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怖い話にはいい話もあるんだよ?

最怖スポット】霊感の強い彼女「大丈夫!!なんにも感じないし、行こうよ」

227 名前は誰も知らない sage 2012/04/29(日) 03:37:07.81 id:ENPrd3310 

先日体験した話。 

俺とオカルト好きな友達とその友達の彼女で心霊スポットに行ったんだけど..... 

 

俺の地元だとかなり有名な心霊スポットだ。 

もう使われていない、古いトンネルがそのスポットで昔、殺人事件があったらしい。 

俺達は友達の軽自動車でそのトンネルに向かった。時間は深夜1時くらいだった気がする。 

 

俺とその友達はオカルト好きで、いろんな心霊スポット巡りをしていたが恐らく霊感とは無縁の人種なのだろう。幽霊を見た事がなければラップ音も聞いたことがないのでそう思っていた。 

 

「俺達さ、霊感とかないと思うんだ、だからさ最後に○○トンネルに行ってみようぜ、それで見えなきゃ心霊スポット巡りも今回でおしまい」そういう事を友達が言いだしたのが先日そのトンネルに行ったきっかけだ。 

そのトンネルは地元では最怖スポットで、俺達がまだ小さい頃から「あそこだけは言っちゃだめよ。ついてくるからね」みたいにまわりの大人達から言われていて、オカルト好きな俺達もさすがに手を出さずにいた。 

友達の彼女は所謂、霊感少女。某SNSのオカルトサークルで知り合ったらしい。 

その彼女は俺達がそういう怪しい場所に行く事を嫌っていて、以前何度か誘った事があるがすべて断られた。 

「本当にやめてよ、そんなところ行って、もし○○に(友達)憑いてそのまま連れてかえってきたら、あたしなにも言わずに別れるからね」 

 

いつもそう言って断っていた彼女が今回参加する理由は、本当に危ないところだかららしい。もう使われていないトンネルだがその近くを車で通過するだけで寒気がするのだそうだ。 

「これで最後って約束してね!あたしが危ないって言ったらそれ以上は進まないでよ」トンネルへ向う車内でそう何度も繰り返していた。 

わかったよ、と何度も適当に返事をしながら車を運転する友達の隣で、俺はいつもとは違う不安な感じがしていた。後部座席にいつもはいない霊感のある彼女が座っていたからかもしれない。 

 

 

 

 

 

240 名前は誰も知らない sage 2012/04/29(日) 04:18:19.46 id:ENPrd3310 

 

トンネルが使われなくなったのはかなり昔なので、トンネルは勿論、そのトンネルに通じている道路も封鎖されている。 

今は新しいトンネルが別につくられていて、その新トンネル手前の脇道が旧トンネルにつながっている。 

その脇道にたどり着いたときはすでに深夜2時前だった。 

俺も友達も初めてその道を通った。 

舗装されて綺麗な新トンネルから付近からまだ五分ほどしか走行していないのに。雰囲気が全く違っていた。 

辺り一面に木が生い茂っていて、車が一台通るのがやっとくらいの幅の道路だ。 

木の枝や葉の間から少しだけ空が見える。古いアスファルトはひび割れて凹とつがあり、酷く車が揺れる。 

 

それからその道を十五分ほど走ると、前方に鉄門が現れた。道路を塞ぐ大きな門だった。 

「ここまできて入れないのかよ、ちょっと降りてみようぜ、ここはまだ大丈夫だろ?」友達が後部座席の彼女にそう訊くと、「うん、まだなんにも感じない」と答えた。 

車から、おりてみるとその錆び付いた門が異様に不気味に感じた。 

鉄門は太い鎖に南京錠で固定されて外れそうにない。 

登るか。友達が呟くように言って俺も賛成した。 

 

友達が、車に積んでいた工具箱からペンチをもってきて鉄門の上の有刺鉄線を切っている間、彼女と少し話しをした。 

「本当に大丈夫?なんか口数減ってない?」 

「大丈夫!!なんにも感じないし、行こうよ」少しにやけながらそう言う彼女に少し寒気がした。 

そんな場所に「行こう」なんて、彼女の口からはじめて訊いたからだ。 

 

「おい、いいぞ、ほらお前今日はスニーカーで来てよかっただろう?」と有刺鉄線を切り終えた友達が鉄門の向こう側から彼女に言った。 

うん!と彼女は明るく返事をして俺よりも先に門をよじ登り、勢いよく飛び降りた。 

 

着地と同時に「うぅぅ」と唸りだして地面にしゃがみこんだ。足を痛めたのだろうと思って俺も急いで門を乗り越えた。 

大丈夫か?と俺と友達が呼びかけるが返事はなく、唸り続けている。 

 

 

 

 

260 名前は誰も知らない 2012/04/29(日) 05:25:58.57 id:ENPrd3310 

 

暫くそのままの状態だったので、もう戻ったほうがいいんじゃない?と俺が言うと同時に彼女が立ち上がり真上を向いて「ぎゃぁぁぁああ」と叫びだした。 

 

俺は異様な光景で、頭が混乱していて「静かにしないと!静かにして!」と何度も繰り返す。 

友達は彼女の肩を両手でおさえて揺さぶりながら、おい!おい!大丈夫か?と話しかける。 

彼女は急に叫ぶのをやめると、友達を両手で突き飛ばした、窪んだ道路の水溜りに尻もちをつく。 

虚ろな目の彼女が俺と友達を交互に何度か見たあと、おそらくトンネルがあるであろう奥の道にむかって全速力で走り出した。 

 

運動会とか体育の授業の時みたいになりふり構わず振り乱すようにして深い闇の中に消えた。 

俺達は暫く硬直していた。水溜りが小さく波打って、友達が震えているのがわかる。 

「あいつどうしちゃったの?あんな彼女見るの初めてだよ、どうしちゃったんだよ」 

「なにか見ちゃったのかも.....とにかく追いかけないと!」友達に手を差し伸べながら俺がそう言うと「駄目だ、立てそうにない、腰やられてる、駄目だぞ、これ以上奥に進むのは嫌だ、もうここに居たくない、絶対嫌だ」と俺の手を振り払って、いきなり友達が怒鳴りだした。 

 

「お前、なに言ってんの?お前の彼女だろ!!」俺そう言い終える前に、さっきまで怒鳴っていた友達が急に「だーめ、だーめ、だーめ、だーめ、だーめ、だーめ、だーめ」とゆっくりと繰り返し呟きはじめた。 

水溜りの水を掌で掬って自分の両腕に擦り込むように塗りつけながら、「だーめ、だーめ」と繰り返す。俺の瞳を見つめたままで。 

俺はその友達が不気味で恐ろしくなり、もういいよ、お前はここで待ってていいから、俺が彼女を連れ戻してくるから。と逃げるようトンネルの方にむかった。 

俺もその場所にいたくない、というよりも少しでもはやく友達から離れたかった。 

小走りで道を進んで行く、五分か十分かそのまま走るとトンネルの入り口が見えた、なぜかその辺りだけ薄く光が当たっているかのように古臭い石造りの輪郭が際立って見える、夜道に目が慣れたせいかもしれないがわからない。 

 

 

 

 

281 名前は誰も知らない 2012/04/29(日) 21:01:29.44 id:ENPrd3310 

 

トンネルの入り口は汚れた背の低いガードレールでバリケードをつくっていただけで簡単に乗り越える事ができたが、内部に一歩入ると足首の近くまで水が溜まっていて、靴の中まで水浸しになってしまった。 

俺はジーンズの裾を膝まで折り曲げて携帯のライトで周りを照らしてみることにした。 

ライトを付け、辺りを見渡す。 

携帯の弱いライトでは自分の周囲23メートルを確認するのがやっとだったが、足元の水は奥の方まで溜まっていそうだった。 

一週間ほど前から雨の日が続いていたけど、それほどまでの豪雨ではなかったので、どこかから湧いて出た水が溜まっているのだろうと思った。 

 

暗闇の中で一度、彼女の名前を大声で呼んでみたが返事はなく、張りつめた空気を切り裂く自分の声だけが虚しく響いて余計に恐怖が増した。 

スニーカーと靴下は水を吸い重く何度も脱げそうになりながら、先を進む。 

トンネルは俺が思っていたよりもはるかに長かった。 

徒歩ではなく車やバイクで通ったとしても長く感じるだろうと思う。 

街灯のないトンネルはまるで未開の洞窟か大きな防空壕みたいで、位置感覚が無く今自分がどの辺りを歩いているのかすら分からない。 

 

この先に彼女がいる。そう俺は確信したのと同時に全身の毛穴が粟立つのがわかった。 

彼女の着ていたシャツやスニーカーがちょうど一メートルほど先の水面で揺れていたからだ。 

濡れたシャツを手に取って、雑巾のように絞っているときに特徴のある金ボタンを見つけて確信した。 

絞ったシャツを片手に進んで行く。 

この辺りから携帯の電池が残り少なくなってきたので、ライトを消して待受画面の光で周囲を確認するようにして進む事にした。 

暗い、という事に徐々に慣れてきてはいたが、暗闇に目が慣れる事は無く、携帯の弱い光とシャツを握った方の手を前に突き出して周りを確認していた。 

そのまま奥へと進んで行くと、 

トンッと指先になにか固いものが触れた。 

 

 

 

 

292 名前は誰も知らない 2012/04/29(日) 22:10:02.87 id:ENPrd3310 

 

行き止まりだった。恐らく厚い大きな板かなにかで強引に封鎖してあるようだった。 

いないか。流石にこの深い闇の中に光もつけないで、1人でいれるわけがない。実際のところ俺自身、携帯のライトがこんなに頼もしく思えたのも初めてだったし、誰かが奥でライトを付ければ見逃すはずも無い。 

はやく気づいておくんだった.....そう思った。 

暫くその場に立っていると、自分がたてた水の音が止んで辺りが一瞬静かになった。 

どこかから吹いてくる隙間風の静かな音に混じって、荒い鼻息が近くで聞こえた。 

俺は何故かその時、すごく冷静で自分の左側から聞こえるその音の正体を確かめようと思った。恐怖でどこか麻痺していたんだと思う。 

携帯を写真撮影のモードに切り替えてライトを付け、その音の方向を照らした 

 

彼女だった。上半身は裸で靴下とズボンだけ履いた格好で、トンネルの出口を塞ぐ板になにかを夢中で擦り付けている。 

俺はその板をライトで照らしてみた。 

口紅だった。赤い口紅。それをクレヨンみたいに使って、なにかグチャグチャな絵?というよりもそれ自体を塗り潰すようにめちゃくちゃに塗っている。 

口紅は残りが殆ど無くなっているのに夢中で同じ動きを繰り返す。 

俺はそれをやめさせようと、無理矢理その板から彼女を引き離した。 

彼女は意外とすんなりとその行為をやめておとなしくなった。 

「帰るぞ」と言うと俺が言うと、うん、と言って頷く。 

 

彼女の手を引きながら、急いで元の場所を目指す。 

行きよりもはるかに帰りの方がはやく感じた。トンネルを出る頃には、彼女は元に戻っていて、シャツを着せてあげると、ごめんね、ごめんね、と何度も俺に謝った。 

鉄門の場所まで辿り着くと友達がいない。 

車もない。彼女が泣き出して、どこに行ったの?!と訊いてきた。俺はとりあえず落ち着かせようと思い、山のふもとのコンビニかもしれない、具合が悪いって言ってたから休んでるように言ったんだよ。言った 

それから車で来た道を徒歩で降りた。コンビニには友達はいなかった。 

俺達の異様な雰囲気に気付いたのかコンビニの店員が外にでてきて、駐車場に座っている俺達に「警察呼びましょうか!?」と慌てて話しかけてきた。 

 

 

 

 

304 名前は誰も知らない 2012/04/29(日) 22:46:25.95 id:ENPrd3310 

 

俺が大丈夫です、と言うと、店員はあなたには訊いていません!と言ってもう一度、今度は彼女の目の前まできて訊いたが、 

彼女も「大丈夫です、タクシーを呼んでもらってもいいですか?」と言った 

タクシーが到着すると、俺達は同乗して、先に彼女を家に送った。俺と友達は一人暮らしだか彼女は実家に住んでいるので、 

その家の前でタクシーを止めて、別れた。 

車内ではお互いにほぼ無言だった。 

 

翌日、電話に出ない友達が心配になり家に行ってみた。鍵がかかっていて、駐車場に車はなく帰ってきた形跡はない。 

彼女の携帯は電源すら入っていなくて、実家まで訪ねてみたところ、あの日から帰っていないそうだ。 

タクシーを降りたあとどこに行ったのだろう。思い当たる場所はあのトンネルしかないが、もう俺はあの場所へ行く気はない。 

これで話は終わりです、長い時間付き合ってくれた皆様ありがとうございました。現在も二人とは音信不通です。 

読みづらい箇所あったと思いますが最後まで読んでくれてありがとう。少しすっきりしたよ 

【不可解】ミカヤマラの人間【洒落にならない話】

 

順子さんの話。順子さんは当時大阪の大学生でサークルで一緒になった昌子さんと昌美さんと仲良くなってお昼などを一緒に食べたりする友人になった。昌子さんも昌美さんも同じ島から出てきた2人で名前も容姿も似ているが親戚ではなく「食べてきたものが同じだから」と明るい昌子さんは言っていた。

  

昌美さんはどちらかと言えばおとなしいタイプでそれに微笑みながらうなづくって感じで。そのうち昌子さんがお昼の時間ちょっと用事があるから。って言って三人でご飯を食べる事がだんだん減って行ったらしいのね。でそのうちわかったんだけど昌子さん、同じ大学の榊って男と付き合い始めたらしくて。

  

榊ってのはあまり良い噂を聞かない人で遊ぶだけ遊んで女を棄てたり、堕胎させたりみたいな噂をよく聞く人物で。家も会社経営してたり親戚に議員がいたり由緒ある金持ちらしくて。順子さん心配してたんだけど昌美さんが「あの子なら大丈夫」ってやけに言うからお昼は昌美さんと2人で過ごしてたらしい。

  

 

学部が違うので昌子さんと疎遠になって数ヶ月がたったある日。昌美さんとお昼をとろうとメールした所、「昌子さんが死んだから通夜で島へ帰る」って返信が来たから慌てて電話したら数日前に部屋で自死したって言われて。とにかく島へ帰る。って言われたらしくて。

  

 

で最近は疎遠になったとはいえショックでお葬式には行きたいから。って昌美さんに伝えたら島までの行きかたをメールしてくれて。で3日後の葬式の日に順子さん島へ行く事になったの。電車を乗り継いでバスに乗って最後船で島へ送ってもらう方法で。

 

で電車とバスで島の近くの場所まで行ってそこから船を出して貰って一時間揺られて島についたんだけど。ほんとにさびれててなにもない島で。昌美さんにメールで送って貰った地図で昌子さんの家に向かったのね。そしたら道中後ろからついてくる女の子がいて。

  

 

赤い着物着た黒髪の目が異常に大きい女の子で身長は小学生低学年ぐらいの。「こんにちは」って声をかけるけどニコニコしながら笑うだけで。変わった子だなあ。って思ったけどよく見たら変でお腹が異様に膨らんでるのね。なんか枕でも入れたみたいに。

  

 

でその女の子が指差す方向を見たら家があって昌美さんが送ってくれた地図と照らし合わせたら昌子さんの家で「ありがとう」って振り返って言ったらもう姿が消えてて脚が早い子だなあって思いながらその家に入って行ったのね。玄関はあいてたから。

  

でまず玄関から奥の部屋が見えたんだけど順子さんぐらいの背たけの巨大な石が置いてあって、えっ!って思ったら「よくぞいらっしゃいました!!」って大声が聞こえて、ビクッとしたら一人の老人がこちらを立って見ていたらしくて。

  

 

 

でこの度はご愁傷様です。って言ったらその老人が昌美から話は聞いております。どうぞ拝んでやってください。って言われたので中に入ってどうしたら良いかわからないんでとりあえず石に手を合わせて拝んだんだって。

それにしても線香も花もないから順子さん不思議には思ったんだけど島の風習ってもんなのかな?って思ってたんだけど。あと家には男の老人しかいなくてみか下を向いていて最初の老人以外は顔もよく見えなくて。とにかく異様な空間だったのね。そしたら最初の老人が話始めて。

  

 

「昌美から聞きました。昌子は悪い男に捕まったそうで。正月に会ったのが最後になってしまいました。わしゃ悔しい。おいおいおいおい。」ってオーバーリアクションで泣き始めたら他の老人も「おいおいおいおい。」って棒読みで繰り返し始めて。

 

「悔しい。おいおいおいおい。」「おいおいおいおい。」が延々その後も繰り返されて。下手な劇団の演技みたいな。で順子さん御香典を渡さなきゃってなって遅れましたが。って渡したら最初の老人が「どうも」って自分のポケットにしまって。

  

 

やっぱり変だと思って。昌美さんが帰りの船は手配すると言ってくれてたのでそれを伝えたら「はぁい」って間延びした返事をされてさっき降りた海岸へ行ってください。って言われたから海岸に向かったの。そしたら船がとまっててさっきあの家にはいなかった老人がいて。

  

 

 

ちょっと凄いiPhone落ちる全身に鳥肌が。やばい気がする。

  

 

あーやばい気がする。ダメかなこれ。

  

 

頑張ってみる。

  

 

ちょっと励ましてください。こんな事言いたかないが。

 

  

 

いけるな

  

 

船が動き始めたんだけどその老人が「あんた売春はするんかね」とか「ここで海に落としても誰も気づかんやろね」などをやたら言うから生きた心地がしなかったらしいです。あと老人の足首には輪っか型の痣がついていたんですがなるべく見ないようにしていたらしいです。

  

 

で今何時かなと時計を見たら夜の七時でおかしい昼過ぎにはあの家についたのに。ってなって空を見たら真っ暗で。今まで明るかったのに!って思ったら船が着いて降ろされて。そこからのバスがもうなく途方に暮れてしまって。

 

 

 

仕方なくその街にある旅館に行ったら部屋が空いてて一泊する事になって。仲居さんが何処からいらしたの?と聞くからちょっと用事があって島からと言うと。へー変な島でしょ。ってケラケラ笑うから。えぇまあ。と答えるとあの島の人間は汚れてるから。と話し始めて。

  

 

仲居さんの話によると元々この街にあの島の人間も住んでたんだけど身分の違いとか井戸に毒を放り込んだとか諸説はあれどとにかくこの街からあの島に追いやられた人間が細々と暮らしてるらしくて。あと話の中に能力という言葉がやたら出てくるので聞いてみたら。

