呪詛ですね。家の代々の守護神を祭神にして、自分の妻を生贄に娘を呪物に仕立てた
悪質な呪詛だ。しかも、特定の人物ではなく朝鮮人なら誰でも良いといった無差別のね。
更に、呪詛はあなた自身にも向けられている。お父上は相当な力をお持ちだったようだが、その魂は地獄に
繋がっているようですね」
呪詛は呪詛を掛けている事、掛けている人物が割れると効力を失うそうだ。
容易に呪詛を返されてしまうからだ。
しかし、本件では呪詛を仕掛けた本人は既に死んでおり、しかもその力は強い。
先ほどから襖の向こう側から猛烈に嫌な気配が漂って来ている。
マサさんは女に「奥の部屋に仏壇か遺骨がありますね?」と尋ねた。
女は仏壇がありますと答えて、襖を開けた。
俺は思わず「うわっ」と言った。
マサさんの「井戸」の周りで「観た」ものと同質の、目には見えないものが仏壇から溢れ出てきていた。
これはやばい!
マサさんは女に位牌と父親の写真を額から出して持って来いと言った。
そして、母親の写真を持って俺と一緒にキムさんの家へ行けという。
状況がかなりやばいことだけは判った。
恐らく、マサさんの言葉で呪詛が破られ、悪霊の本体が動き出したのだ。
俺は女の手を引いて表で待っていたキムさんの車に乗った。
キムさんはすぐに車を発進させた。
キムさんは凄いスピードで車を走らせる。片側2車線の大通りの交差点を赤信号を無視して突っ切る。
背後の交差点からブレーキ音が聞こえる。
信号を3つほど進んでキムさんが車を止めた。
結界の外に出たらしい。
女の部屋を訪れる前に、俺がキムさんの家で寝込んでいる間に、土の露出した土地を探して、
出来るだけ形を整えて結界を張ったのだと言う。
市街地ゆえに結界が予想以上に大きくなってしまったらしい。

652 傷(4) ◆cmuuOjbHnQ sage New! 2007/03/13(火) 01:16:57 ID:0uC8VoME0

キムさんの家に着くと、俺の腹の中や皮膚の下で蠢く虫のような感覚は消えていた。
体が異常に軽い。
こんなに体調が良いのは何年ぶりだろう?
女の顔も血色が良くなっている。
マサさんは翌朝キムさんの家に現れた。
マサさんは女に「お母様の供養をしてあげてください。それと、神棚を作って実家で祀っていた神様を
大事に扱って下さい。あなたのことを守ってくれるはずですよ」と言った。
女を家に送って部屋を確認すると、これが同じ部屋かと思うくらいに雰囲気が明るく変わっていた。
位牌と女の父親の写真も無くなっていた。
父親の霊がどうなったかは聞かなかったが大方の予想はついた。
マサさんは道具を整えてもう一度「念のための」儀式を行ったが、悪霊の類は食い尽くされて
残っていなかったそうだ。

俺とマサさんは前と同じように車を乗り換えながらPの待つあの場所へ戻った。

653 傷(4) ◆cmuuOjbHnQ sage New! 2007/03/13(火) 01:24:08 ID:0uC8VoME0

Pの話だと、マサさんが女の部屋を祓った晩、井戸から耳には聞こえないが頭の中に響き渡るような
地獄の底から響いてくるような低い「鳴き声」が聞こえたそうである。
そして、朝になると体からすうーっと何かが抜け出ていったのを感じたのだという。
それは、井戸に吸い込まれては行かなかったらしい。
土地と俺達の縁を切る儀式を行い、俺達は歩いて結界を越えた。
まるで何もない土地であるかのように、今度は何の抵抗も感じなかった。

俺たちは、往きに立ち寄った電気量販店の駐車場でキムさんの車を待っていた。
車の中で、
俺「あの仏壇の中身は、今は井戸の中なのですか?」
マサ「ああ」
P「井戸から聞こえた声は?」
マサ「鬼の哭き声だ」「あの井戸の中身もいつかは浄化されて消えて無くなる日が来る。
奴らもその日を待ち望んでいる。その日はまた遠くなったけれどな。
お前達に憑いていた悪霊の声なのか、井戸の中にいたものの声なのかは俺にも判らないよ」
「で、久しぶりの娑婆だ。お前達、何がしたい?」
P「酒」
俺「女」
マサさんは鼻で哂った。
キムさんの車がやってきた。
俺達はマサさんの車を降り、去ってゆくマサさんを見送った。

終わり