  

 

元々この街の人間には能力があるんだけどあの島の人間は汚れた能力でね。ミカヤマラの人間とは交流しないんですよ。って話し始めたんだけど今までケラケラ笑いながらだったんだけど急に「まあ部屋を汚すのはやめてくださいよ。男を連れ込んだり」って言って出て行ってしまって唖然としたんだって。

  

 

その時に窓にスッと赤い影が見えたんだけど順子さん見なかったふりしてその日は寝て始発を乗り継いでなんとか帰ってきたらしくて。

  

で大学へ次の日行ったら「おいっ!」って男の学生に呼び止められて。なんですか?って言ったら榊の友達らしくて話したい事があるって言われて学食に行ったらしくて。

 

 

で話を聞いたら榊は悪い人間じゃない。悪い噂は昔の彼女が流したもので昌子さんとは真剣に付き合ってた。ある日昌子さんと連絡がとれないから部屋に尋ねて行ったら夏なのに長袖上下でマスクまでしてて近づかないでって言われたらしくて。

 

肌が見えてる所を見るとビッシリよくわからない文字がかかれている。本人に聞くと昨日島に帰っていたらしい。

  

え?正月以来あってないって言ってたのに。あの島の老人。って順子さんは思ったけど。あえて言わなかったそうで。

  

 

そしたら榊の携帯がなってミカヤマラさんから電話で「坊ちゃん今すぐその部屋から出てください」って言われたらしくて。って榊の友達が言い始めて。

  

 

ミカヤマラ?あの仲居さんが言ってた。ミカヤマラ?ってなったらしくて。ミカヤマラさんて誰なの?って聞いたら榊の家で重要な事を決める時にお伺いをたてる占い師らしくて。

  

 

で榊は今どうしてるの?って聞いたら一昨日自死した。って言われて。その友達もよくわからないから今日榊の家に行ってくるってその場は別れたらしくて。

  

 

でその次の日また大学に行ったら泣いてる女の子がいたからどうしたの?あの子って周りにいた人に聞いたらあの榊の友達の彼女で一昨日自死したと聞かされたそうです。

  

 

順子さん何がなんだかわからずにとりあえず家に帰って頭を整理しようと庭で考えてみたけどよくわからない。占い師のミカヤマラは島の人間なのかあの街の人間なのか。体に書かれていた文字とは。全くわからない。ってなったんだって。でふと目の前の塀を見ると。

  

 

塀の上にあの島の赤い着物の女の子、その横には無表情の昌美さんの顔があって。「あっ!昌美さん!」って思ったら女の子が「あんまりかかわりなさんな」って言った瞬間、庭で飼ってる犬の首がゆっくり一回転して落ちたんだって。

 

「でもうかかわるのをやめようと思ったんですよ」って順子さんは話してくれたんですよね。喫茶店で。僕に。で話してる間も喫茶店の窓にチラチラ赤い影がチラついてもう途中で帰りたくなってたんですね。僕。

  

 

「でもまあ私は被害無かったですから」って順子さんは言い始めて。

  

 

僕がでも飼ってらした犬がって言って。

  

「あー確かに棄てるのめんどくさかったですね。近くのコンビニに棄てましたけど」って順子さんが言って。

  

赤い影の動きが激しくなって。

可愛がってらっしゃったんですよね?って僕が言って。

  

「まあでもめんどくさかったですね。棄てるの」って順子が言って。

来た時に愛想が良かったウェイトレスが乱暴に水をいれ始めて。赤い影が激しくなってどんどん。

その場にいたくなくてありがとうございました。って逃げるように喫茶店から出て。暫く行った所で嘔吐してしまって。

  

 

それでもなんとか駅に向かって歩いているとお母さんが小学生ぐらいの息子を「なんでお前はそんな馬鹿なんだ!」って何回もビンタしていて、息子は無表情でそれを受けていて。

  

駅のホームではサラリーマンの後ろに立って突き落とす素振りをイタズラっぽく繰り返す老人がいて。

  

 

家に帰って携帯を見たら学生時代からの親友から「出会った時から嫌いだった。バーカ」ってメールがきていてなにもかも嫌になって携帯を切って寝ました。

 

順子さんを紹介してくれた友人に後に聞いたら順子さんは実家の財産を全て勝手に処分して消えてしまったそうです。

 

よくわからない話。

おわり。

  

【化物】絶対に足を踏み入れてはいけない山【モッケ】

949 本当にあった怖い名無し sage 2012/02/04(土) 13:03:35.27 id:xOE3aK9R0 

長くなりますが、書き込みさせていただきます。 

 

私は友人の間では「幽霊避け」扱いされています。 

行ったら絶対何かある!と言われているような心霊スポット巡りに私が同行すると、何も起こらない。 

自殺者が出た部屋に入居した友人が霊現象で悩まされてた時も、私が泊まりに行ったら、それ以降霊現象はぴたりと止みました。 

オカルト好きな友人からは「よっぽど強い守護霊がいるんだね!」と言われますが、私の後ろにいるのは守護霊というよりも、怨霊に近い存在じゃないかと思ってます。 

そういうモノに守られてるのかな?と自覚したのは、子供の頃です。 

 

 

当時小学四年生だった私は、二歳上の兄と一緒に、母方の祖父母の家に遊びに行きました。 

毎年夏休みの間、お盆前後の一週間から十日近く滞在することになっていました。 

いつもは母と一緒に行くんですが、その夏は初めて子供だけで新幹線に乗ったということもあり、よく覚えています。 

祖父母はずっとその土地に住んでいたのですが、なんとなく近所とは付き合いが薄い感じで、私と兄は身内以外の同年代の子と遊ぶということもありませんでした。 

かといって差別されているような雰囲気でもなく、どちらかといえば敬意を払われていたように思います。 

祖父の地元では盆祭の時、神社の境内で神楽舞のようなものを奉納するのですが、 

太刀を持って魔物を追い払うといった役割の舞い手は、常に祖父の一族の誰かが務めていました。 

 

 

 

その夏も例年通り、神社で神楽舞が行われることになりました。 

この年の舞い手に選ばれたのは兄で、舞いを覚えるため、子供達だけ先に田舎へ向かったのです。 

ちなみにこの時、兄だけでなく私も舞いを覚えさせられました。 

兄は退屈な田舎で舞いの練習をさせられるのが嫌でたまらず、しょっちゅう 

従兄弟達と抜け出してはさぼっていました。 

それでもなんとか、祭までには一通り舞えるようになっていたようです。 

祭の当日、太刀を持つメインの舞い手は、朝から神社の拝殿にこもらなければならないというしきたりがありました。 

兄は最初大人しく拝殿にこもるふりをしていたのですが、大人達の隙を見て私を身代わりに拝殿に押し込め、従兄弟と一緒に出かけてしまいました。 

 

祖父の田舎には「絶対に足を踏み入れてはいけない山」があったのですが、 

兄と従兄弟達はその山へと向かったそうです。 

祭の時なら大人達は忙しくて気がつかないだろう、と考えた兄達は、 

神社の裏手から伸びる山道をつたい、禁足地とされた山へと足を踏み入れました。 

兄の話によると、その山へと入る山道にはぼろぼろの鳥居があって、道を塞ぐように注連縄が張ってあったそうです。 

鳥居はぼろぼろなのに注連縄は新しく、定期的に誰かが取り換えているように見えた、とのことでした。 

 

悪ガキだった兄達はその注連縄を越えて、山へと入りました。 

奥へと進むに従って、真夏とは思えないほど気温が下がり、なんだか生臭いような、吐き気を催す匂いが鼻をついたそうです。 

誰からともなく「帰ろう」と言いだした頃には、少し開けた場所へと出ていました。 

そこには大きな岩があり、その岩にも注連縄が巻きつけてあったそうです。 

皆がなんとなく黙り込み、怖がっていた中で、リーダー格の中学生の従兄弟が 

「山に入った証拠を持って帰ろうぜ!」と言いだし、その注連縄をほどきました。 

しかしほどいた注連縄は地面に触れた瞬間、ぐずぐずに朽ちてしまったそうです。 

その異様な光景に皆が声をのんでいると、妙な声が聞こえてきました。 

 

最初は怖がった従兄弟の誰かが泣いているのかと思ったそうです。 

しかしそれは「んーっ、んーっ」という唸り声で、しかも兄や従兄弟達を囲むように、周囲から聞こえてきます。 

「何か」が唸りながら、木々に紛れて自分達の周囲をぐるぐると回っている。 

そのことに気付いた瞬間、兄達はその場から逃げ出しました。 

皆必死になって山を下り、注連縄をはった鳥居のところまで逃げてきたのですが、 

その時兄が注連縄につまづき、注連縄はたわんでしまったそうです。 

兄がほんの一瞬だけ振り返った瞬間、大きく飛び跳ねながら追いかけてくる何かの姿が見えたそうです。 

兄達はそのまま神社に逃げ込み、拝殿へと戻ってきました。 

私はというと、兄達を待ちくたびれて居眠りしており、戻ってきた時にパニックを起こして泣いている従兄弟を見て、ただ驚いていました。 

この時は外で何があったのか、いくら訪ねても教えてもらえず、私はただ単に、 

抜け出したのが大人にばれて怒られたのかくらいに思っていました。 

そのまま何事もなかったかのように、再び兄が拝殿にこもったのですが、神楽舞の 

直前になって問題が発生しました。 

 

 

 

神楽舞の衣装に着替えている時、兄の左足首がひどく腫れていることがわかったのです。 

急きょ代役をたてることになり、一緒に練習した私が、舞い手を務めることになりました。 

朝まではなんともなかったので、兄は祖父や叔父から「何か悪さでもしたのか」と 

問い詰められていました。 

しかし兄や従兄弟は抜け出したことを黙っており、大人達も異変に気付いた様子はありませんでした。 

神楽舞は確か、夕方頃から始まり、最初は女性が数人で踊ったりしていたように思います。 

舞の締めはいつも「剣を持った武士が龍のような妖怪を追い払う」踊りで、 

クライマックスの頃には周囲にかがり火を焚いて辺りを照らしていました。 

武士の舞い手も龍の舞い手(こちらは正月の獅子舞のように、二人一組でした)も、 

面をつけるのが決まりでした。 

そして舞いが終わった後、武士の舞い手は神社から少し離れた、山の中にある祠のような場所で一晩過ごすしきたりになっていました。 

 

舞の後、私もしきたりに従い、祠に入りました。 

一人きりは怖くてしょうがなかったのですが、外には一応、村の人が二人、 

付き添っていてくれました。 

時々声をかけてくれたのでそれほど怖い思いはせずに済んだのですが、三畳ほどの大きさの祠の中で、ろうそくの明かりを頼りに一人でいるのは、 

やはりあまりいい気分ではありませんでした。 

兄はこれを知っていたので、舞い手を嫌がったのだろうかなどと考えました。

眠くなったら、祠の中でなら眠ってもいいと言われたので、疲れていた私はそのうちぐっすりと寝入ってしまいました。 

しかし寝入ってどれぐらい経った頃かわかりませんが、外からものすごい悲鳴が聞こえてきて、そこで目が覚めました。 

 

社の外でもかがり火をたいていたはずなのに、それが消えて真っ暗になっています。 

ろうそくの火もいつの間にか消えていて、私は外にいる村の人の名前を呼んだのですが、返事がありません。 

ただ「んーっ、んーっ」という、唸り声のようなものが聞こえてきます。 

村の人が怪我をして唸っているのかと思い、怖くなって、思わず祠の扉を開けました。 

すると扉のそばにいた私を突き飛ばすようにして、何かが中に飛び込んできました。 

飛び込んできた何かは祠の中をものすごい勢いでぐるぐると回り、やがてぴたりと 

止まりました。 

この日は満月ではなかったのですが、扉を開けると月明かりでかなりはっきり辺りを見ることができました。 

そして月明かりが差し込む祠の中に、異様なものが立っていました。 

はげ上がった頭に巨大な一つ目、一本足。 

そんな化け物が、私のほうを見ていました。 

 

化け物と目があった瞬間、私は悲鳴をあげて祠から飛び出しました。 

ただひたすら集落のほうへ逃げようと思ったのですが、辺りが暗いうえに 

祠周辺は初めて来た場所なので、どちらに行けばいいのかさっぱりわかりません。 

祠の横のほうに細い道が伸びていたので、ただひたすらそちらに向かって、 

泣きながら走りだしました。 

そのすぐ後ろを、あれが一本足で飛び跳ねながら追いかけてくる気配を感じていました。 

やがて少し開けた場所に出たのですが、そこは集落の入り口などではなく、幾つかの墓が並んだ古い墓地でした。 

隠れる場所も、逃げる場所もない。私はあれに捕まってしまうのだと思いました。 

それでも少しでも身を隠したくて、一番奥にある墓の裏手に回りこもうと駆け寄った時です。 

不意に墓石ががたりと揺れて倒れ、地面に空いた穴から何かが躍り出ました。 

 

墓から躍り出たのは、血塗れの刀を下げた鎧武者でした。 

肩に矢が刺さっており、兜をかぶっておらず、長い髪を振り乱しています。 

私は思わず大声で叫んで腰を抜かしてしまったのですが、鎧武者は私には一瞥もくれず、 

刀を下げて私が逃げてきた山道へと向かって駆け出しました。 

少し離れた場所で「んんんんんーっ!」という物凄い断末魔がして、それを 

聞いた瞬間、気を失ってしまいました。 

 

目を覚ましたのは翌朝でした。 

私と付き役の人達が戻ってこないのを不審に思い、神主さんをはじめとする 

祭の世話役の人が祠に向かい、そこで異変に気付いたとのことです。 

付き役の人達は特に外傷はなかったのですが、起こされるまで気を失っていたそうです。 

私は昼前に、古い墓地で叔父に発見されました。 

付き役の人達は何があったのか全く覚えておらず、私は泣きながら、昨晩一つ目の 

化け物が祠に来て追いかけられたことを大人達に話しました。 

すると誰かが「モッケが出たんか」と言い、神主さんが「×××を見てこい!」と、 

指示を出しました。 

ちなみに、私が隠れようとした墓石は倒れていましたが、地面に穴はあいていませんでした。 

 

 

それから祖父の家に戻され、その日一日、神主さんがずっと私に付き添っていました。 

その時に神主さんから、一つ目の化け物について説明を受けました。 

一つ目の化け物は、この辺りでは「モッケ」と呼ばれていること。 

山の中に棲み、山に入ってきた村人を迷わせ、女を犯し、時には喰っていたこと。 

しかしある侍が当時の神主の協力を得て、山の中の岩にモッケを封じたこと。 

その岩には注連縄をして、岩に続く道にも鳥居をたてて注連縄をし、立ち入り禁止に 

したこと。 

今行われている神楽舞は、その一連のエピソードを元にしていること。 

正直「嘘だろ」と思ったのですが、さすがに自分が見たものを否定することは 

できませんでした。 

既に皆様お察しかと思いますが、兄達はそのモッケが封じられていた禁域を 

侵してしまったのです。 

神主さんが言っていた「×××」というのは、モッケを封じた岩のことでした。 

岩を見に行った人の話によると、岩は真っ二つに割れていたそうです。 

鳥居の注連縄も緩んでいたので、誰かが侵入したんだ!ということが判り、 

大騒ぎになりました。 

そこで兄達は黙っていられないと思い、大人達に禁域へと足を踏み入れたことを 

打ち明けたそうです。兄達はみっちり叱られていました。 

兄の左足が腫れたのはおそらく、注連縄につまづいたからだろうとのことでした。 

 

 

封じていたモッケが放たれた、と青くなる神主さんに、私は墓から飛び出した 

鎧武者のことを伝えました。 

神主さんは半信半疑といった顔つきでしたが、やがて私を見て 

「モッケに追われたのに逃げ切ったという話は、確かに今まで聞いたことがない」 

と、呟きました。 

神主さんが私に付き添っていたのは、私の体調を心配していただけではなく、 

モッケから守るためでもあったそうです。 

同系列の神社の、他の神主さんにも協力を仰いで岩を調べたところ、 

モッケの気配は綺麗さっぱり消え失せていることがわかったそうです。 

肝心の鎧武者についてですが、どうやらこれは私のご先祖様ではないかとのことでした。 

祖父の家の墓は菩提寺の墓地ではなく、祖父が持っている山の一画に墓地を 

設けています。 

モッケに追われた時に私が逃げ込んだのが、この墓地だったわけです。 

祖父の家の祖先を辿っていくと、なんでも平家の落ち武者になるとのことですが、 

本当かどうかはわかりません。 

 

ですがこの出来事以来、私は霊感があるという人から高確率で 

「あなたに武士の守護霊みたいなものが憑いている」と言われるようになりました。 

「守護霊みたいなもの」という表現が、少々ひっかかりますが…… 

ある人からは「守ってくれているけど、決していいものではない」と言われました。 

そして神楽舞ですが、祖父が住んでいた地域は現在、市町村の統合などで地名が 

変わり、祭の形態も変わったと聞いています。 

私も兄もモッケが出た夏以降の数年間、祖父の家に泊まりに行くことはありませんでした。 

神楽舞は今でもやっているそうですが、兄や私が習った「武士が魔物を追い払う舞」は 

もうやっていないそうです。 

長々と失礼しました。 

 

少しだけ補足させていただきます。 

後ろの人が平家の落人だからなのか、八幡宮系の神社に足を踏み入れると高確率で 

体調不良になります。 

高校の時、修学旅行で京都に行ったのですが、戻ってから高熱が出て大変でした。 

「幽霊避け」で友人の部屋に行った後はひどい帯状疱疹に悩まされたのですが、 

そちらはただタイミングが悪かっただけかもしれません。 

 

あとモッケですが、鳥山石燕の今昔画図続百鬼に、よく似たものが載っていました。 

そちらでは山精と記載されていましたが。 

ただ私が目撃したのは腰みの姿ではなく、ぼろぼろの着物をまとっていました。 

叔父に聞いてみたところ、モッケを封じた侍も祖父の祖先だそうです。 

ただこちらは源平合戦の頃の話ではなく、もう少し時代が新しい伝承とのことでした。 

 

 

965 本当にあった怖い名無し sage 2012/02/04(土) 19:32:44.38 id:aDm+ARiZ0 

>>949 

 

>舞の締めはいつも「剣を持った武士が龍のような妖怪を追い払う」踊りで 

 

>神楽舞は今でもやっているそうですが、兄や私が習った「武士が魔物を追い払う舞」は 

>もうやっていないそうです。 

 

これ前途では龍という言葉が入ってるけど、 

龍のこと、ではなくて、あくまで龍のような「魔物」でいいのかな? 

 

ちょっと、龍っていうとありがたいイメージがあるから、龍に属するのか、魔物なのか、気になる 

 

 

966 949 sage 2012/02/04(土) 20:07:09.78 id:NGVq4Uxq0 

>>965 

先程もう一度、叔父に聞いてみました。 

数年前に祖父が亡くなったため、今伝承に一番詳しい親族は叔父なので。 

八幡宮にお参りしないほうがいいというアドバイスをくれたのも、叔父でした。 

 

舞でモッケ封じを再現するにあたって、障りが出てはいけないということで、 

モッケの姿をそのままあらわすのではなく、龍のような形にしたそうです。 

今まですっかり忘れていたのですが、そういえば魔物の面は一つ目でした。 

額に角がついた面だったので、子供の頃の私はその魔物を「龍」と認識していたようです。 

 

しかし「障りがあるかも」というのなら、何故わざわざ舞を作ったのか… 

少し奇妙ですね。 

深夜2時頃、窓が全部開けっ放しで、家族全員が抱き合ってテレビを見ていた。

自分の身に起こった今でも信じられない実話です。

まだ僕が中学3年だった頃、父親と母親と弟(まだ小学校低学年)の4人家族でした。
紅白歌合戦を見終わって、いい初夢でも見るかなってな具合で寝たのはよかったんですが、
真夜中に悪夢(見た夢の内容は思い出せない)を見て、突然真夜中に起きました。
心臓は音が聞こえるほど、激しく脈打っていて、脂汗を全身にじんわりかき、
まるで冷や水を背中から流されたかのように、布団からがばっと起きた体勢のまま硬直してました。
「新年早々に悪夢かよ最悪」とか思いながら、また寝れるわけもなく
カラカラに渇いたのどを潤すために、冷蔵庫のあるリビングに行くと、真夜中なのに
(時計は見てないけど、たぶん深夜2時頃)家族全員が抱き合った格好でテレビの前に座っていました。テレビは付けっぱなしで、深夜なので番組がやっていない
のにもかかわらず、ニュース番組(これも記憶が曖昧)の画面が映っていました。
しかも無声で。それに窓という窓が全部開けっ放しになっていて、外と変わらないほど寒いんです。明らかに様子が変でした。ぞっとする寒気を感じました。
「何やってんだよ!!頭おかしいんじゃねぇの??」と震えながらだが、半ばキレたように
怒鳴ると、弟は「だって(声が小さくて聞き取れない)」と言うと泣き出してしまい、それを見た両親は両親は、終始無言&無表情で窓を全部閉めて、
テレビを消し、うずくまって泣いている弟に「もう寝なさい」ってな感じで、寝室に連れて行きました。新年早々、気味が悪すぎる出来事に遭遇しまくって寝る気が起きないので
その日は自分の部屋で、漫画を読みながら朝を迎えました。
朝になって、両親に「昨日、真夜中に何やってたんだよ??」と聞くと
両親は「はぁ??」ってな具合。昨日の喜怒哀楽のない顔と、今の怪訝そうに
俺を疑う表情のギャップで俺は「幽霊ってやつか??」とかなりパニくった。

 

589 本当にあった怖い名無し 2005/12/07(水) 17:15:27 id:PKRMIdDv0

まあ、そんな話を友達にしても疑われるだけだし、12月に彼女に振られたのも
あって、きっと精神的な疲れから幻覚を見たんだろうってな感じに処理しました。
それからしばらくして、また真夜中に悪夢で目が覚めました。今度は、微妙に内容を覚えていて、見知らぬ人に後頭部を殴られる夢です。なぜか起きてもジンジンとつむじ辺りが痛いんです。そして、なぜか「コンビニなら安全
とか意味不明なことを考えてました。
頭の中は「幽霊に襲われた」って考えが支配してて、パニクってリビングに逃げたのですが誰もいないし、なんか夕食の焼肉のせいか、焦げたにおいが浮遊してて、しかも新年早々にリビングであった奇怪な出来事を思い出し、またもや眠れぬ夜を過ごしました。
そして、2月の初め頃になると、体が異常に痒くなってきました。
最初は単なる乾燥肌と思ってましたが、背中と頭が特に焼けるような感覚を覚え、ボリボリ掻きむしっていました。一向に良くならず、皮膚科に行って塗り薬をもらい、風呂上りに薬を塗ろうとすると、弟が「塗らせて」と懇願するので
背中を突き出してやると、何を思ったかバチーンと背中に張り手をくらわしたので、痛さのあまり「ふざけんな!!」ってな感じで怒ります。
必ず俺の怒鳴り声で泣く弟なので、見る見るうちに目に涙をためて、「あぁ泣くぞ泣くぞ」
と思ってると声も立てずに涙をポロポロ流します。
変なことにどんどん顔は色味を失ったような感じになって、ついには無表情で涙だけを流すだけといった感じでした
597 
本当にあった怖い名無し 2005/12/07(水) 17:36:00 id:PKRMIdDv0

めっちゃ気持ち悪くて、両親のほうを見たら、これまた両親も無表情で涙を流してます。もう完全に放心状態。よく見ると口元が微妙に動いてて何を言っているのか分かりません。「ぁ……ぃ」聞き取れてこの程度でした。
その瞬間、自分の周りの景色が真っ赤になり、徐々に色あせてセピア色になって
意識がなくなると思ったら、いきなり周りの景色が一変してました。
どっかで見覚えあるようなと思ったら従兄弟の家でした。
深刻そうに叔父が俺の顔を見ています。
「え何でここにいんの??」全然事態が飲み込めません。
そのうちぞろぞろと周りの人たちが集まってきました。
最初は「今までのは全部夢だったのか??」と自分で推測してましたが、叔父の家にいる
経緯が全く分からないし、なぜか祖父母もいるし、あちこち包帯だらけで、完全にパニック
「記憶がないならないほうがいいんじゃないか??」とか祖父が言ってたのですが、
叔父は「こいつには何があったか話しておかんとならん。まだ犯人も捕まってないし、
1
週間後にまた警察の人が来るだろう」ってな具合で叔父から全貌を聞いた。
僕の家族は11日に何者かの放火にあって全焼したようです。
僕はたまたまコンビニに行っていたので、助かったみたいなんですが、
犯人と思われる人を見たために、後頭部を殴られ、全身をバットかなんかでめったうちにされて、記憶を失ってしまったそうです。
搬送先の病院でずっと生死をさまよった後、回復してから叔父の家に引き取られたそうです。そして今は3…2ヶ月も記憶を失ったまま、リハビリを続け、たった今、記憶が戻ったとのことでした。

 

600 本当にあった怖い名無し 2005/12/07(水) 17:49:58 id:PKRMIdDv0

僕は号泣しました。いっぺんに大切なものを失ったのを、2ヶ月も過ぎてから
分かり、ただただ泣きじゃくる顔を、祖父母と叔父に見られていました。
叔父は黙って目を反らしていましたが、祖父母たちももらい泣きして、わんわん泣き続けていました。
体中には青あざが無数にあり、包帯がミイラのごとく巻いてあり、節々が曲げるためにチリリとした痛みが走りました。
なぜか真冬の真夜中に全部の窓が開いてあったこと、無表情で固まりあう家族、
見知らぬ男に殴られる悪夢、突然真っ赤になった景色まるでジグソーパズルのように謎がピシピシとはまっていきました
結局、犯人はいまだに捕まっていません。そして、背中の包帯を取ったときに
僕の青あざが残る背中には、弟の手のひら状に無傷だった跡がありました。
事件から5年経ち、あざが消えるのと共に、その手のひらの跡も消えてしまいした

長々と下手な長文すみません。僕にとっては忘れられない事件です。
話自体は怖くないと思いますが、犯人が未だに捕まっていないことを考えると僕はそっちのほうが恐ろしいです。
読んでくれた方ありがとうございました

601 本当にあった怖い名無し sage 2005/12/07(水) 17:55:40 ID:/lGF9D3p0

十分こわいよ。乙!

602 本当にあった怖い名無し sage 2005/12/07(水) 17:56:01 ID:/lGF9D3p0

ニュースには出なかったのか?

603 本当にあった怖い名無し 2005/12/07(水) 18:05:29 id:PKRMIdDv0

>>602 小さくですが地元の日報にしっかりと載っています。
犯人は生き証人の僕を殺したと思い込んでるので、下手に報道して
生きているのがばれるとまずいと判断したようで、叔父の友達の政治家を通して
手を回してくれたみたいです。だから、僕のことは記事にはなっていません。

『呪い』皆さんは赤口さまって遊び知ってますか? 

ええとこんばんは。 

皆さんは赤口(しゃっこう)さまって遊び知ってますか? 

 

こっくりさんみたいなものなんですがこっくりさんは占いとかの為じゃないですか? 
赤口さまは違うんです。赤口さまは呪いの為。 
つまり根本的に目的が違うんですね。 

ここで「そんなの聞いた事ねえよプゲラ」って人がほとんどだと思います。 
それもそうでしょう。これはもともと「表」の遊びではありません。 

もともと「遊び」という言葉は今使われている意味ではなかったそうです。 
「神」との交信の様な意味だったそうです。この遊びはそういった意味の「遊び」なのです。 

前置きが長くなりました。 
私がこの遊びを知ったのは去年の事です 
 
同僚のSと飲みに言った時の事でした。 
Oのヤツ、ホント腹立つな」 
ポツリとSが漏らした言葉に私はおおいに賛同しました。 
O
というのは私達が所属していた部署の上司で 
性格が悪い上に部下の手柄を横取りしたりするような人間で職場の皆に嫌われていました。 
しばらくOの悪口を言っていた私達ですが 

「なぁ。Oに一泡吹かせてみんか?」 
興味を持った私はSに詳しく話しを聞いてみました。 
聞くところによるとSの実家の方には赤口さまという呪法があるそうです。 
それを行えば呪った相手に様々な危害を与えられるというのです。 

 

酔っていた事もあり私は 

「やろうやろう!」 

と承諾してしまいました。 

 

それから一週間後の事です。 
私の携帯にSから電話が入りました。 
「おうKか?こないだ言ってた赤口さまやるからHの家にきてくれや」 
すっかりそんな話など忘れていた私は正直めんどくさいのでいやでしたが 
しぶしぶ行く事にしました。 

軽く着替え車に乗り込みHの家に向かいました。 
「いつのまにかHまで巻き込みやがって……。」 
そんなことを考えながらHの家に着きました。 

中に上がるとSHが私を迎えました。 
「おう、よくきてくれたな。これ3人じゃないとできんのよ。」 
そういえばこの間もそんな事をいっていました。 
「これやるには3人じゃないとできん、できんのよ。」 
なぜ3人なのかはその後のSの説明で解りました。 

まず赤口さまをやるには3人が等間隔で三角形になるように座ります。(正三角形ですね) 
そして3人の前に一枚ずつ紙を置きます。紙には50音を書いておくのですが 
今私達が使っている「あいうえお」ではなく「いろはにほへと」のほうで書きます。 
そして裏面に自分の名前を書きます。(Sの前の紙ならSHの前の紙ならHです) 
一人目は二人目の方を向き二人目は三人目の方を向きます。 
3
人目は三角形の中央を向きその中心に赤口さまへの供え物と同じく50音を書いた紙を置きます。 
(ちなみに「供え物」はSがどこからか拾ってきた野良猫でした。遊びでも気味が悪いと思いました) 

 

「じゃあ始めるか」 

Sに教わった通りに私とHは怪しげな言葉を紡ぎました。 

順番はH→→Sです。 

H「一つ一人の恨みを連ね」 

私「二つ二人の恨みを重ね」 

S「三つ御霊を御呼びしたい」(だいたいこんな感じでした) 

 

果たして周りにはなにも変化はなくH 
「ははは、やっぱこんなもんか…… 
その時でした。辺りの空気が変わったのが感覚で解りました。 

さっきまで何ともなかった空間が急に重苦しくなり言葉を発する事すらできません。 
3
人とも無言になり辺りが異質な静寂に包まれました。 

見るとSが顔を真っ青にしながら手を4枚目の紙に伸ばしています。 
指は文字を指し占め始めました。 
「う ら み つ ら ぬ る も の を し め せ 」 

次にHの顔が青ざめ自分の紙に指を這わせます。 
「@ @ @ @ @ @(Oの名前)」 
H
までがおかしくなり私はこの場から逃げ出したくなりました。 

しかし異変は私にも起こりました。 
指が勝手に紙へ向かうのです。 
そして紙の上で止まりました。つまりは恨む相手を教えろという事なのでしょう。 
「@ @ @ @ @ @ 」 
自分の意思でOの名前を指しました。 

正直ここまでの事が起こるとは思いませんでしたし、もしや本当にOに何か起こるかもしれない 
そう思いましたがどうする事もできません。 

 

そしてSの番が来ました。Sの腕は中央の腕から自分の紙へ移り 

「@ @ @ @ @ @ 」 

こうして3人が3人ともOの名前を出しました。 

もうこの後どうなるのか3人とも死んだような顔をしていたと思います。 

 

するとまたSの腕が中央に向かいました。 
「う ら み つ ら み し か と と ど け る  
か わ り に く ち に の り を さ せ よ」 

途端ビクンとSが震えました。次の瞬間Sは猫に覆い被さります。 

ボシュッ 

そんな感じだったと思います。 
S
は猫の首に喰らいつきました。骨を砕き肉を喰らうSは正に鬼でした。 
猫は目を飛び出しそうな程見開きましたが間もなく気味悪く痙攣し始めました。 
そのままSは頭に口を移し猫の頭部を三分の一程喰らったと思います。(食事中の方すいません) 
猫の頭から脳?らしき物がずり落ちていました。 
S
の口は猫の血で真っ赤に染まっていました(恐らくこれが赤口さまの由来でしょう) 
そこでSは正気に戻ったようです。その場で嘔吐し猫の一部だった物はその場にでてきました。 
S
はそこでうずくまりガタガタと震えていました。 

 

 

私とHで無言のまま猫の死骸を片付けました。あの時の嫌な匂いはしばらく忘れられませんでした。 

どうにかSを落ち着かせ自宅に送りました。一人家に残されたHはさぞSを恨んだでしょう。 

(猫の血だけはどうしても落ちず後で床を一部取り替えたそうです) 

 

次の日、昨夜の嫌な事を思い出していた私は会社に行きさらに驚きました。 
昨夜Oが車に引かれ死んだというのです。しかも一度引かれた後に二代目の車にひかれ 
頭部は破砕。即死だったとの事でした。 

私とSHは罪悪感よりも恐怖に怯えました。いい様のない恐怖でした。 
私達は絶対に他言すまいとこの話を封印しました。 
S
はしばらくして会社を辞めました。今はというと精神科に入院しています。 
あのあとしばらくしてSHを食べました。ちょうどあの後から4日目でした。 
といってもHは右耳を食いちぎられた程度で済みましたが。 

Sはそのまま施設に送られました。Hと私は今も会社に勤めています。 

何故この話をここで書いたかというと私のところに赤口さまがたびたびくるからです。 

「ま だ ま だ た べ た り な い た べ た り な い  
た べ た り な い た べ た り な い た べ た り な い  
た べ た り な い た べ た い た べ た い た べ た い」 

最近Sを見るとどうにも食欲が止まらなくなります。Sも同じようで私を見る目が 
明らかに違います。このままでは私達はどちらかに食われるでしょう。 
これを見た方、お願いです。どうか憎い人がいましたら赤口さまを呼んでください。 
そして赤口さまに供え物を捧げ貴方の憎い人を消して下さい。そうすれば私達は助かると思います。 
お願いします。どうか赤口さまを呼んでください。貴方にも悪い話ではないです。 
お願いします。赤口さまを呼んでください。お願いします赤口さまをよんでください

(洒落怖)「すいません、うちの娘が」・・・全身に鳥肌が立ち「ヤバい」という気持ちになった

 

 

私が大学生の頃。帰りにタバコを買おうと思って足を止めたときのことでした。
6、7歳位の女の子がそばに寄ってきたのです。
「こんにちは」
渡しは変な子だなと思いましたが一応「こんにちは」と返しました。
「なにしてるんですか」
「何ってタバコ買おうとしてるんだけど」
妙に話しかけてくるその子に私はついそっけない態度で接していました。
私が財布を出しタバコを買い終えるまで
その女の子は「いい天気ですね」とか「何年生ですか」とか話しかけ続けてきました。
私は適当に答えていました。
私がそこを離れようとするとその子は
「お母さんが呼んでるから来てください」
と言って私の手を引っ張るのです。
私はいよいよおかしいと感じました。私に用があるとでも言うのでしょうか。
私はなんとか誤魔化して帰ろうとしましたが
女の子はこちらを振り返りもせずに「呼んでますから」と言い続け
私を連れて行こうとするのです。
私はその執念のようなものに引きずられるかのように女の子の後に付いていきました。
もしかしたら本当に困っているのかもしれない、と思いもしました。 

 

5分ほど歩くと少し大きめの公園に着きました。

ブランコやジャングルジム、藤棚やベンチが見えます。

夕暮れ近いせいか、人影はありませんでした。

女の子は藤棚の方に私を連れて行きました。

その公園の藤棚は天井の他にも側面の2面にも藤が伸びるようになっていました。

中にはベンチがあるのでしょう。

女の子は「お母さん連れてきたよ」と藤棚の中に向かって呼びかけました。

私からは角度が悪くてそのベンチは見えませんでした。

中を覗きたかったのですが私の手をしっかり握っている女の子を

振りほどくのがなんだか悪いような気がして出来ませんでした。

「すいません、うちの娘が」

と藤棚の向こうから声がしました。普通の、何の変哲もない女の人の声でした。

ですがその声を聞いた瞬間、

全身に鳥肌が立ち「ヤバい」という気持ちになったのです。

一刻も早くそこから逃げ出したくなりました。 

 

 

「わたし、遊んでくる」

と唐突に女の子が言い、藤棚のすぐ向こうにあるジャングルジムへ向かって行きました。私ははっと我に返りました。

「すいません、うちの娘が」

また、あの声がしました。なんの変哲もない声。今度は鳥肌も立ちません。

気のせいだったのか

私は意を決して藤棚の向こう側、ベンチの見える場所に

ほとんど飛び出すような勢いで進みました。

飛び込みざま、ばっとベンチを振り返ります。

そこには少し驚いたような顔をした女性が座っていました。

肩くらいまでの髪をした30過ぎくらいの女性です。

「すいません、うちの娘が」

彼女は今度は少しとまどい気味にそう言いました。

なんだ、普通の人じゃないか、そう思うと急に恥ずかしくなり

私は「ええ、まぁ、いえ」などと返すのが精一杯でした。 

 

 

私はその後、その女の子の母親と軽く世間話をしました。

天気がどうだの、学校がどうだのとどうでもいい話なので省きますが。

母親も言葉少なですが普通に話していました。

女の子は藤棚のすぐ隣、私の背後にあるジャングルジムで遊んでいます。

そろそろ日も沈もうかという頃合い。

公園はオレンジ色に染まりつつありました。

 

私はふと、当初の目的を思い出しました。
何故私がここに連れてこられたのか、です。
そこで「あの、どうして僕をここへ」と問いかけました。
その瞬間です。

「チエっ!!」(※注:仮名)

と、もの凄い声で母親が叫びました。おそらくあの女の子の名前。
私はばっと背後のジャングルジムを振り返りました。
すると目の前に何かが落ちてきて
鈍い音と何かの砕ける音が足下でしました。 

 

ゆっくりと足下に視線を向けると

あの女の子、チエという女の子が奇妙にねじくれて倒れていました。

体はほぼ俯せなのに顔は空を向いています。見開いた目は動きません。

オレンジ色の地面に赤い血がじわじわと広がっていくのを

私は呆然と見ていました。

警察、救急車、電話などと単語が頭の中を飛び交いましたが体は動かなかったのです。

 

そのとき女の子がピクリと動き、何事かを呟きました。
まだ生きてる!と私は走り寄り女の子が何を言ってるのか聞き取ろうとしました。
かあ
お母さんと言ってるのか!?
私は藤棚を振り返りました。
ですが彼女の母親の姿はそこにはありませんでした。
そういえば最初に叫んだときから母親はここへ駆け寄ってもきていません。
助けを呼びに行ったのでしょうか。 

 

「おいちゃ

再び女の子が呟いたので私はそちらの方を向きました。

大丈夫だから、お母さんが助けを呼んでくれるから、と

そんなことを女の子に言ったような気もします。

でも気休めです。どう見ても首が折れているようにしか見えませんでした。

私は今ここにいない彼女の母親に怒りを覚えました。

「おかさんが……よんで」女の子はまだ呟いています。

 

……おかあさんが呼んでるから

私は上、ジャングルジムを見上げました。

そこにはさっきの母親がぶら下がっていました。
濁った目、突き出た舌、
あまり書きたくない。死人の顔です。

そして母親の外れた顎がぐりっと動き、
「すいません、うちの娘が」

あとはあまり覚えてません。
私はその時に気を失ったのだと思います。
私は気づくと夜の公園で呆けていました。
そのジャングルジムはその後取り壊されたと記憶しています。 

ウヅガアさん

明日も早いので投下するだけ投下します。
あ、ところで、けっこう前に、神社の下で寝泊まりしてたら幽霊だと思われてばあさんが死んだって話なかったっけ?
あれまとめサイト入ってる?
それでは投下。

うちは田舎の農家で、母屋、倉、便所に囲まれるみたいに庭がある。
で、庭の隅の方に三十センチくらいの高さのまるっこい石が置いてあって、正月に餅を挙げたりする。父親はその石をウヅガアさんと呼んでいた。
小さい頃、秘密基地に使おうと思って手を出したら、軽トラの掃除してた母親がすっ飛んできてぶん殴られた覚えがある。触ってはいけないものらしい。
そのウヅガアさんの話。
確か三が日が過ぎてすぐだったと思う。夜中、ウヅガアさんの方から猫の声がした。ぎゃあぎゃあ鳴いている。
当時、同じ部屋で寝起きしていた俺と兄は顔を見合わせた。猫の季節ではない。
俺「餅かなあ」
兄「餅じゃない」
ウヅガアさんに挙げる餅は大人の掌ぐらいのサイズで、翌朝くらいには狸か犬か知らないけど、動物が食べたようなあとが残っている。
俺も兄も、きっと猫がウヅガアさんの餅を食いにきて喧嘩でもしてるんだろうと思った。
無視する事に決めて、しばらくは馬鹿話をしたりしていた。
でもその内鳴き声はどんどん大きくなってきて、窓のすぐ外で鳴いてるみたいになってきた。とうとう兄が立ち上がった。
兄「うるせえなあ。おい、k(俺)一緒にこい」
俺「一人で行きゃいいじゃん」
兄「こういう時は一人で行かないもんなんだよ」
という訳で、俺と兄は懐中電灯を持って庭へ出た。寒くて寒くて、パジャマの上にコート羽織ってニットまで被ったのを覚えている。
兄も「さみー」等と言いつつ、庭を突っ切ってウヅガアさんの方へ歩いていった。
兄「あ、やっぱ猫じゃ…うおおっ?!」
猫ではなかった。

そこにいたのは、裸の子供だった。
ウヅガアさんにべっとり張りついてぎゃあぎゃあ鳴いていた。

986 続き sage 2006/06/17(土) 00:04:18 ID:qg6GHBxg0

兄と俺は即座に逃げ出した。うしろからぎゃあぎゃあ言う声がする。
必死で走って、玄関に飛び込むと普段はかけない鍵をかけ先を争って二階の自室に飛び込んだ。
ドアを閉めて顔を見合わせて、俺たちは意味もなく肩を叩き合った。
俺「何あれ?!何あれ?!」
兄「知らねーよ!!何あれ?!」
俺も兄も半泣きだった。とにかくその日は兄のベッドに二人で潜り込んで朝までガンガンにハードロックかけて震えていた。
曲と曲の合間に、窓のすぐ外からぎゃあぎゃあ言う声が聞こえた気がした。
翌朝、結局一睡も出来なかった俺たちは、母親が食事の用意を始める音を聞くと食堂へ駆け下りて怪訝な顔をする母親に喚き立てた。
兄「母ちゃん!!ゆうべお化け見た!!」
俺「ウヅガアさんのとこでお化け見た!!」
母親の顔がはっきり強張った。
母「何?! あんたら、見たの?!」
兄「ぎゃーぎゃー言うから猫だと思って追っ払いに行ったら、おかっぱで裸の…」
母「言うな!!!」
母親の剣幕に俺たちはビックリして固まった。母親は濡れた手で兄ちゃんと俺に平手打ちを喰らわせると、「父ちゃんのところに行け!!」と怒鳴った。
もう訳が分からない。兄と俺は本気で泣きながら父親のところへ行って、まだ寝ていた父親を叩き起こすと一部始終を話した。
父親は難しい顔をして聞いていたが、最後に一言尋ねた。

987 続き sage 2006/06/17(土) 00:05:18 ID:qg6GHBxg0

父「y(兄)、お前、ウヅガアさんのとこで、喋ったか」
兄「…喋った…」
父「kは?」
俺「喋ってない…」
「そうか」というと父親は俺に待っていろと言い、兄だけ連れて部屋を出た。
俺は一人でいるのが心底嫌だったが、去年死んだ校長先生(w)に必死に祈っていた(他に身近で死んだ人を思いつかなかった)。
しばらくして父親が帰ってきた。兄はいない。
父「yはしばらくカミのイッドーさんとこに行く。お前は川に行って丸い石を年の数だけ拾ってこい。拾ったら帰りは振り向くな。家出てから門くぐるまで喋っても駄目だ」
俺は意味が分からないながらも父親の言う通り、丸い石をいくつか拾って帰った。
ウヅガアさんの方は見ないようにした。戻るとちょうど兄が母親の車に乗せられて出かけて行くところだった。兄は青い顔をしていた。
石は家の中のいろいろなところに置いた。玄関、部屋の入り口、便所、風呂、台所とかだったと思う。
最後はウヅガアさんのところに連れて行かれてウヅガアさんの前に最後の一つを置いて、思いっきりその石を踏まされた。
俺はこれでおしまいだった。
しばらく怖くて父親と一緒に寝ていたが、特に変わった事もなかった。

988 続き sage 2006/06/17(土) 00:06:22 ID:qg6GHBxg0

カミのイッドーさんちへ行かされた兄は大変だったらしい。カミのイッドーさんはいわゆる本家だ。
未だに兄は詳しい事を教えてくれないが、毎日神様拝みをしてお神酒を枕元に挙げて従妹と同じ部屋で寝ていたらしい。
お神酒は朝起きると黄色くなっていたという。従妹といってももう四十近い人だったのだが、必ず化粧ポーチを足もとに、櫛を枕元において、「カ行」の多い祝詞みたいなものを毎朝称えていたそうだ。
帰ってきたのは十日後だった。
兄はげっそりやつれていて、決してウヅガアさんの方を見ようとしなかった。

それからも餅を挙げたあとはたまに「ぎゃあぎゃあ」が聞こえた。
その度に俺は父親の部屋へ入り浸り、兄は正月をイッドーさんちで過ごす事になった。
未だにアレが何なのかは教えてもらえない。
皆さんも、石にべったり張りつくおカッパの裸の子供を見たら、決して声を出さず他言しない事をお勧めする。

というわけで、これから俺はイッドーさんち行きです。
単位危うくしつつも現世と隔絶した生活を送ってきます。
イッドーさんちで聞いてみるけど、「ぎゃあぎゃあ」に心当たりある人、情報おくれ。
長文ごめん。ほんとごめん。

244 前スレウヅガアです sage 2006/06/18(日) 21:36:39 ID:hbbVXB0p0

一番洒落にならないのは、出かけてた間に集中が終わっていた事だ。さようなら俺の必修…
イッドーさんちに行ったのは、先日ウヅガアさんを俺が蹴っ飛ばしたから。
酔っぱらってて、自転車から降りた瞬間よろけて蹴っちゃったんだよね。
こりゃヤバいと思って自主的に行きました。で、イッドーさんち行くなら同じだと思ってカキコ。結構反応よかったみたいで、良かったですw
以下イッドーさんちで聞いてきた事。

・カミのイッドーさんは「上(地名)の一統さん」。
・ウヅガアさんはウジガミさん。旅の山伏かなんかを殺して埋めたとか言うけど多分嘘だろうとの事。
・「ぎゃあぎゃあ」とウヅガアさんは別。ウヅガアさんは家の守り神(でも凄く良く祟る)で、「ぎゃあぎゃあ(イッドーさんたちはワロ(バロ?)といっていた)」はもっと良くないもの。何なのかは教えてもらえなかった。
・イッドーさんちのじいさんの弟も昔見たらしい(推測)。十三歳で死んでいる。
・あの変な祝詞は「カカカイオヤソ、ケカレカンガロ、ククッテカシコン、カシコンデコモ、コモ」(耳コピー)。意味不明w
・イッドーさんちにもウヅガアさんがあった。ウッガアさんと呼ばれていた。
・「ぎゃあぎゃあ」はイッドーさんちには出ない。エダ(分家)ばっかり、四、五回くらい出たが、姿を見たのは前述のじいさんの弟と俺たち、あと近所の人。
・姿を語るといけないらしい。

245 前スレウヅガアです sage 2006/06/18(日) 21:38:37 ID:hbbVXB0p0

意外と早く帰って来れたのは、今回は直接見た訳でも「ぎゃあぎゃあ」の前で喋った訳でもないからだそうです。但し、蹴っ飛ばしてウヅガアさんを動かしちゃったのはまずかったそうで、しばらく家で神様拝みをして、ウヅガアさんに餅と御幣を挙げなさいとの事。
しかし謎だらけなので、某地方大で民俗学やってる友達に聞いてみました。

・ウヅガアさんは典型的な屋敷神だろう。正月に餅上げるし、一般的に良く祟るから。氏神、内神の転訛(なまり…?)だろう。
・喋ってはいけない、振り向いてはいけないというのは葬式、しかも野辺送りの時の作法に似ている。
川原石を拾ってくるのはお墓の周りに積んだりする事もある。乳幼児が亡くなったとき、墓石を立てずに川原石を積む事もある。
・年の数、というのが面白い。多分身代わりみたいな意味があるのでは。
・石を踏んだのは、踏む事に呪力があるとされるから。相撲と一緒。(…?)
・従妹は多分姉妹の代わり。姉妹は兄弟に対して強力な呪力を持つとされる。「妹の力」。
・化粧道具と櫛もそう。血のつながった「女」である事が重要。

だそうです。詳しくは概説書を読め、だそうで。
結局謎が増えただけですたorz

246 前スレウヅガアです sage 2006/06/18(日) 21:50:52 ID:hbbVXB0p0

そいでもって「ぎゃあぎゃあ」の容貌についてですが
どうなんだろう。いいのかなこれ。大丈夫かな。
不安なので間接表現で。
まず呪怨の子供にぼさぼさのおかっぱヅラを被せます。
で、もっと目を大きくしてぷにっとさしてなんか「ぽー」って感じの顔にします。
猫みたいにくったりさせてぎゃあぎゃあ鳴かせるとそんな感じ。

あーでも大丈夫かな俺。駄目だったらまたイッドーさんち行きな訳ですがw

445 ウヅガア最終報告 sage 2006/06/21(水) 21:52:43 ID:y2dcypjh0

きっと誰も待ってないと思うけど。
ここ以外に報告できるような場所もないのでorz

イッドーさんちを出て都会でキャリアウーマン(w)してるイッドーさんの長女に話を聞けました。
大人がぼちぼち離してくれたのをまとめた感じらしいです。
つうか俺こんな事してるとその内死ぬんじゃねえのかな。
以下報告。

・「ぎゃあぎゃあ」は「ワロ」で「シロゴ」だ。
・イッドーさんの更に本家(山越えて他県、今はもう死に絶えてる)は、神様拝みをする家で、
シロ(寄り代っていうの?)に松葉の人形を使っていた。
・でも実は気合いの入った(w)拝みをする時は、子供をシロに使う。
その子供はシロ用に生ませた子で、よく分からん儀式をしたあとで父と娘か母と息子で生む。
とにかく沢山うんで、全員まとめて奥座敷(でかい座敷牢のようなものではないかとの事)で育てる。
・シロゴと同時に姉弟もしくは兄妹でサイと呼ばれる子供を産むこともたまにある。
サイはエダ(分家)に里子に出される。
・シロゴは大抵カラゴ(いわゆる障害者ではとの事)で、一回きりの使い捨てだ。
・使ったら石(=ウヅガアさん?)で殴り殺す。同時にサイを戻して神様拝みをさせ、遠くの村に嫁・婿にやる。
・本家がつぶれてから(明治半ばくらいらしい)、エダで一番古かったカミのイッドーさんちが本家になったが、
カミでは作法を知らなかったので、ワロを使った神様拝みはしなかった。
ワロの鎮め方だけどうにか知っていた。

…嘘くさい!すげえ嘘くさい!! 伝奇ものホラーゲームの設定みたい!!
けど背筋が凍るほど怖いのは俺だけですか?
そんな訳で最近左右の目で見え方が変わってきている俺でした
明日眼科行ってきます

三つ目の神様

洒落にならないまでかは分からないがひとつ 

島根県のある地方で。 
現在二十歳の自分はほとんど山の中に住んでいる。 
普通山の麓や悪くても道の通った中腹に住むのが一般的だ。 
何故か我が家は寺や林業に従事している訳でもないのに頂上付近の山中に家が構えてある。 
幼い頃からだったので特別不思議はなかったし、逆に見晴らしのいい場所で嬉しかったもんだ。 

幼い頃よく山で遊んだ。山全部が自分のものみたいで嬉しかった。 
誰も来ないし、辺鄙な場所なのに秘密基地があった。そんな場所必要ないはずだが、子供とはそんなもんだ。秘密と名がつく自分だけの場所ってのは存在するだけ楽しいもんだ。 

その場所は神社。しかも完全な正方形で左右対称。木の位置や庭石みたいなものの数まで。 
さらに凄いのは前後も鏡みたいに対象なんだ。 
奇妙なんだけど、鳥居も東西南北にあり、社も四面にある。 

834 本当にあった怖い名無し 2009/08/24(月) 04:33:29 ID:F2cAW3VfO

勿論狛犬も八体いる。 

そんな奇天烈な神社で人も来ないもんだからちょくちょく一人で来てた。 
一人しかいなかった訳じゃない。1キロ下には幼なじみがいたから行けば良かったんだけど、この神社には連れて行けなかった。 
祖父に他人を連れて行っては行けないとキツく言われていた。 
さらにキツく約束させらるていた事は、「この神社は西から入って南から出なければいけない。10月だけは北から入って出口は東 
さらに夜は行っては行けない。もし行ったら鳥居じゃない場所から出る事」 
という約束。 
なんか本当に秘密基地みたいで嬉しくて自分は暗号みたいなもんだったし、祖父が大好きで守っていた約束だった。 

そして先日大学に通っていて久しぶりに帰る事になった。 
そして今夏の盆に祖父と久しぶりにその神社の話をしたんだ。 

また続く 

835 本当にあった怖い名無し 2009/08/24(月) 04:43:34 ID:F2cAW3VfO

酒を飲むようになった自分に喜んで祖父はどんどん勧めてくれるから二人して多いに飲んだ。 
翌日二日酔いの早朝に祖父が自分を起こす。早朝どころかまだ夜中の3時。 
祖父は真っ白な服を来て白い徳利に日本酒を持っていた。 
さらには肩には朱色のしめ縄。 

「夕べは楽しかったな。 
朝早くて済まないな。これから大事な用がある。 
夕べ話した神社に着いて来てくれ」 
眠くて冗談じゃないと断ろうか迷ったが、祖父は深刻な顔をしている。

いつも優しい笑顔で微笑みを浮かべる仏様みたいな顔の祖父。 
その顔がイーストウッドのような渋い険しい顔になっている。 

何かあると思い。着いて行く事になった。 

夜だが、朝に近い。秘密基地の約束からするとこの場合どこから入るのだろうか?と思案していると 

838 本当にあった怖い名無し 2009/08/24(月) 04:57:07 ID:F2cAW3VfO
「北から入り、西の空より風を追い。東の光に雨を掛け、また北より出でる。 
南にあるは死の国ぞ。根の国ぞ。 
世見の囲いにはりたもう。はいりたもう。 
天下りし神の園。スサの大神、御神石。 
はらいたまえ、きよめたまえ 

四神の封じに参りたるかな。氏の繋ぎたるをかしき、申す、申す、申す、申す。 
地の蛇、草蛇、黒の蛇、八つ首蛇。 
スサの大神剣を巻いて 
」 

こんな感じで唱え出した。後に自分も暗記させられた。 
実はまだ続きもあるし、実際少し改変してあります。 
完全な言葉は言ってはいけない決まりらしいので 

839 本当にあった怖い名無し 2009/08/24(月) 05:11:41 ID:F2cAW3VfO
その長い祝詞のような呪文のような言葉が終わり、ちょっと変わった方法で神社にやっと入った。 

そして自分は南の鳥居で待たされ祖父は1人で南側だけを閉めて、残りを開け放ち社にいた。 
こちらからは何をしているのか見えない。 

しばらくすると左右の御神木から真っ白な人が神主が持ってるヒラヒラを背中に何枚もはためかせ出てきた。 
で、目が三つあるんだよね。背中の方光ってるし。 

自分は無論ブルブルマックス。生まれて初めて失禁した。人間びびると尿を漏らすのは本当だと実感した。 

時間の感覚がなくなるというか、止まったと思った瞬間だった。 
南の社の扉が大きく、強く開いた。当然祖父だと思った。 
祖父は祖父だけどなんか違和感があった。「そいつらから離れろ!」 
って言うんだ。 
でも自分は左右にいる2人の白いのは神様って分かってたから、信心深い祖父が神様をそいつらと表現するのに疑問と違和感を覚えた。 
感は正しかった。祖父は、いや祖父みたいなもんの首がいきなり転がって首のあった場所から真っ黒な蛇が何匹か出てきた。 
自分は霊感はあんまりないはずだけど、この黒蛇だけはヤバイって感じた。幽霊とか、悪霊とかってレベルじゃないと直感的に悟った。 

すると 
左右の神様?が剣を持ってるのに気付いた。 
助かるぞって期待した。 
そしたらそれぞれ左右の、東西の鳥居の方へ離れた。 
神様も初めて見たから怖かったけど、黒い邪悪な蛇ははるかに怖かった。害意と殺意はハッキリ伝わってたから。 
頭が黒蛇の祖父の偽物みたいなのが、一歩、二歩とこちらに近づく。 
あぁぁこりゃ、死んだな。神様もじいちゃんも助けてくんねーかなって思ってた。 

常人の自分はこういう話しの定番で気絶してたみたい。 

気付いた時は四方を開け放った社にいた。ど真ん中に剥き出しの御神体。剣なんだけど、かなり錆びてるやつ。 
いつもの仏様みたいな優しい祖父の笑顔。 

「良かった。説明は短めにするから聞いてくれ 
我が家は何代前かは分からない位昔からあの神社の護りをしてきた。 
分かってるとは思うが、あれは普通の神社じゃない。参拝客が来ないとか神主がいないとか、賽銭箱がないとかじゃない。 
そしてさっきお前が見た神様も蛇も夢じゃない。 
あれはな、もっと偉い神様の記憶なんじゃ。そして、お前に役目を引き継ぐ儀式だ。 
ワシも昔祖父から引き継いだ。 
しかし、お前の両親は知らない。代々孫に引き継ぐ決まりなんじゃよ。 
怖かったろうなぁ、すまんなぁ。でも運命なんじゃ、これだけは。 
別に何かこれからしなければならないとか、神主になれとかは一切ない。 
とりあえず管理や掃除はワシが死ぬまではやる 

845 本当にあった怖い名無し 2009/08/24(月) 05:41:53 ID:F2cAW3VfO

しかし、死んだらお前がやるんだよ。そしてお前もまた孫にワシがした事と同じ事をするんじゃ。 
儀式と言葉を覚えて、あとは掃除や管理をしておけば良い。あの約束を守ってな。」 
涙を流しながら祖父がそう言った。 
「大学を出たらこっちで暮らせよ。ここでの暮らしが怖くなったろうけど、本当に普段何もしなくてもいいし、お前がまた神社に行っても何も起こらないから安心しなさい。 
」 

今二十歳。あと2年で京都の大学を卒業し、ここで暮らす事は確定してしまった。 
現代人である自分はこんなオカルトな事には関わりたくないが、起こってしまった事は否定しない。 
しかし結婚はしても子孫を残すかどうかは迷っている。 

しかし、こんな不気味で恐ろしい儀式というか習わしがよく今まで家が断絶もせず、今の時代まで続いたなぁと感心している。 
そしてその理由が最近分かった。 

こないだある神社に彼女とおみくじを買いに行った。彼女はおみくじが大好き。 

手を打って目を閉じたらブワッっと風が吹いた。 
彼女はまだ手を合わせて祈っている。 
振り向いたら例の白いヒラヒラ付きの神様二人が狛犬の場所にいる。 

多分死ぬまでこの神様がついてるんだと思った。 
アレしてる時もいると思うと不愉快でならない。 

長い長い信じられないような駄文を書かせて頂きました

呪いの生き人形

439 名前: 生き人形 投稿日: 2000/08/24(木) 01:06

一応載せておきます 

 

稲川淳二氏が、TV等の心霊特集に欠かせない存在になった切欠の心霊体験談がこれです。 

この話は稲川淳二氏自身ももちろん、TV、雑誌、漫画等も今だに敬遠しています。 

それはなぜか・・・・・・祟りがあると噂されているからです。 

いや、正しく言えば今だに関係した者達に祟りが起こっているからです。 

はっきりいって私も此処に書くのは恐いです。(^^; 

皆さんも心して読んでください。 

生き人形の呪いは昭和53年6月から始まりました。 

その日、稲川氏は日本放送の深夜のラジオ番組の仕事をしていました。 

今日は前半を先に録音し、後半を生でとるという方法で番組は作られる事になっていました。 

録音が始まるまでソファーに座っていた稲川氏は、大声で泣いている男の声を聞きます。 

「いったい何がおこっているのだ。」 

廊下に出てみると、二人の男性がかなり離れた場所にいました。 

その一人、うずくまっている男が声をあげて泣いているのです。 

泣いている男性は「南こうせつ」さんでした。 

その南氏をなだめているのが稲川氏の知り合いのデレクターでした。 

皆さんは「わたしにも聞かせて」を御存知ですか? 

かぐやひめ」のレコードに入っていた謎の少女の「台詞」です。 

霊の声が録音された心霊現象として伝説になっている事件でした。 

南さんは、その声を聞いて泣いておられたのです。 

スタッフが南氏に、その不思議な声を聞かせたところ彼は泣きだしたそうです。 

・・・・その声の主、それは南氏がラジオの放送で知り合った少女の声らしいのです。 

彼女は楽しみにしていた南さんのコンサートの前に病気で亡くなったのです。 

その声の主が誰か気付いた南氏は、悲しくなり泣いていたのでした。 

真夜中。稲川氏のラジオ番組は終了しました。 

南氏の事があったからでしょう。 

あのデレクターが一人で帰るのは恐いからと稲川氏を待っていました。 

稲川氏はそのデレクターとタクシーで帰宅する事になりました。 

帰宅中、後ろの席に座る彼は高速道路で不思議なモノを見てしまうです。 

それは奇妙な標識。・・・・・いや、標識にその時は見えたのですが。 

「高速道路に標識?????」 

再び前方に同じモノが現れました。 

・・・・・・・それが標識では無い事に直に気付き恐怖しました。 

着物をきた女の子が高速道路の壁の上に立っていたのです。 

小さな女の子が。 

稲川氏がソレが子供であると気付くと同時に 

その女の子は「ぶぁ~」と膨らみ、物凄い勢いで車の中を突き抜けて行きました。 

稲川氏は突然の出来事に声ひとつあげる事ができませんでした。 

しかし、不思議な事にそれを見たのは、いや、気付いたのは彼だけだったのです。 



440 名前: 行き人形2 投稿日: 2000/08/24(木) 01:11

そして、次の日の朝、彼の奥さんが不思議な事を言いだしました。 

「昨日泊られた方はどうしたの?」 

昨夜タクシーから降りたのは、もちろん彼だけです。 

とうぜん部屋に入ったのも彼ひとりです。 

彼女は彼の後を付いて入ってきた人の足音を絶対聞いたと言い張るのでした。 

そして、ソレが一晩中歩き回って五月蝿かったと・・・・。 

次の日一緒に帰ったデレクターから首をかしげながら、彼にこんな事を聞いてきました。 

「そんなわけないんだけど・・・・誰かと一緒に降りたけ????・・・・・・・」 

その日の午後、稲川氏に仕事の依頼が入りました。 

人形芝居「呪女十夜(じゆめじゅうや)」 

不幸な女たちの十景のオムニバスで構成される幻想芝居。 

その不幸な女達を人形が演じ、その他の登場人物は人間が演じるというものでした。 

稲川氏は座長として今回の芝居に関る事になっていました。 

打ち合わせ中、その世界では有名な人形使いの「前野」氏から、 

いま作られている人形の絵を見せられて驚きます。 

そこに書かれている絵は、あの高速で見た女の子そっくりだったのです。 

台本がもう少しで出来上がる頃、前野さんの家に完成した人形が届きました。 

稲川氏は台本の打ち合わせをかねて、前野さん宅にその人形を見に行くのでした。 

芝居で使う人形は二体。 

ひとつが男の子の人形で、もう一体が女の子人形でした。 

その女の子の人形が、あの高速で見た人形であり、その後数々の怪奇現象をおこす人形なのです。 

ちなみにその二体の人形は有名な人形作家「橋本三郎」氏が作られました。 

前野さんは数百体の人形達と暮らしていました。 

稲川氏は前野さん宅で出来上がった人形を見て不思議な事を発見します。 

女の子の人形の「右手」と「右足」がねじれていたのです。 

・・・・どうして直さないのかと前野さんにたずねると、「直したくても直せない」と。 

この人形を作られた橋本氏が人形を完成させてすぐに行方不明になっていたからなのです。 

そして、次の日、台本を書いていた作家の方の家が全焼してしまいます。 

舞台稽古初日までに台本は間に合わなくなってしまうのでした。 

稲川氏達は、壊れた人形、そして、台本無しで舞台稽古をはじめるのでした。 

人形使いの前野さんのいとこの方が変死した電話がかかってきたその日から、 

舞台稽古中の彼等に次々と怪奇現象が襲いかかってきました。 

舞台衣装の入れたカバンやタンスに水が溜っていたり、突然カツラが燃えたり、 

右手右足を怪我をする人が続出したりしたのです。 

「呪女十夜」の公演の初日をむかえました。 



441 名前: 生き人形投稿日: 2000/08/24(木) 01:14

が、・・・・・公演開始数時間前に、出演者が次々に倒れてしまったのです。 

喋る事はできるのですが、金縛りのようになって身体が動かないのです。 

初日は昼と夜の2回公演だったのですが、昼の公演はやむなく中止。 

初日で関係者の方が多かったので、昼と夜の部を一緒にしてもらう事にしました。 

「とにかくお札を集めよう。」 

彼等は近くの神社やお寺をまわり、あらゆる種類のお札を持ってきて控え室に貼ってみました。 

効果があったのでしょうか?なんとか夜の部の舞台を始める事ができました。 

やはり、公演中にも次々に怪奇現象が起こりました。 

人形が涙を流し、居るはずない黒子がもう一人居たり、 

そして、突然人形の右手が「ビシッ!」と吹き飛んだのです。 

パニックになりそうになりながらも、出演者達は演技を続けました。 

人形を棺桶に入れるラストシーンをなんとかむかえる事ができました。 

が・・・・ 

棺桶に人形を入れた途端に底が抜け、人形の首、腕、足が千切れてしまったのです。 

ドライアイスを焚いたような謎の冷気をもった白い煙が舞台一面に広がり・・・・ 

夏だと言うのに信じられない冷気に開場がつつまれました。 

幽霊がこわいからって、途中で舞台を投げ出すわけには行かない。 

稲川氏達は、恐怖におののきながらも決められた最終日までなんとか舞台公演を続けるのでした。 

なんとか無事に全ての公演日数を終了できました。 

もう二度とこの劇はしたくないなぁ・・・・全ての劇団員達はそう思っていました。 

とうぜん稲川氏も同じ気持ちでした。 

しかし、最終公演を終え打ち上げをしている稲川氏達に劇場からとんでもない依頼が入ります。 

・・・・・追加公演をしてくれ。 

つぎにここでやる事になっていた舞台が突然中止になったのです。 

・・・・だから、いまやっている舞台を追加公演してもらえないかと。 

スタッフ・出演者達は大反対! 

しかし、人形使い前野さんの異常なほど強い希望により追加公演をする事になるのでした。 

・・・・・・その前野さんのお父さんが急死されたのが次の日でした。 

舞台がなんとか無事に終了した数ヶ月後、この話をTBSの番組 

「3時にあいましょう」が聞きつけて怪奇シリーズで放送する事になりました。 

人形使いの前野さんが、あの人形を保管していました。 

番組撮影のために人形を持って現れた前野さんは少しおかしくなっていそうです。 

その人形をまるで生きているかのように話し掛けていたり・・・・・・ 

やはり怪奇現象が起こりました。 

まずは番組リハーサル中に照明用のライトが落ちてきた。 

そして、生放送の番組中には、人形の上にバックに吊っていたカーテンが突然切れて被さり・・・・ 

女性スタッフ達は恐怖で泣き出してまともな番組にはなりませんでした。 

その後、その番組のスタッフ達に怪我をする人が続出し、 

この番組に関った関係者達はバラバラとTV局を止めていったそうです。 



442 名前: 生き人形5 投稿日: 2000/08/24(木) 01:24

で、 

今度はその話を聞いたテレビ東京のスタッフが、 

その話を番組にしようと、行方不明になっていた人形制作者「橋本三郎」氏を見付けだします。 

稲川氏は本当はこの番組に前回の事があったので協力したくなかったのです。 

もうあの人形とは関りたくなかった。 

しかし、行方不明になっていた人形制作者の橋本三郎氏が見つかったので・・・・ 

と言うことで、しぶしぶ了解したのでした。 

橋本三郎氏はなんと京都の山奥で仏像を彫っていました。 

スタッフ達は橋本氏にあって、インタビューをとろうと京都に向かうのですが、 

インタビュアーの小松方正さんと手違いで京都で合えなくなるわ、 

スタッフもバラバラになるわで・・・・・結局インタビューは撮れなくなってしまうのです。 

日を改めて今度はスタッフだけでインタビューを取りに行くのですが、 

今度はデレクターの奥さんが原因不明の病気で顔が腫れあがったり、 

切符を手配した人の子供さんが交通事故にあったり・・・・不幸な事が続出。 

スタッフ達もいい加減気味悪がったのですが、とにかく番組を完成させるために 

稲川氏をスタジオによんでインタビュー撮影をする事になりました。 

が、稲川氏のインタビューを撮影しようとするとビデオカメラが次々に壊れたそうです。 

3台目が壊れたので・・・・しょうがないから16ミリフィルムのカメラで撮影しようと・・・・・ 

「これは、ある人形にまつわる話で・・・・」 

と稲川氏が語りだすと、本番中なのにスタジオのドアを思い切りたたき続ける音が。 

ドアを開けるがそこには誰もいませんでした。 

京都での取材やらなんやらで、かなり制作費を使っていたのですが、 

これはほんとにヤバそうだからて・・・・結局その番組制作は中止になりました。 

今でもこの時の影像は「テレビ東京倉庫」に眠っているようです。 

流石に稲川氏も恐くなり、人形を持って知り合いの霊能者に相談に行きます 

「・・・・なんかいやな予感がするよ。・・・・見たくないね。」 

と言う彼女に、布に包んだままでいいからと無理に頼み込み霊視してもらうのですが・・・・ 

布に包まれた人形を持った途端に顔色が青くなる霊能者。 

「この人形は生きているよ。それもたくさんの女の怨霊が憑いている。・・・・ 

取り憑いている中でも強いのが女の子の霊で、 

戦前に赤坂にあった青柳って料亭の七歳の女の子・・・・ 

この子空襲で右手と右足がとんでますよ。・・・・・・これにはお対の人形がいますね? 

このままほおっておくとその人形にも憑きますよ。早くお寺に納めたほうがいい。 

これは下手に拝むと襲われる・・・・・ 

いいですね、お対の人形と一緒にお寺に納めるのですよ。」 

・・・・・しかし、その後すぐに、その霊能者は謎の死をとげるのです。 


以上です....が、これをコピぺしてる間にフリーズしまくり! 

 これから何もありませんように... 

絵馬の遺書


8年ほど前、オレが専門学校に通っていた頃の話。 

そのころは専門学校生で、学校でつるんでる仲間とよく心霊スポットに行ってた。 

別に大好きって訳でもなくて、特に行くとこもなくてただドライブしてるだけもつまんないので、適当な目的地として心霊スポットを選んでるってだけだった。 

「うぉ~怖ぇ~」とかその場のノリで言ってはみるものの、別に怖いなんて思ったことは一度もなかった。 




そんなころ、友達が車を買ったというのでその新車でドライブに行く事になった。 

「またKダム行く?」 

「もう心霊スポットええよ~。別に女の子おるわけじゃなし。」 

「行くとこないじゃん。米軍基地でも行こうか?」 

あらかた近場の心霊スポットは行き尽くしたオレたちは、そんなこと話ながらドライブしてた。 

「そういえば!」 

と、友達が話はじめた。 

YってとこにS峰ってとこあるらしいんじゃけど、そこなんか怖いらしいで。」 

「へぇ、どんないわくがあるん?」 

聞くと、なんでもYって場所は縁結びの神様が祭られてる神社があるそうなんだが、 

そこである女が好きな男への思いを願いつづけたが、ついぞ叶わず、その神様を呪うという遺書を残して身を投げたとこなんだそうな。 

「ええじゃん!行こうや!」 

「でも場所がいまいちようわからんわ。Yは分かるけど、S峰って聞いた事ないよ。」 

「ええよ、コンビニで聞こw 

別に目的地につけずとも、何か探すっていう目的でよかった。オレら流の遊び方。 




Yは少し遠かったけれども、夜は道もすいててそんなに時間はかからなかった。 

オレらは適当なコンビニを見つけて、S峰を探すことにした。 

友達2人は売り物の地図を広げて、オレは店員に聞いてみた。 

「すんません、ここらでS峰って知りません?」 

「あぁ、S峰。ありますよ。」 

そういって店員は詳しい行き方を教えてくれた。 

「そこって神社あります?」 

「あぁ、T神社でしょ?今から行くんですか?」 

「そうそう、なんか怖いらしいから、、、。」 

「怖いですよ。あそこは。」 

店員の口ぶりに興味をひかれた。 

「え?店員さんもいったことあるの?」 

「ええ、絵馬でしょ?」 

「絵馬、、、?」 



「ええ、絵馬の遺書。」 

「ナニそれ?絵馬に遺書が書いてあるんですか?」 

「そうですよ、右側のかけるとこの一番下の右から、、、3番目くらいかな?一番奥。でももうさすがにないかな?」 

「そこにあるの!?」 

「ええ、オレは見たんですけどね。ま、今から行くんでしょ。もし見られなかったら何が書いてあったか教えますよ。大体覚えてるから。帰りもここ通るんでしょ?」 

「そんなん見て大丈夫なん?」 

「はずしちゃダメらしいですよ。オレはびびってはずせんかった。できたら外してみて下さいよ。」 

またまた~、なんて店員と談笑していると、 

「おい、場所わかった?」 

と、友達が地図をしまって話しかけてきた。 

「おう、店員さんが教えてくれたわ。ついでにおもろい話も。」 

「ホンマ?地図載ってなかったーや。分かったんなら行こうや。」 

OKOK!おもろい話したるけーの!」 

ただ出るのは悪かったので、缶コーヒーを一本買って店を後にした。 



オレはさっき店員から聞いた話を走る車の中でコーヒーを飲みながら友達に話した。 

「それマジで?やばいんじゃないん?」 

「まぁはずすまーや。見るだけならええんと。」 

「外したらどうなるか知りたいわ。○○ちゃん外してみてや。」 

「お前店員と同じ事言よるわw 

そんな話をしながら、店員に教えてもらった通り車を走らせた。 

「お、アレじゃないん?」 

神社らしきものが見えてきた。そこは結構山を上ったとこで、神社はちょうど頂上付近に建ってるって感じだった。 

その辺り一帯がたぶんS峰なんだと思う。 

オレ達は車を停め、神社に入ったが、 

神社は思ったより奇麗でなんだか拍子抜けしてしまった。 



「なんか心霊スポットって感じでもないのー。」 

「おぉ、これならW(近所の地名)の神社のがよっぽど怖いで。」 

「まぁ、絵馬探してみようや。」 

絵馬がかけてある掲示板みたいなものはすぐに見つかった。 

2メートル弱くらいのものが2つならんでいた。 

「右側の一番下の右から23番目、、、」 

絵馬は掲示板全体に、ギッシリといった感じでかけられていたが、 

店員が言った箇所に目をやるとちょっとおかしい。 

「あった?」 

「いや、ないけど、、、何コレ?」 

右側の掲示板、一番下の一番右。絵馬をかける釘の根元に、なんだか郵便ポストのような、ロッカーのような、 

いや、まるでビルの配線やらが入ってて、丸いとこを押して取手を出して開くやつみたいな(わかってもらえるか、、、)。 

そんなものが取り付けられていて、蓋に開いた小さな穴を通って釘は打ち付けられていた。 

その蓋の両端は耳みたいに取手が出してあって、それぞれ南京錠がしてあった。 



「、、、?」 

「こん中に遺書が入っとるとか、、、?」 

「、、、!そうじゃ、きっとそうじゃ!うぉ、これ怖いw 

中に目的のそれが入っていると確信して妙にテンションがあがったオレらは、 

そのロッカーみたいな、箱をはずしてみようとなった。 

箱は掲示板には釘で打ち付けられているだけだったので、 

みんなで引っ張ればはずれそうな気がした。 

最初に、外に掛かってる絵馬を全部はずして、 

車からもってきたマイナスドライバーで箱の打ち付けられている部分を持ち上げて、 

指が入るくらいの隙間になってからみんなで引っ張った。 

バキッ!と音がして箱が外れた。 

「うぉ!外れた!」 


484: ○○ 2005/10/27(木) 22:29:39 id:vYtCijxl0

中には明らかに他のものより古い、黒ずんだ絵馬が入っていた。 

みんな最初は黙ってみていたが、オレは絵馬に顔を近づけよく見てみた。 

何も書いてない、、、裏返してみると、字らしきものが書いてある、、、。 

みんなも顔を近づけた。 

「おい、火ぃ点けて。見えんわ。」 

友達がライターの火で絵馬を灯す。 


大好きなYさん 

大好きなYさん 

祈ったのに 

離れて行った 

裏切られた 

許さない 


「!!!」 

みんな絶句した、、これは怖い! 

「うぉ~~!怖ぇ~~~~!!!!」 

テンションが上がったオレは調子にのってオーバーリアクションをしてしまった。 

手に持っていた絵馬がオレが振った手に引っかかってポーンと飛んで行った。 

「あっ!」 

カツンと音を立てて落ちる絵馬。 

オレは急いで拾い、すぐにもとの場所にかけた。 

「、、、。やべ。」 

「、、、さすが○○ちゃん。」 

「いや、ホンマにわざとじゃないんよ、ちょっと調子乗ってもうて、、、」 

友達に言い訳をしてもしょうがないのだが、なんだか怖くてそんなことを言った。 

「ヤバいんかね?」 

「、、、。ま、迷信じゃろ。なんもないよ、こんなもん。」 

ちょっとビビりはじめたオレに気を使ってくれる友達にちょっとホッとしたその瞬間、 



「こりゃ~~~~~~~~~~~!!!!!」 

ものすごい怒鳴り声! 

オレは腰を抜かしてそこにへたり込んでしまった。 

「また冷やかしかと思ったら、まさか外しおるとは、、、こんの馬鹿もんがぁ!!!」 

いきなり怒鳴ったオッサンが神社の人だってのはすぐにわかった。 

いい歳こいて、こんなところ見つかるなんて情けない、、、。 

警察呼ばれたらヤバイかも、、、。 

「すんません、、、。」X3 

みんな謝るフリして、逃げるタイミングを目くばせして計ってた。 

するとオッサンは、 

「外したか?」 

「あ、、。あの、、、はい。」 

「箱外したんは見りゃ分かるわ!!絵馬じゃ!!絵馬は外しとらんじゃろうのぉ!!!」 



「あの、、、ちょっとだけ、、、ほんのちょっと。すぐに戻しましたよ。」 

「、、、。」 

オッサンは押し黙って、フゥーッとため息をついた。 

「だれなら?外したんは。」 

「オレ、、、です、、。」 

「ちょっと来い。」 

「いや、ホンマにすいません。出来心で。箱も直しますから、、、。ごめんなさい、、、。」 

「えぇけ~、来い言うとろうが!」 

オッサンはいかにも神社の人って格好をしているのに、まくしたてる様子はまるでヤクザだった。 

オレは仕方なく、言うがままついて行った。 

その時オレを置いて逃げようかどうしようか迷っていた友達の様子がとても憎らしかった。 



結局友達2人もついてきて、オレらは神社の裏手の建物の中に連れてこられた。 

「さてと。」 

オッサンは正座しているオレの前にしゃなりと座って、じっとオレの目を見た。 

顔が怖くて目をそらしたかったが、そらしてはいけないような気がしてオレもオッサンの目をじっと見ていた。 

しばらくして、 

「あんたぁ、男前じゃの。」 

「は?」 

「彼女はおるんかい。」 

「え?、、、ええ、一応。」 

「好きなんかいの。」 

「???、、、、ええ、まぁ、、。」 

訳のわからない質問に困惑したが、なんとなく心配になって聞き返した。 

「あの、、、彼女がなんかまずいことにでもなるんですか?」 

「ん~、もしかしたら調子壊すかもしれん。」 

「えぇ?なんで?」 



「あんたぁ、あそこまでしたんならあの絵馬が何か知っとるんじゃろ?」 

「えぇ、噂で、、、。」 

「あの絵馬があそこにかかっとるうちはの、女も悪さはせん。決して安らかな訳ではないがの。外すととたんに悪さをするんじゃ。自殺したもんもおる。」 

「、、、、。」 

オレは絶句した。 

「オレらもヤバいんですか?」 

後ろの友達2人が聞くと、 

「ちょっと外れたくらいなら、あんたらは大丈夫じゃ。でもあんたは、ちょっと悪さされるかもしれん。あんたぁ男前なけー、もしかすると女を狙われるかもしれん。」 

「ちょ、ちょっと、どうすればいいんですか!?」 

幽霊なんか信じない。そう信じていたオレは、もう完全に霊の存在を肯定していた。 



「あんたに影が見えん。女の所に飛んだのかもしれん。もしかしたらなんもないかもしれん。女が調子悪くなったら、病院行く前にここに来い。」 

オッサンは棚からメモ用紙を取り出し、電話番号を書いてオレにくれた。 

「ええか?次悪さしたら警察突き出すけんの?わったか!?」 

「ハイ!」X3 

いい返事をして頭を下げて帰ろうとするオレらを呼び止めて、オッサンは工具一式を持ってきた。 

「直して行け。」 

オレたちは外した箱の修理をやらされた。まぁ当然と言えば当然なんだが、、、。 

捲れた板をボンドでひっつけている途中、目の前で揺れる古びた絵馬が怖くて、マジで帰りたかった。 

絵馬に箱をそっと被せて、釘を打ち直した。 

「こりゃ、どうにかせんとのぅ、、、。」 

オッサンが後でつぶやいた。 



その日は、なんだか大変なことをしたと思ったが、なんか実感がなかった。 

帰りの車の中でも、 

「いや~○○ちゃんはやる思うたよ。さすがじゃーや。うぉ、怖ぇ~~、ポーン!じゃもんの~、オレできんわ。」 

「いや、マジでびびってもうたよ。でも正直オッサンのが怖かったけど。」 

「ホンマよ、なんやあれ、ヤクザか思うたーや。」 

緊張感などまるでなく、解放された安堵で逆にハイテンションだった。 

「☆ちゃん(オレの彼女)も大丈夫よ、あんなぁ脅かすために言うたんじゃーや。」 

オレも、まぁないだろう、、、と思っていた。 

帰りに行きによったコンビニによって、店員に絵馬を外したと報告して帰った。 

店員はどうなったか聞いてきたが、何もなかったと言うと、なぁ~んだと言った感じで笑っていた。 


次の日、一応心配だったオレは彼女に電話をして体調を確認した。 

そんなことを聞いてくるオレを彼女は不思議に思って、何かあったのかと聞いてきたが、元気そうだったので次の日の休日に会う約束をして電話を切った。 

その晩、彼女から電話があった。 

○○ちゃん?ごめん明日会えんかも」 

「え?どした?」 

ドキッとした。 

「なんか風邪ひいたみたい。熱あるし、寒気もする、、、。治ったらいいんじゃけど、なんかひどくなりそうで、、、。もしダメじゃったらごめんね。」 

オレは急に怖くなった。 

「そう、、、あったかくして、今日はもう寝ーや。」 

電話を切ってオレはすぐにオッサンにもらったメモがちゃんとあるか確認した。 

電話番号を携帯のメモリーに入れて、メモも財布に入れておいた。 

もし明日彼女の体調がやばかったら電話をしよう、、、。 



次の日、昼前に起きて彼女に電話を入れてみた。 

何回かかけたが、出ない。 

しばらく待ってまたかけた。さらに待ってまたかけた。 

全く電話にでない彼女が心配になって、バイクで彼女の家に行った。 

彼女は実家暮らしで実家の番号は知らなかった。 

彼女の家について、チャイムを押そうとしたその時、玄関がガチャリと開いて、彼女を背負ったお父さんが出てきた。 

「☆っ!、、、!」 

お父さんはオレを見て、 

「☆の友達?今はちょっと、、体調が悪いんじゃ。病院につれて行くけー。」 

背負われている彼女は意識があるのか、ないのかもよくわからなくて、口をぱくぱくさせてやっと呼吸をしているといった感じだった。 

(これは電話をしないと、、、。) 



すぐに携帯を取り出して、神社の番号に電話をかけた。 

玄関から半ベソのお母さんが出てきて、お父さんにかけより、 

「あなた、、救急車呼ぼう!」 

「車の方が早い!」 

なんて言い争いをしていた。それを聞いてオレはパニックになりかけてた。 

T神社です。』 

「あの、○○と申します、神主さんを、、、Jさん(オッサン)を、、、!」 

『は、はぁ、少々お待ちを』 

保留音が23秒流れすぐにオッサンが出た、 

『もしもし、大丈夫か?』 

「彼女が、、、☆が、、、、!!」 

『落ち着け!すぐに来れるか!』 

「はい、すぐに、、すぐに行くから、、、助けて下さい!」 

『すぐに来い!車か?気をつけぇ。それと、これは携帯電話か?』 

「そうです、、、」 

『じゃあ切るな!このまま彼女の耳に押し当ててわしの声が聞こえるようにせぇ!』 

「わ、わかりました。」 



携帯を自分の耳からはなしたオレに両親はすぐ詰め寄ってきた。 

「お、おい、今の話はなんや!どういうことや!」 

「車で話します!だから、、、車貸して下さい!スグに!」 

気づくとオレはベソかいて涙と鼻水で顔がぐちゃぐちゃだった。 

「病院に行くんじゃないんか?訳を話せ!」 

「神社に行くんです!オレが幽霊にちょっかい出したんです!そのせいで彼女がこうなってるんです!お祓いしてもらうんじゃ!スグ行かんと!!」 

オレはまくしたてた。 

オレのすごいけんまくに、両親も押され気味で困惑していた。 

さすがにいきなり幽霊とか言われりゃ困惑するだろうが、、、。 

「何言ってるの、、、病院行かなきゃ、、、!!あなた!!」 

迷うお父さんの背中から、☆がふと目を開けてオレを見て言った。 

Yさん、、、」 

絵馬にあった名前、、、大好きなYさん、、、オレは血の気がひいた。 

両親を殴り倒して車を奪ってでも神社に行かなきゃ。 

「行こう。」 

急にお父さんが娘を車にのせた。 



「君が運転してくれ。」 

オレはすぐに車に乗り込んだ。 

お母さんは、 

「あなた!本気!?どういうこと!?」 

と錯乱気味だ。 

お母さんも乗り込んできて運転席のオレにつかみかかるが、オレは構うもんかと車を発車させた。 

そしてもめている両親の怒号を打ち消すような大声で叫んだ。 

「この携帯電話を☆の耳に当ててくれ!!」 

キーキー騒ぎ立てる母親を静止して、お父さんは携帯電話を彼女の耳にあてた。 

すると彼女は苦しみ出した様子で、お母さんはもう狂ったように、 

「やめてー!やめてー!」 

と叫んでいた。 

「これは、なんや!なんでこんなことするんや!」 

「神社の神主さんがそうしろって!オレもわかりません、、!」 

車の中はしばらく騒々しかったが、やがてお母さんも落ち着いてきて(というか疲れてきたというか、、、)お父さんは詳細を把握しようとオレに経緯を訪ねた。 

オレは神社のこと、女と絵馬のこと、そしてあの夜のことを話した。 

両親は信じがたかったろうが、特に反論もせず、それからはしきりに彼女の名前を呼んで励ましていた。 



神社につくと、オレは彼女の耳から携帯をとり自分の耳にあてた、 

電話からは、オッサンのお経のような、呪文のような、そんな声が聞こえる。 

「つきました!」 

『~~~、、!そうか!すぐに前お前が入った建物まで運べ!』 

オレとお父さんで急いで彼女を神社の裏手の建物に運んだ。 

オッサンはなんか、神々しい格好をしていて、頼もしかった。 

「彼女をここに!」 

言われた通り、彼女をオッサンの前の布がひかれた場所に寝かせる。 

オッサンはお経のような、呪文のような、歌のような。そんな言葉を発しながら、彼女の身体に手をかざしたりしはじめた。 

たまに普通の日本語っぽい言葉も聞こえた。 

そのうち彼女に変化があった。 

「うぅ~~、うぉおお~~。」 


うなり声があがったと思うと、彼女は目を見開いて 

「またかー!またかー!おのれー!おのれー!」 

とすごい形相で叫び出した。身体は反り返り、たまにドスンと床に落ち、すぐ反り返る。 

お母さんはその様子を見て気を失ってしまった。 

オレももう身体がありえないくらい震えていた。 

「違う!違うぞ!この男は違うのだー!」 

「ヒャーッ!ヒャーッ!Y~~~~~!Y~~~~~!」 

卒倒寸前のオレをオッサンはいきなり捕まえて、 

彼女の目の前に突き出した。 

「よく見るがいい!おまえの愛した男か!違うであろう!」 

すごい彼女の形相。いや、これはあの女の顔なのか。 

「ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、違うんです、ごめんなさい、、、」 

オレは絵馬を外したことを心のそこから謝った。 



「~~~~~~~~~~~~~~~~。」 

声にならない声で唸っている彼女、、、そのうちそれはすすり泣きのようになっていった。 

オッサンはそれをみはからったように、彼女の横にそっとしゃがみこみ、今迄とはくらべものにならないくらい小さな声で語りかけていた。 

オレは腰が抜けて放心状態だった。横では彼女のお父さんもへたり込んでいた。 

やがて、彼女はだんだん落ち着いた様子になり、オッサンは最後の仕上げとでもいうように、立ち上がり、またお経のようなものを呼んで、オレらの前にしゃなりと正座した。 

「もう、大丈夫です。」 

それを聞いてオレは涙がボロボロ出た。声をあげて泣きじゃくってしまった。 

お父さんとオッサンがいろいろ話をしていたようだが、よく聞いていない。 


彼女は気を失ったままで、意識が戻ってからでいいので、病院に行くようにと言われたらしい。 

オッサンは帰り際にオレに話した。 



「正直あの程度でここまでつかれるとは思わんかった。あんたぁ、よっぼど気に入られたんじゃのぉ。もう祓ったから心配いらん。 

が、もう彼女には会うな。未練はそうとうなもんじゃ。またあんたと一緒におればああなるかも知らん。もう会うな。お互いの為じゃ。気の毒じゃがそうせぇ。」 

彼女のことは好きだったので、ショックだったが、やむを得ないと思った。 

オッサンは続けて、 

「できればの、、、引っ越せ。この土地を離れぇ。それが一番安全じゃ。もとはと言えばあんたの軽はずみな行動が原因じゃ、反省せぇ。」 

引っ越しはちょっと、、、と思ったが、やっぱりやむを得ないと思った。学校もやめなきゃ、、、。 

その後彼女の両親に送ってもらった。お父さんは、こうなったのは君のせいだが、助けてくれたのも君だから礼を言う、と言ってくれた。 

お母さんはずっと黙ってた。 

オレは両親にもう彼女とは別れ、自分もこの土地を後にし、戻らないと約束した。 

お別れも言えないなんてつらくて涙が出た。 


その後オレは学校をやめて地元に戻り就職した。 

その頃つるんでいた友達(心霊スポットを一緒に回った友達2人も)もちょくちょく遊びに来てくれたが、 

誰も彼女のことや、あの夜の後日談に触れるやつはいなかった

G県の廃遊園地K


これは今年の夏、地元G県の廃遊園地Kで私が体験したマジ怖かった話です遊園地はつい2~3年前閉鎖され、今ではホームレスのたまり場になっていると噂で聞いていました。そこで友人と弟と、3人で行ってみようということになりました。 



遊園地までは山道で、友人が車を出してくれました。真夏で暑かったこともあり、車内の窓は全開でした。山を登り始めたころから、車内に小バエのような小さな虫がいるのが気になっていましたが、次第にその数が明らかに増えていました。 


耳もとで羽音がすごいし、目や口の中にも入ってくる始末。私たちは気持ち悪くなり、一旦車を路駐して車外に出ました。すると、子猫の鳴き声が聞こえたんです。見ると、竹林の中に白い子猫がいました。 



初めは怯えていて、こっちに寄ってはこなかったのですが、私たちが持っていたお菓子やパンをちらつかせると、徐々に道の方に出てきました。明るいところではっきり猫を見た私たちはびっくり、その猫は右耳がなく、血が固まったあとがありました 



右目もつぶれていて、とても悲惨な姿でした。野良にやられたのかな、かわいそうと、持っていたパンなどを全部子猫にあげ、私たちはまた車に乗り込みました。 



そのとき、パンを狙ってか子猫を狙ってか、カラスが2羽急降下でおりてきました。細かい羽が飛び散り、私たちは一瞬固まりましたが、弟が車から飛び降りジャケットを振り回しながら声をあげて近づいていくと、カラスはパンをくわえて逃げていきました。 



私と友人も車から降り様子を見に行くと、さっきの子猫はカラスにつつかれたりしたようでお腹や顔から血を流していました。もう息もか細く、10分後くらいに息をひきとりました。 



埋めてあげようということになり、竹やぶに子猫を埋めました。その間もずっと上空ではカラスがギャアギャア鳴いていました。カラスが人を襲うとかよく聞くので、早く移動しようと、いざ遊園地に向かいました。 



現地に着くと、従業員入口みたいなところがまたげそうだったので、そこから中に入りました。ひとしきり散策しましたが、ガラスが割られているとかコンドームが落ちているとか、その程度でした。持って行ったポラで写真もとりましたが、何も写りませんでした。 


しかし、恐怖は帰りに起きたのです。お化け屋敷のアトラクションの前に、中から引っ張り出されてきたと思われる、ドレスを着たマネキンが横たわっていました。仰向けのかたちで、首を右向きに倒して(右を見て)いました。 



そのとき、さっきまでうるさいくらい鳴いていたセミがバチバチ言いながら一気に飛んだのです。それにびっくりし、きゃぁー!と3人で抱き合ってしまいました。蝉が飛び立ったあと、急激な静けさに全員が生唾を飲み込み、冷や汗をかいていました。 


そのとき、私は友人の目が一点を凝視していることに気付きました。まばたき一つせず強張った顔の友人に、大丈夫?と聞きました。すると 

「あの人形さっきまで右向きだったよね?」 

と、震える声で言いました。 



私の真後ろにあるマネキンです。とたんに、全身に鳥肌がたち、背骨から頭の先に圧迫感を感じました。そして振り向くと、たしかにマネキンは左をむいていたのです!しかも、仰向けの体制からまるで寝返りをうったかのように、体ごと左を向き、私たちのことを見ていたのです! 


次の瞬間、友人が突然すごい声で「グェェェェ!」と叫びました。驚いて友人の方に振り返ると、口からよだれを垂らし、手の指がありえない向きにばらばらに動いていました!私は腰を抜かしそうになりましたが、弟に友人をおんぶさせ、走って入口まで逃げました。 


途中、弟が「うわぁぁぁ!」と叫ぶので見ると、友人が後ろから弟の首をしめていました!私は恐怖とパニックで「Mちゃん(友人)やめて!」と泣き叫びながら、友人の背中を強くグーで叩きました。 


すると友人は「うぅ」と呻いて、弟の首を絞めるのをやめます。そのすきに走って、また首を、背中を叩く、それを繰り返し、やっと入口にたどり着きました。弟は完全に腰が抜けてしまっていて、友人はまた遊園地の中に入っていこうとします。 


引き止めようと腕や肩をつかんだら、すごい力で振り飛ばされ、粉々のガラスの上に顔面からつっこみました。パニックだったので痛みはありませんでした。そのとき、友人のバッグから車のキーがのぞいているのに気付きました 


私は弟に友人を見張っておくように言い、キーを持って車を取りにいきました。すると、フロントガラスの上に、埋めた子猫の死骸が、土まみれで置いてありました。私は足ガクガクで、その場に立ち尽くしました。近くでカラスの鳴き声もします。 


掘り返したのか?なんて考える余裕が一瞬ありました。完全に頭がぼーっとしてしまい、動けませんでした。そのとき、遊園地入口の方から弟が友人をずるずる引きずりながら「姉ちゃん!何やってんだよ!」と叫んで出てくるのが見えました。 


私は、弟の首がどす黒く変色しているのと、友人の気持ち悪い動きを見て、何かがふっきれました。そして「わぁーっ!!」と叫びながら、フロントガラスの猫の死骸を手で払いのけました。そのときのずっしり重く、ぺちゃっとしてぬるい感触はいまだに忘れられません 


そして車に乗り込み、弟と友人を乗せ、急いで山をおりました。途中カラスが車に何羽もぶつかってきたり、エンジンが3回とまるなど、本当に怖かったです。 


山をおりてすぐのところにA神社があり、私たちはそこに転がり込みました。巫女さんの姿が見えたので、助けてください!と叫びながら境内の方に走りました。顔面血まみれの私を見て、巫女さんはすぐに神主さんを呼んでくれました。 


友人はふらふらと車から降りてくると、わりとちゃんとした足取りで境内の方についてきました。しかしわけのわからない言葉をぶつぶつ言っていました。私と弟は、友人の手をしっかり握り、神主さんに事情を話しました。 

神主さんは「事情はわかったから、きみたちは病院へ行きなさい。この子(友人)についてきた物と話してみるから」と言ってくれました。私と弟は二人で病院へ行きました。弟は首にくっきりと手のあとがついていました。 


私は病院の入口につくなり、血の気が引いて倒れてしまいました。あとで弟に聞いたら、出血がひどくて大変だったそうです。弟に血をもらい、顔に残ったガラスを取り出し縫う手術を受けました。病院側が連絡したらしく、警察の取り調べも受けました。 


次の日、私と弟もA神社にお祓いに連れていかれました。神主さんは怒りませんでしたが、事態の深刻さについては静かに話してくれました。友人は、あのあと意識が戻らず1週間入院しました。 

友人の車は、神主さんの助言もあり親御さんが廃車にしたようです。弟は、首の痕はとれましたが、尻餅ついたときの打ち所が悪く、片足が不自由になってしまいました。私はというと、ガラスが目に入ってしまったらしく、数年後には失明すると診断されました。 

みなさんも、心霊スポットには十分お気を付けください携帯から長文失礼しました。 

カラオケボックス

912: 本当にあった怖い名無し 2005/10/31(月) 18:12:13 id:Gp74mNkQ0

あんまり洒落にならない話 


12年前の話ですが 

当時、私は流行りだしたカラオケボックスの従業員 

従業員は店長を入れて8人 部屋数は18 

(当時流行ったコンテナ式のカラオケボックス 広い駐車場のような 

 敷地に18個のコンテナが置いてあります) 


最近のカラオケボックスに比べると小規模な作りですが、 

今では考えられないほど繁盛していました。 

(2.3時間待ちが普通、システムは昔の100円1曲式) 


開店12時~閉店2時まで非常に多くのお客で賑わってましたが、 

何故かいつも決まった特定の部屋でトラブルが起こります。 


トラブルの例としては、お客同士の喧嘩と入室後のお客からの部屋替えの希望 

(部屋が気持ち悪いと言う人が多い) 

7号室と13号室にお客を入れると、週に4,5回のペースで 

こういった事が起きてました。 


トラブルの例としては、お客同士の喧嘩と入室後のお客からの部屋替えの希望 

(部屋が気持ち悪いと言う人が多い) 

7号室と13号室にお客を入れると、週に4,5回のペースで 

こういった事が起きてました。 


で、私の体験なんですが、時間的には23時過ぎ 

同僚のMが7号室のダスター(後片付け)から青い顔をして帰ってきました。 


M「外を見てくれ!7号室は何かおかしい」私は訳がわからず、7号室に向かいました。 

受付から7号室までの距離は30mぐらい敷地内の一番端にあるのが7号室 

突き当たりの7号室のコンテナの後ろに男(25,6歳)が立っているのが 

見えました。外は照明も少なく、見通しも悪く、部屋からお客が出てきて 

外に立っているんだろうと考えましたがMはダスターの帰り。 


男を見て少し考えていると、血の気が引きました。 

突き当たりの7号室は敷地の一番端、隣にはマンションがあり 

7号室の壁とマンションの隙間は10センチ 

人間が入れる隙間はマッタクありません。 


表現が難しいのですが、建物の角から男が半分顔を出して 

覗いている感じです。 


そんな事をしていると男は消えました。 

消えると言うか、煙のような感じで 



少し疲れているのかと思いましたが、Mと私の二人がこの男を見ています。 

結局、この日は何もありませんでしたが、 

あまりに気持ちが悪いので、仕事が終わった後 

スタッフ同士で少し話しをして、事業部に報告することに 


その日から、特に何か起こることも無く 

報告した事業部も笑って、この話は無かった事になりかけてた 

んですが、数ヶ月後大きな事件が起きました。 


スタッフ4人が同じ日に事故に遭いました。 

私は単車で転倒・Iさん、Hさんは車で事故 

同僚のEは事故で亡くなりました。 


たった一晩で4人のスタッフが怪我しました。 

この事がきっかけで事業部が話をしてくれました。 

内容は、このボックスを建設したときに地鎮祭 

やってないらしく、事業部の数人の方は気になってたらしいです。 


後からわかった話なんですが、同僚のMは霊感が強く 

いつも何か気配を感じてたらしいです。 

あの出来事から12年、思わず、書いてしまいましたが 

少し後悔しています。 


それ以来、人では無い者を見ることは無いですが 

いったい何を見たのか、未だにわかりません。 


文章下手で申し訳ない でもネタではありません 

熱海のトンネル

140: 本当にあった怖い名無し 2005/11/04(金) 00:29:37 id:pUKtqX8P0

俺がガチで体験した話ね。5年前、会社の異動でさ、埼玉から熱海に転勤になったんだよ。 

熱海なんか行ったことないからさ、ワクワクしたね。なんだかんだで日本有数の温泉街だし 

タダみたいな寮費で住めるのか~みたいな。(実際は大したことなかったんだが) 


んで、熱海に到着してすぐ会社に行って挨拶した。しばらく仕事の話をしてたんだが、 

会社のお偉いさんが「今日は寮で休んでいいよ」と言ってくれたんで、夕方まで町を散策してた。 

で、寮に帰ってきたんだけど、気分が高揚しててさ。おまけに会社の人が「熱海の夜景は綺麗だよ」なんて言うもんだから、探索がてらドライブに繰り出したんだよ。 


夜の11時くらい。 


141: 本当にあった怖い名無し 2005/11/04(金) 00:30:07 id:pUKtqX8P0

熱海に行った事がある人なら分かると思うんだが、熱海ってとにかく坂が多いんだよ。 

街中坂だらけ。だからという分けじゃないが、知らない街というのもあって、道に迷った。 

ただそこまで遠出したつもりもないんで、そのうち帰れるだろうと夜景を見ながら 

ドライブしてたんだよね。 


坂を上がって下って、城?みたいな所を通って、ちょっとした峠を下って 

帰り道が完全に分からなくなって心細くなり、おまけにCDチェンジャーも故障。 

ちょっと泣きそうになりながら短いトンネル(30mくらいか)に差し掛かった。 



142: 本当にあった怖い名無し 2005/11/04(金) 00:30:46 id:pUKtqX8P0

余談だけど俺には一切霊感がない。霊的な体験もしたことがなかった。 

でも、そのトンネルに入る瞬間、本能が「入るな!」って警鐘を鳴らしたんだよね。 

上手く言えないんだけどさ、そのトンネルに入ったら終わり、みたいな、漠然とした 

不安感みたいなのがあって。だけどそこを通らないとまたクネクネした坂道を引き返さないと 

ならないから、本能に逆らってトンネルに入った。 


143: 本当にあった怖い名無し 2005/11/04(金) 00:31:20 id:pUKtqX8P0

トンネルに入ってちょうど真ん中まで来た時、車を止めた。止まったんじゃなくて、止めた。 


トンネルの真ん中にさ、子供が5,6人いたんだよ。石を積んだり蹴ったりして遊んでんの。 


この時の衝撃ときたら。夜中の12時過ぎにトンネルの真ん中に子供がいるんだよ。 

あまりの恐怖に叫ぶことも出来なかったね。心臓をハンマーで殴られたみたいな。 


体が震えて歯はカチカチなるし、とにかく動けなかった。 


そしたら子供の一人がこっちを向いて笑ったんだよ。凄まじい笑顔。歯剥き出しで。 

その瞬間にようやく叫んだ。そして叫びながら車を高速バック。ドアを壁に擦って 

火花を散らしながら入り口まで戻ってUターン、ガチガチ震えながら何とか寮まで帰った。 



144: 本当にあった怖い名無し 2005/11/04(金) 00:32:24 id:pUKtqX8P0

次の日にね、会社に行って地元の受付のおばちゃんに昨日の恐怖体験を話したんだよ。 

こういう道を通って、トンネルに入って子供が・・・って。 


そしたら「あそこのトンネルね・・・○○さん、そのトンネル抜けたら錦ヶ浦よ」と。 


錦ヶ浦って何ですかと聞いたら、「自殺の名所」だと言う。 


もしあの時トンネルを抜けてたら、車ごと引きずり込まれてたかも知れない。 

ドアはおしゃかになったけど、抜けなくてよかったよ。他の車が後ろにいなかったのも 

ラッキーだった。(ていうか帰りの坂道でも1台もすれ違わなかった) 


以上。俺的には最初で最後の恐怖体験だった。 

行き止まりの吊り橋


この話は、実際に友人が遭遇した話で、彼もその場はついに教えてくれ ませんでした。 
友人も、実際に人が二人死に、彼も警察にしつこく尋問されたそうです。 
これは私が大学時代に友人から聞いた話なのですが・・・。 

彼が、バイト先の友人6人とある日中国地方某県某所の吊り橋にドライブにいった時の事です。 
その日、彼らは車2台に分乗し出かけたそうです。 

彼は、後ろの車のドライバーでした。 
前の車にはバイト先の店長と、彼らのグループ内で公認の、 
そして、親さえ公認のカップルが、 
後ろに車には、残りの彼を含む4人が乗り込み、彼はドライバーだったそうです。 
朝から出発したにも関わらず、途中でいろいろ寄り道をしたおかげで目的地の吊り橋に到着し たのは、もうすっかり日も陰った夕闇時だったそうです。 
山の中の深い谷に架かる吊り橋。。 
吊り橋が近づくと、小雨が振り出し、うっすらと霧もでてきたそうです。 
吊り橋の手前は広場になっており、晴れていればそこに車を止め、歩いて吊り橋を渡り、帰っ てくるはずでした。 
(吊り橋の向こうは当時から行き止まりになっており、この吊り橋は観光用に残されたものらしいです。) 
ところが、広場まで来ると前の車が急停止したそうです。 
「???」 
10mほど後ろで、2台目の車に乗っていた4人は、何故店長が車を止めたのか解らずに暫く 固まっていたそうです。 


46 名前: その2 投稿日: 2000/08/03(木) 02:20
しかし、一向に動かす気配も無いので、彼が様子を見に行こうとドアを空けかけた瞬間。 
前の車の後席に座っていた友人のカップルが車から飛び出してきたそうです。 
彼も驚いて車から降り、 
「なんかあったんか?」 
と叫んで近づこうとしたその時、 
2人は手を繋いで、凄い勢いで走り出し、 
そのまま広場の端のガードレールを飛び越えて谷に身を投げてしまっ たのです........。 
彼らは、驚いてガードレールまで駆け寄り谷底を見ましたが霧で何も見えなかったそうです。 
呆然自失していた彼ら4人も我に返り、前の車の店長の様子を見に車まで戻りました。 
店長は、運転席でハンドルを手が白くなるまでしっかり握り小声でぶつぶつと 
「行っちゃだめだ行っちゃだめだ行っちゃだめだ行っちゃだめだ行っちゃだめだ」 
と呟いていたそうです。 
とりあえず、彼らは警察に通報しました。 
警察がすぐに到着し、すっかり正気をなくした店長は救急車で運ばれたそうです。 
その後2人は、当然ですが死体となって発見されました。 
彼らは警察にしつこく尋問されましたが、結局、自殺(心中?)という形になったそうです。 
その後、店長の見舞いにいった彼は、店長にあの時なにがあったのか聞いたそうです。 
店長が言うには、あの時、突然車の前に古風な着物を着た女の子が霧のなかから現れたそうです。 
"危ない” 
と思って急ブレーキをふんで車を停止させると、 
まるで時代劇か明治のドラマに出てくるような格好をしたおかっぱ頭の女の子で、なぜか笑っていたそうです。 
こんな所に・・・?と思うより先に不気味に思い、逃げるか?と思った時、 
車の周りを同じ様な格好をした 子供達に囲まれていることに気づいたそうです。 
うわっヤバイ、 
と思った店長はとっさにお経を口の中で唱え始めたそうです。 
車を囲んだ子供達はそのまま手を繋ぎ歌いだしました 
か~ごぉめぇ か~ごぉめぇ かぁごのなかのとぉりぃはぁ・・・」 
その時店長の頭の中に子供の声が 
”おいでよぉ。おいでよぉ。おいでよぉ。” 
と響いてきたそうです。 
店長は 
「行っちゃだめだ行っちゃだめだ行っちゃだめだ行っちゃだめだ」 
とハンドルを握りひたすらお経を唱えたそうです。 
その時、後ろの2人が突然車から降りると子供達と手を繋ぎ、子供達と一緒に走りだしたそうです。 
ガードレールの向こうへ・・・。 
崖に向かって。 
「こんな話、警察は信じてくれねーしよお。俺だって、もうあれが本当かどうかなんて自信ねーよ。」 
と店長は、最後に彼に言ったそうです。 
その話を一緒に聞いていた別の友人が、 
「またー、よくできた作り話だなあ。」と茶化すと、彼は一言 
「本当だよ、○○と××はそれで死んだんだ。」 
と言いました。 
僕も、本当だと思います。 

逆さの樵面

私が生まれる前の話なので、
直接見聞きしたことではなく、
その点では私の想像で補ってしまう分もあることを
先に申しておきます。

それから地名、人名等は仮名としました。

もったいぶった始め方ですが、
この話の終わりには
家の戸口に影が立つこともあるかも知れません・・・

私の生まれた村はつい先日合併によって閉村し、
別の名前の町に生まれ変わりました。

しかし千羽神楽の名は残っています。

室町時代から脈々と続くこの夜神楽は、
かつて村の4つの家によって継承されてきました。

稲には実りを、
また山には厳しい寒さをもたらす神々を、
歓待し楽しませるための舞を踊るのです。

村にある神社を1年間で順繰りに回り、
氏子たちが見守る中で夜が更けるまで舞い続けます。

舞うのは4つの家の太夫と、
かつては決まっていたようですが
現在では1家を除いて家筋の消息が不明となり、
若者不足も重なって舞太夫には
誰でもなれるようになっています。

もともと4家に神楽を伝えたのは
熊野より落着した日野家であると、
資料にはあります。

当主であった日野草四郎篤矩が
そのとき持参したといわれる神楽面が、
のちに村の家々の戸口に影を立たせることになるのです。

千羽神楽では素面の舞もありますが、
面をつけての舞がほとんどです。

神楽面は舞太夫が
人から人外のものへと変わるための装置であり、
衣装を合わせ面をつけた時、それは太夫ではなく
鬼神や魔物そのものが舞っているものとして認識されます。

そのため、神社の中とはいえ
人の領域の内に鬼神を招くための結界として、
はじめに注連縄が張られるのです。

受け継がれてきた古い面には力があり、
けして粗末な扱いをしてはならないとされています。

江戸中期に記された『千羽山譚』には、

「特に翁の面は怪力を持ち
他の面と同じ行李に入れていては、
他の面を食い破る」

という不気味なことが書かれており、
現在も神楽面の中で唯一翁面だけが
竹で編んだ小さな行李に単独で保管されています。

私の父はこの翁面の舞手でしたが、
いつもこの面を着けるときだけは
手に汗が浮くと言っていました。

さて、室町時代より
500年にも亘って続く千羽神楽ですが、
その長い歴史の中で
演目が亡失するということもあったようです。

千羽郷に赴任された役人の
古河伝介が記したという『千羽山譚』や、
その他の旧資料に現れる神楽の記述によると、
もう舞われなくなっている
4つの舞があることがわかります。

このいずれも、面も祭文も残っておらず、
資料の挿絵によって
衣装が辛うじてわかるくらいでした。

ことの発端は、
この失われた舞が復活する次第よりはじまるのです。

大正11年の5月11日、
神楽面が出て来たという通報が
村役場にありました。

高橋家という旧家の土蔵より、
幾ばくかの資料とともに
2つの神楽面が発見されたというのです。

高橋家はかつて数代にわたって
神楽の座長を務めたといわれており、
何代か前にあとを襲う男児に恵まれなかった折に養子を招き、
神楽からは離れていったようです。

そしてなんらかの理由で
次の太夫にこれらの面と舞を伝えることもないまま、
演目が亡失するという事態に至ったということでした。

さて、面は出て来たものの
舞の復活には至りません。

祭文が出てこないのです。

しかし、失われた神楽舞の復活に賭ける気運が高まっていたため、
千羽神楽を興した日野家のルーツである熊野へ人を遣り、
近似の舞から演目を起こすというという計画が持ち上がっていました。

そんなとき、計画を主導していた当時の座長である
森本弘明氏が不思議な夢を見たのです。

弘明氏は消防団の団長も勤めていた人物で、
公正で篤実な人柄が認められていたといわれています。

その彼が神楽が催されたある夜に、
舞い疲れて家に帰らず神社の社殿で一人眠っていたとき、
真っ暗な夢が降りてきたと言うのです。

夢で深山の夜を思わせる暗闇の中にひとり佇んでいると、
目の前に篝火がぽっと灯され、
白いおもての奇妙な服を着た人物が
暗闇の奥より静々と進んできました。

良く見ると白い顔は神楽面で、
高橋家の土蔵より発見された
山姫と呼ばれる面だったのです。

格衣に白い布を羽織り、
山姫の面を着けた人物は篝火の前まで進み出ると、
弘明氏に向かってこう言いました。

『これより、山姫の舞を授ける』

そして静かに舞いはじめたのです。

弘明氏はこれはただの夢ではないと直感し、
その舞の一挙手一投足を逃すまいと
必死で見ていたそうです。

やがて山姫が舞い終わると、
篝火が消え深い闇の帳が下りました。

しかしまだ夢が覚めないのです。

また篝火が灯りました。

こんどは赤く猛々しい
鬼神ような面をつけた人物が現れました。

そしてこう言うのです。

『これより、火荒神の舞を授ける』

山姫の舞から一転して激しい舞がはじまりました。

そしてその面は
やはり土蔵から見つかった面だったのです。

舞が終わるとふたたび篝火が消え、
また灯りました。

こんどは格衣に烏帽子姿の人物が
闇の奥より現れました。

面を着けていない素面で、
その目じりには深い皺が刻まれた初老の男でした。

『これより、萩の舞を授ける』

その声を聞いて
明弘氏はすべての舞を演じたのが
この人だと悟ったのです。

明弘氏は、舞を見ながら涙を流したと言います。

どの舞も情熱的で、
人が舞っているとは思えない神々しい舞でした。

社殿の畳の上で目覚めて、
明弘氏はただちに今見た舞を踊りました。

試行錯誤を繰り返し、
東の山に陽が射すころには
3つの舞を完璧にこの世に蘇らせたといいます。

これが失われた3つの舞が
千羽神楽に取り戻された事の次第で、
未だに千羽に語り継がれる縁起なのです。

その夜、明弘氏の夢に現れた人物は
高橋家の5代前の当主であった
高橋重次郎氏ではないかと言われています。

高橋家の大刀自は
当時100に近い歳であったといわれていますが、
明弘氏が披露した舞を見たとき、
幼いころに見た曽祖父の舞だと言って
泣き崩れたと伝えられています。

さて、失われた4つの舞のうち
3つまでは復活しました。

『山姫の舞』
『火荒神の舞』
『萩の舞』・・・

『千羽山譚』によると
残る一つは『樵の舞』とあります。

しかし高橋家の土蔵からは
この舞に使われる樵面が発見されず、
『樵の舞』だけは亡失されたままでした。

樵面は熊野より落着した日野草四郎篤矩が持参した面とされ、
明応七年(1498年)の銘が入っていたと、資料にはあります。

一時期、前述の翁面と同一視されていたこともあったようですが、
翁面には永禄五年(1562年)の銘があり、
別の面であると認識されるようになっています。

時は下って昭和40年。

私の父が舞太夫としての手解きを受けたばかりの頃です。

大正時代に高橋家より面が見つかって以来、
役場を中心に各旧家の協力の下、
あれだけ捜索されても発見されなかった樵面が、
あっさりと出て来たのです。

人々を震え上がらせる呪いとともに・・・

当時、在村の建設会社に勤務していた父は
職場で「樵面発見」の報を聞きました。

社長がもともと舞太夫で、
父に神楽舞を勧めた本人だったため、
早退を許してもらった父は、
さっそく面が見つかったという
矢萩集落の土谷家へと車を走らせました。

もともと山間の千羽でも、
特に険しい地形にある矢萩集落は
町ほど露骨ではなかったものの、
いわゆる部落差別の対象となるような土地でした。

父のころにはまだその習慣が残っていて、
あまり普段は足を向けたくない場所だったといいます。

その集落にある土谷家は、
もともと県境の山を越えてやってきた客人の血筋で、
集落では庄屋としての役割を果たしていたようです。

江戸時代から続くといわれるその古い家屋敷に、
噂を聞きつけた幾人かの人が集まっていました。

その家の姑である60年配の女と
役場の腕章をつけた男が言い争いをしており、
その間に父は先に来ていた太夫仲間に
ことのあらましを教えてもらいました。

どうやら、その日の朝に役場へ
匿名の電話が入ったようです。

曰く

「樵面を隠している家がある」

と。

それは土谷家だ、
とだけ言って電話は切られました。

不審な点があるものの、
とりあえず教育委員会の職員が土谷家へ向かい、
ことを問いただすと

「確かに樵面はある」

と認めたのでした。

言い争いは平行線だったようですが、
とりあえず土谷家側が折れて
父たちを屋敷へあげてくれました。

歴史ある旧家だけあって
広い畳敷きの部屋がいくつもあり、
長い廊下を通って、
玄関からは最奥にあたる
山側の奥座敷の前で止まりました。

どんな秘密の隠し場所に封じ込められていたのだろう、
と想像していた父は拍子抜けしたといいます。

姑が奥座敷の襖を開けたその向こうに、
樵面の黒い顔が見えたのです。

しかしその瞬間、
集まった人々の間に

「おお」

という畏怖にも似た響きの声が上がりました。

「決して中へは入ってはなりません」

と姑は言い、
悪いことは言わないからこのままお引取りを、
と囁いたのです。

明かりもなく暗い座敷の奥から、
どす黒い妖気のようなものが
廊下まで漂ってきていたと、父は言います。

締め切られていた奥座敷の暗がりの中、
奥の中央に位置する大きな柱に
樵面は掛けられていました。

しかしその顔は天地が逆、
つまり逆さまに掛けられているのです。

しかも柱に掛けられていると見えたのは、
目が暗がりに慣れてくると
そうではないことに気づきます。

面の両目の部分が釘で打たれ、
柱に深く打ち留められていたのです。

「なんということをするのだ」

と古参の舞太夫が姑に詰め寄るも、
教育委員会の職員に抑えられました。

「とにかくあれを外します」

と職員が言うと、姑は強い口調で

「目が潰れてもですか」

父は耐え難い悪寒に襲われていました。

姑曰く、あの天地を逆さにして
釘を目に打たれた面は、
強力な呪いを撒き散らしていると。

そしてこの座敷に上がった人間は、
ことごとく失明するのだと言うのです。

「バカバカしい」

と言って座敷に入ろうとする者はいませんでした。

古い神楽面には力があると、信じているというより、
理解しているのです。

だからこそ、
翁面を小さな行李に入れ、また

「1年使わないと表情が変わる」

といわれる般若面の手入れを欠かさないのです。

入らずには面を外せない。

入れば失明する。

だからこそ、土谷家では
この奥座敷の樵面を放置していたわけです。

調度品の類もない畳敷きの座敷は
埃と煤で覆われていました。

明治の前よりこのままだと、姑は言いました。

何か方法はないかと考えていた太夫の一人が、

「あんた、向かいの太郎坊に取りに入らせたらよかろう」

と手を打ちました。

「あれはめくらだから」

と。

父はなるほど、と思いました。

確かに土谷家の隣家の息子は目が見えない。

彼に面を外させに行かせたらいいのだ。

ところが、姑は暗い顔で首を振ります。

そしてこの樵面の縁起を訥々と語り始めたのです。

かつて日野草四郎篤矩によって神楽を伝承された4家は、
その後も大いに栄えたと伝えられている。

ところが、姑曰く土谷家は
その4家よりも古い神楽を伝えられているという。

日野家と同じ客人(まろうど)であった土谷家こそが、
日野家以前にこの千羽に神楽を伝え、
千羽神楽の宗家であったのだと。

ところがあらたに入ってきた遠来の神楽にその立場を追われ、
山姫などいくつかの演目と面、
そして縁起まで奪われてしまったのだと。

そしてこの樵面こそ、
土谷家が今はいずことも知れない異郷より携えて来た、
祖先伝来の面なのだと。

それを日野家由来とする資料は、
ことごとく糊塗されたものだと。

そうした経緯があるためか、
4家のみによる神楽舞の伝承が壊れたのちも、
土谷家からは舞太夫を出さないという仕来りがあった。

しかし江戸時代の末期に、
とうとう土谷家の人間が舞太夫に選ばれることとなった。

土谷甚平は迷わず樵面を所望したという。

ところが樵面を着けた夜、
甚平は葉桜の下に狂い、村中を走った。

そしてこの世のものとは思えない声でこう叫んだ。

「土モ稲モ枯レ果テヨ。沢モ井戸モ枯レ果テヨ」

そして面の上から自らの両目を釘で打ち、
村境の崖から躍り出て死んだという。

死骸から面を外した甚平の姉は、密かに面を持ち去り、
土谷家の奥座敷の柱に逆さまにして打ちつけた。

その年より村は未曾有の飢饉に見舞われ、
また「戸口に影が立った家」には
いわれ無き死人が出たという。

樵面は樵でありながら神そのものであり、
その神に別の神の言葉を喋らせ、
別の神の舞を踏ませたことが、
面の怒りをぐつぐつと長い年月に亘って
煮立たせていたのだという。

そして甚平の体を借りて
呪詛を村中に撒き散らせたのだ。

いわば日野流神楽への土谷流神楽からの復讐だった。

その樵面は未だに土谷家の奥座敷にて、
この村を呪い続けている・・・

姑の口から忌まわしい恩讐の話を聞かされた父たちは、
その場に凍りついたままだったといいます。

憑き物がわずかに取れた顔で、姑は肩の力を抜きました。

「太郎さんはいけんよ。次は命がないけんね」

その言葉を聞いて、太夫や職員は色めきました。

姑はつまりこう言っているのです。

「太郎さんの目が見えないのは、
むかし樵面を取りに座敷に入ったからだ」

と。

結局一堂は土谷の屋敷から離れました。

そして近くの神社に寄りあって、
どうしたらいいのか協議をしました。

壁を壊して座敷の裏側から
面を外してはどうかという意見が出ました

が、土谷家の人間を説得できない限り
そんな無法はできないという結論に至るばかりです。

さりとてこのままにはしておけない、
と頭を抱えていたとき、
一人の老人が寄り合い所を訪れました。

90年配の高齢と思しき老人は、
自分が樵面を外すと言いました。

人に外せないなら、
人ならぬものが外せばいいと。

再び土谷家へ出向いた一堂は、
ことの次第を姑に話しました。

老人の手を握り、
承知した姑は奥座敷に案内しました。

襖を開け、再び樵面にまみえた父たちは怖気づきましたが、
控えの間から白い人影が現われたとき、
えもいわれぬ安堵感に包まれたと言います。

山姫の面に格衣、
そして白い布を羽織った老人が
静々と歩みよって来たのです。

そして神歌とともに舞いながら、
ゆっくりと座敷の内側に入り込んで行きました。

息を呑む父たちの前で、
不思議な光景が繰り広げられていました。

暗い座敷の中で白い人ならぬものが舞っているのです。

太夫の一人が叩く神楽太鼓の響きの中、
山姫はひと時も止まることなく足を運び、
円を描きながらも奥の柱の樵面へ近づいていきました。

山姫の手が樵面へ触れるや否や、
面の両目を打っていた釘がぼろぼろと崩れ落ちました。

100年以上も経っているため、
腐っていたからでしょうが、
父にはそう思えませんでした。

この襖の向こう側は人の領域ではないのだから、
何が起こっても不思議ではないと、
素直にそう思えたのです。

ちょうど舞が終わるころ、
黒い樵面を携えて山姫が座敷から出てきました。

「もう舞うことはないと思っていた」

森本弘明老人はそう言って山姫の面を外しました。

『山姫の舞』
『火荒神の舞』
『萩の舞』

三舞復活縁起のまさにその人が、
最後の『樵の舞』の面を取り戻したのです。

父は得体の知れない感情に胸を打たれて、
むせび泣いたそうです。

その後、樵面は
土谷家ゆかりの神社に祭られることになりました。

演目としては催されることはありませんが、
『樵の舞』は土谷家に密かに伝わっていたため、
これで失われていた4つの舞が蘇ったわけです。

のちに父は機会があり、
森本老人に舞太夫としての心得を聞きました。

森本老人は

「素面にあっては人として神に向かい、
面を着けては神として人に向かうこと」

とだけ教えました。

神そのものに心身が合一すると、
はじめて見えてくるものがある。

そう言って笑うのです。

千羽神楽の中で樵は山姫と恋仲にあることが、
演目のなかに見えてきます。

しかし山姫などのいくつかの演目は、
いにしえの土谷流と日野流では
まったく違うものであったといいます。

現在の土谷家に伝わっていたのは
『樵の舞』だけであったため、
『山姫の舞』などは日野流と面を同じくこそすれ、
一体どんな演目であったのか皆目わからないのです。

しかし、森本老人はあの樵面を取り戻した舞の中で、
山姫は樵を愛していることが分かったと言います。

「きっと、いにしえの舞でも、山姫と樵は恋仲にあったのだろう」

だからこそ、
樵面をあの座敷から出すことができたのではないか、
と。

その言葉に父は頷きました。

神楽とは、一方的に与え、一方的に奪う、
荒ぶる神との交信の手段なのだと私は思います。

神を饗待し、褒め、時には貶し、
集落で生きる弱き者の思いを伝え、
またその神の意思を知るために
神楽が舞われるのだと思います。

「神」を「自然」と置き換えてもかまいません。

日本の神様は怒りっぽいということを
聞いたことがあります。

しかし荒々しい怒りとともに、
たいていその怒りを鎮める方法も
同時に存在するものです。

たぶん、陰々と千羽を呪い続けた樵面にとって、
あの森本老人の山姫の舞がそうであったように。

その出来事のあと、
私が生まれる数年前に
森本老人の家の戸口に
影が立っているのを多くの人が見たそうです。

あの樵面の呪いにより、
いわれ無き死人が出るという影です。

しかしその日は、
1世紀にわたって生きた舞太夫の、
大往生の日だったということです。